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2023.08.09 – 研究進捗:白糠町の植物から低温性の有用微生物を探す

本拠点では,白糠町に自生する様々な植物から,低温で活動できる有用な微生物を探す研究も進めています.(矢島)
 
白糠町の気候風土で生産が可能な地域独自の体にいい作物を見いだし,実際に栽培していく時に,対策を考えなくてはならないことの一つが植物の病気です.これは作物生産する上で世界どこでも起こる問題ですが,本州のような温暖な地域で効果のある対策が,寒冷な北海道では効かないこともあります.したがって土地に合った対策をする必要があり,その土地に元々いる有用な微生物に植物の病気を抑えてもらえると,農業を続けていける健全な土地を未来の子どもたちへも引き継げると考えられます.そこで本拠点では将来を見据えて今から対策を進めており,白糠町にもともと居る微生物を調べ,その能力を調べています.
 
本拠点の上井と徳樂が,白糠町で植物の野外調査を継続的に行なっています.そこで採取した様々な植物を室蘭工業大学に持ち帰り,微生物学研究室の実験室で微生物を単離しています.

微生物学実験室での実験風景

現在までに白糠町に自生する10種類ほどの植物から,低温で活動できる細菌100株,菌類5株程度を単離に成功しています.お盆があけると北海道は寒くなりますが,これからがさらに本番で,より寒い時期にも野外で活動している微生物を探索し,さらにそれらの能力を検討していきます.

白糠町に自生する植物から単離した低温性の細菌
白糠町に自生する植物から単離した低温性の菌類

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