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【ASIBA授業レポート】 番外編 「三菱地所 3×3 Lab Future / VUILD 秋吉さん」

「ASIBA」(Architecture Studio for Impact Based Action)は、東京大学・早稲田大学建築学科生有志(代表:東京大学大学院建築学専攻修士1年 二瓶雄太)が企画・運営している、建築系学生を対象にした2ヶ月間の都市建築領域に特化したインキュベーション・プログラムです。

今回の授業レポートは番外編になります。
毎週土曜日に行っていた通常スタジオに加え、平日にもピッチ練習やエスキスの機会を頂きました。11月8日と15日に三菱地所の3×3 Lab Future様と、17日にVUILDの秋吉浩気様と、それぞれとても有意義な時間を過ごさせていただきました。お忙しい中お付き合いいだたき、ありがとうございました!


三菱地所 3×3 Lab Future

3×3 Lab Future(さんさんラボ フューチャー)は、より良いまちづくりや社会課題の解決を目指す「エコッツェリア協会」が運営する、ビジネスワーカーが集うサードプレイスです。大手町という東京の中心部で、イノベーションのための創造的な交流を支援しています。
今回は、ASIBAのために二週にわたって施設を貸し出していただきました。社員の方々へのピッチを通して、各提案のブラッシュアップを行いました。

社会へアピールする初めての場

今までASIBAで行ってきたピッチとの最大の違いは、私たちの活動を知らない、一般の社会人の方々も発表を聞いてくださっているという点。たまたま居合わせたビジネスワーカーの方々から、ピッチの内容に関して生のフィードバックを頂けるというのは、3×3Lab Futureならではの素晴らしい交流のあり方だと思います。そこでは、学生である私たちと、事業を通して実際に社会で活躍されている大人が、同じビジョンを持ってプロジェクトに対する考えを深めるという、素敵な「出会い」が自然発生していました。

今回のピッチを通して、バックグラウンドが違う人たちにどう分かりやすく伝えるか、という課題が浮き彫りになってきました。ピッチを伝える相手は専門分野も違えば興味関心も違う、私たちのプロジェクトを何も知らない大人です。例えば設備に関する提案をするにしても、いきなり設備の系統図や専門用語が出てきたのでは、専門外の人は聞く耳を持ってはくれないでしょう。そうした前提条件が違う相手に内容を理解してもらうには、今まで意識することのなかった「跳躍」をすることが必要になるのです。


VUILD 秋吉さん

VUILDの秋吉さんにもエスキスを行っていただきました。VUILDは、木材にデジタル技術を活用した、建築とものづくりのスタートアップです。Shopbotという木材切削マシンが可能にする新たなプロダクトや建築、創造プロセスやデザインの民主化を追求しています。
今回は東大本郷キャンパスの教室をお借りして、1時間半のエスキスの中で忌憚のない意見をたくさん頂きました。

結局求められているのは情熱だった

最終ピッチまであと一週間という状況で私たちがやるべきことは、何をどのように発表するのかを見極めることでした。提案自体を今更ブラッシュアップするのは厳しく、今までに育ててきた素材をどう見せるのかに焦点を当てる1週間となりました。

秋吉さんからのコメントに、まだ仮説検証まで辿り着けていない、というものがありました。ASIBAが当初から重視していた仮説検証ですが、まだまだ不十分だったようです。
仮説には、課題仮説と解決策仮説の2種類があります。その業界や市場にどのような課題があるのかを考える課題仮説については、この8週間のプログラムで重視してきた関係者へのヒアリングが効果的でした。しかし、提案する解決策がもたらす価値に関する解決策仮説については、現場での実証実験不足のため検証が不十分なチームがほとんどでした。提案がどのくらい効果的なのかを示せないと、顧客には刺さりません。現場での問題点が浮かび上がっていない状態では、提案のブラッシュアップも出来ません。

では、検証不足の提案をピッチでどう魅せればいいのでしょうか。秋吉さんに提案いただいた策は、人間そのものをアピールすることでした。何が好きで/なぜ情熱を注いで/どんなバックグラウンドがあって その提案をするのか、を前面に押し出すことで、その人の熱量と可能性を魅せます。私たちが実装まで辿り着くために最も大切なものは粘り強さです。「この人に任せれば上手く行きそうだ!」というピッチをめざして、各チームのスライドに体験と夢と情熱のページが追加されました。


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