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義母記録

このところ、寒の戻りもあって、どうやらおなかの調子が悪かったらしく、排便が間に合わなかった。
一応、尿取りパッドを付けている。
以前は嫌がっていたが、ここのところ「間に合わない」と義妹に言っていたらしく、自分でもつけている方が安心と納得したみたい。

何度か失敗しているのも知っているけれど、表立って責めることはしていない。
畳が濡れていたり、トイレの臭いで分かったりと言ったところ。
推測は出来るけれど、それを責めたことにより隠したりする方が困るので。
羞恥心があるのは良いことだと思っていて、認知症と言っても糖尿病からくる血管性認知症だと思っていて、まだら記憶。

曜日や日付、時間などは覚えていないものの、繰り返してきた日常生活の動作は覚えていることが多い。
暴言や妄想癖と言ったこともないので助かっている。
義妹と夫には少し機嫌悪くなったりもするが、嫁である私にはそこまで強く当たったりはしない。
私も身内ではなく、「他人」という位置づけで接しているので、介護対象と見ていて、イラつくことはあっても「仕方ない」と思える。
逆に義妹と夫は自分の母親なので、義妹は少し手をかけ過ぎるし、夫は少し厳しい。

でも、うちのルールとして、「口を出すなら、手も出す」ということで、3人がそれなりの介護を義母にしている状態。
だから、手厚い介護の時もあれば、少しそっけない介護の時もある。
全員参加型の介護。
本人にも出来ないことを無理にしてもらおうと思っていないが、「ご飯を食べる」「お風呂に入る」「トイレに行く」などの日常行動はしてもらうし、
時間がかかっても、自分でしてもらうようにしている。
例えば「ご飯を食べる」ためには、リビングに移動してもらうので、室内の杖を渡したり、時間がかかっても移動してもらったり。
お風呂も自分で脱いだり、着たり、湯船につかったり。
頭を洗うことが出来ないので、そこは義妹にお願いしている。
嫁に髪を洗ってもらうことはまだ義母的にはハードルが高いようで・・・(正直、助かる)
ただ、お風呂に入っている時間が長くなると脱水症状なども怖いので、声掛けはしている。
でもせっかくゆっくり浸かっているのに、早く出ろというのは嫌だろうけど。
お医者さん曰く、高齢者の浴槽につかる時間は「10分程度」ということで、あまり長湯はしない方がいいらしい。
ただ、温度差を感じづらくなっているので、中々あったまったことが分からないのも高齢者あるあるだと思うので、
「あったまってないからまだ浸かる」という気持ちの時に、「もう上がって」と声をかけると機嫌を損ねる。

とはいえ、浸かりすぎて、一晩中浴槽に使っていたことも何度かあったので、上がるように3人が声をかけるようにしている。
3人が出社の日に、朝、義母が風呂に使っていた時はもうパニック。
仕方なく、在宅勤務に切り替えたということもある。
それからは、出来るだけ在宅勤務出来るように会社にお願いして、仕事を続けている。

段々と一つ一つの行動にかかる時間が長くなっている。
ここ2年ほどで、倍の時間を費やすことになっている。
朝起きても洋服に着替えなくなったのもそうかもしれない。
パジャマのままでもいいと思っているが、出かける時にはそうもいかない。

例えば、医者に行くために家を出るのを9:00とするなら、8:30前には声掛けをして着替えてもらう。
もしくは、9:30に出かけたいなぁと思ったら、義母には「9:00出発ね」と前日に声をかけ、当日も9時前から声掛けをする。
服を着ること、トイレにいくこと、入れ歯を入れることを一つ一つすれば出来るのに、慌てることで、途中で思い出して動作が中途半端になる。
出来ることを一つ一つしてもらうためにも、前の日からのアナウンス、当日のリマインドは必要不可欠。

出かける時は、洋服を着る、トイレに行く、洗面所で髪に櫛を入れる、洗面所で入れ歯を入れる、トイレに行くが行動パターン。
一つでもかけると、必ず「トイレに行く」を挟む。
色々と行動を見ていて、「次はこれだ」と謎解きのように当てて、正解するとちょっと嬉しい・
イラつくこともあるけど、時間に余裕を持たせることで、1:1の介護職員だと思って接するようにしている。
まぁ、個人的だし、自分の家だし、介護施設の職員さんの様には上手くいかないのですが。

義母はほとんど昼間も寝ている「傾眠傾向」であり、視力も弱いし、聴力も弱い。
眼鏡をはめることもなく、杖の先を頼りにしている。
でも施設に行きたくないので色々頑張ってくれているので、今は義母の気持ちを優先している。

「ケアラー」という、先の見えない恐怖はある。
子供が出来ることが増える「進化」と違って出来ることが減っているのが「老化」。
出来ないことが増えることで、負担は増すのに、先が見えない。
いつまで続くか分からないのが、介護。
ただ、施設にはいることで、薬の管理や食事の管理、医者とも連携していることもある。
それは「長生き」を意味する。
長生きするためにはお金が必要。
で、やっぱり心配なのは「いつまで?」ってこと。

大切な人が全うに生活していくことを望んでいるのに。

だから、もう少しだけ、高齢者問題をちゃんと考えたいと思うようになりました。
今更だけど。

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