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【ASIBAレポート】建築卒論ワークショップ2024「語る・愛でる・広げる」

2/21(水)に行われた、ASIBA主催、建築卒論ワークショップ2024「語る・愛でる・広げる」の開催報告です!当日はあいにくの雨の中でしたが、大変多くの方に来ていただき、イベントは大盛況となりました。参加してくれた方本当にありがとうございました!
また本イベントは日建設計本社のワークスペースPYNTにて行われました。昨年よりASIBAの授業やプロジェクトの展示などで何度も使わせていただいており、今回も多大なるご協力をいただきました。いつもありがとうございます!


第一章:卒論シェア

まず、グループに分かれて自身が執筆した卒業論文の共有を行いました。今回集まった卒論のテーマは、建築史や構法・生産、ランドスケープや環境・構造と多岐にわたり、興味深い内容が出揃いました。
また、イベントには4年生だけでなく、これから卒業研究にとりかかる3年以下の学生も多く参加しており、できるだけ難しい言葉を使わずに、前提を踏まえて分かりやすく説明することが求められました。

卒論シェアの様子

続いて、本日のゲストである、第1期の最終カンファレンスでもゲストとしてご登壇いただいた山口大翔さんより、自身の研究・プロジェクトのご紹介をしていただきました。山口さんはSAKIYAで技術顧問であると同時に、東京大学生産技術研究所の助教を務められており、社会における実践を通して様々な課題解決に挑まれています。修士の頃から取り組まれたセルフビルド実験住宅PENTA-SOFTのプロジェクトでは、柔軟な幾何学的モジュールの考案によって、ニーズに合わせて自由に構築・変形できるスペースフレーム構造を実現しました。また、実務においては、ミリ波の非破壊検査技術を用いて木造家屋の耐久性評価を行うことで、建物の価値を正確に測定し、空き家の活用を促進する取り組みを行われています。
山口さんには、この後のグループワークや講評にも参加していただきました。ご協力いただきありがとうございました!

山口さんによる発表

第二章:アイデアソン

第二章では、前半と後半それぞれで、グループで協力してアイデアソンに取り組みました。まず、前半では、ポストイットを使って思考を整理し、フレームワークの作成を行いました。4年生の論文の内容を深掘り、背景にある事情や個人の思想をクローズアップしていきます。その研究を行った社会的な背景は何か?何がきっかけでテーマを選んだのか?どのような想いで執筆にあたったのか?など、フレームワークの左に行くほど、内面的な要素が強くなるように記載していきます。
それと同時に、卒論を広げていくこと、卒論の先の世界を考えていくこともまた重要です。今回の卒論によって、その分野の知見がどう広がったのか?逆にこれから解き明かして行かなくてはならないことは何か?こうした考察を深めていくと、次第に研究と社会との接点や、具体的な社会課題の解決の形が浮かび上がってきます。卒論を卒論で終わらせないこと、卒論をきっかけに、次なる目標を考えること。こうした作業を通して、全体に通底する、大きな一つのビジョンのようなものが、各々見えてきたのではないでしょうか。

グループワークの様子
グループワークの様子

後半では、前半で発注したマインドマップをもとに、グループで考えたことを一つのスライドにまとめました。学会や学内審査会での発表との違いは、それが単なる事実の羅列ではなく、専門外の人でも引き込まれていくようなストーリー性を持っている必要があること。制限時間が少ない中ではありましたが、論文の内容自体にとどまらず、最終的にはそこから大きく飛躍して、挑戦的な内容がたくさん生まれていました。

グループワークの中で使用したマインドマップ

第三章:発表・講評

各グループの代表者による、成果物の発表を行いました。講評には山口さんも入っていただき、研究を実装へと発展させる際に生じる問題など、有益なフィードバックを頂きました。
オーディエンス賞は、河川景観に関する生態系や、そのパターンランゲージに関する論文を用いたグループ「アベンジャーズ」が受賞しました!卒論提供者には、第二期ASIBAインキュベーションプログラムに参加する権利が与えられます!
卒論ワークショップはこれにて終了しましたが、参加してくれた方々には、卒論をきっかけに考えた大きなビジョンをもとに、次なる行動へと踏み出すきっかけが生まれてくれることを、運営として切に願っています。
(文:宮田龍弥)

全体発表の様子
全体発表の様子
オーディエンス賞で優勝したチーム「アベンジャーズ」


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