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BGBのオリジナル曲 Vol.1 (4曲)


1. 幸せの風のふく夜は

こんな静かな 幸せの 風の吹く夜は
できるだけ 夜ふかしをしてして
あなたのことを ひとり夢見る
あなたの肩にもたれるように
枕にそっと顔を寄せると
急になぜだか 涙がこぼれて
こんな静かな 幸せの 風の吹く夜は
ひとり芝居の 夢も悲しく ないはずなのに

こんな素敵な 幸せの 風の吹く夜は
できるだけ 夜ふかしをしてして
あなたのことを ひとりかたる
あなたと おしゃべり しているように
あやつり人形にかたりかけると
急になぜだか 言葉がとぎれて
こんな素敵な 幸せの 風の吹く夜は
ひとり芝居の夢も悲しくないはずなのに

2. 白い犬

遠い昔 子犬を拾ったことがあった
.… 白い チビ
いっしょうけんめい 育てていたよ
いっしょうけんめい
ある日突然 白いきれいな人が本当の飼い主
ごめんなさいと 頭を撫でて
私の心ごと 心ごと 抱いていった
唇で涙をとめた 心の中で手を振った
まるで あの時みたい 今あなたを見送る私

遠い昔 思い出話にしましょうか 白いあなた
もう一度はきりがないから もう一度は
甘いミルクも 私の匂いも 古い毛布も
ごめんなさいと 背中の向こうで
白い子犬は 子犬はわすれたでしょう
唇で涙をとめた 心の中で手を振った
まるで あの時みたい 今あなたを見送る私

3. 描写(デッサン)

目を閉じて 一枚の写真のように
あなたの仕草を思い出す
優しく細い指 遠く優しいひとみ
何もかもが光 総てが風
眩しすぎて見えないけれど
遠すぎて 近づけないけれど
白い画用紙の中 私が描く
あなたは 私だけの あなた

言葉では あまりにもどかしく
文字では あなたは分らない
もっと優しい色 もっと柔らかい線
叶うはずもない夢 私ひとり
眩しすぎる 光おいかけて
遠すぎる 風おいかけて
白い画用紙の中 私が描く
あなたは 私だけの あなた

4. 故郷へ

こんなさみしい街に 降りてきたのは
ふと 悲劇の主人公に なりたいと 思ったりしたから
夜汽車の赤いランプを さみしく見送って
私は独りだと つぶやき 駅の階段を降りる
なんのことはない すぐにまた 人恋しくなり
故郷へ向かう 夜汽車に目をやる

こんなことを今まで 何度もり返し
人生は ばかげたゲームだと だれかが背中で笑う
私には まだ 人生は 語れないけど
自分の行く場所がすこしづつ 見えてきたような気がする
なんのことはない 古里へ あの ふるさと へ
故郷へ向かう 夜汽車に乗り込む


1.幸せの風の吹く夜は
 作詞:南斗翔 作曲:森晃久 歌:Setsuko
2. 白い犬
 作詞:南斗翔 作曲:独海航 歌:独海航
3. 描写(デッサン)
 作詞:南斗翔 作曲:独海航 歌:南斗翔
4. ふるさとへ
 作詞作曲:森晃久 歌:Satoko


BGBというバンド

BGBは、昭和の女子高生バンド
 1980年ごろ、アコースティックギターを弾いて歌う中島みゆきに憧れる若い音楽好きが多かった。まだ音楽ジャンルの一つとしてフォークソングという名前がほそぼそと残っている時代だった。
 おそらく(私が勝手に思うところではあるが)、消えつつあるフォークソングの最終年代だっただろう。作詞の南斗翔は、「中島みゆき」「さだまさし」の影響を受けているように見える。

BGBのメンバー4人
BGB

 南斗 翔の詩は「何々のようだ」という単純な比喩ではなく「思い出場面」が比喩になっていたりする。これは、ただ音楽としての歌を聴いているだけでは気付かないかもしれない。言葉を並べただけの平面的な詩ではなく、立体的に構成されていたりする。
 まだ十代の女性が書いた詩とは思えない大人びた詩もあり、それは、また別のページで紹介することにしましょう。

 独海 航の曲作りは、新鮮だ。その新鮮さはアマチュアだからといっていいだろう。彼女は複雑でノリノリの曲は書けない。曲はバラードがほとんどだ。音楽理論なんて厄介なことには、こだわりが無く、歌って気持ちいいメロディが曲になっている。テンションという一般にはあまり馴染のない手法が意識することなく組み込まれていたりする。というか、知らず知らずに組み込んじゃってるんだろうけど。
 ピアノは Cスケール か Gスケール でないとうまく弾けない(らしい)彼女は、ただただ歌って気持ちのいい方向に靡(なび)きながら、メロディが出てくるんだろう。


録音は フロッピーディスクとオープンリールテープ

このぺージで紹介しているBGBの楽曲の基は、フロッピーディスクとオープンリールテープ。若い人は見たことないかも。

フロッピーディスクとオープンリールテープ
フロッピーディスクとオープンリールテープ

音楽の録音は自宅で行っている。そんな たいした機材はない。
当時としては、ちょっと贅沢なパソコンと4チャンネルのアナログ・テープレコーダーが私の部屋にあった。パソコンはPC-88という当時大人気のものだったが、今となってはオモチャのような性能。4チャンネルテープレコーダーは、個人が持つ機材としてはとても贅沢なものだったが、現在では使う人はほとんどいないんだろうな。
パソコンには、基本的なリズムパターンや和音のデータを数値入力してフロッピーディスクに保管。
テープレコーダーには、ボーカルはもちろん、フロッピーディスクの音源とギターや打楽器などを多重録音。
ここに紹介している楽曲はこんな風にして出来上がった。1982年(昭和57年)ごろ。

今回、アナログ録音をデジタル音源に変換し、ここに紹介している、というわけ。


  • おのころファミリーは、兵庫県の音楽仲間です。BGBもその仲間です。

  • IROMBOOK は、イラストや楽曲を紹介している「おのころファミリー」のひとりです。BGBの編曲と録音は IROMBOOK も若干参加させてもらってます。


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