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想いを引き継ぐ

私は言葉や文章を書くことが好きだ。
その原点はどこだろうと考えてみたところ、思い当たることがいくつかあった。その1つが「すてきなあなたに」という本。

幼い頃、父の本棚から時々こっそり持ち出して読んでいたエッセイ。
日常のささやかな出来事や物が筆者である大橋さんの素敵な感性で綴られている。なぜか父は2巻だけを持っていたのだけど、いつの間にか本棚は整理され、その本がどこにいってしまったのか分からなくなってしまった。

今は文庫本サイズのポケット版も発売されている。
また読みたくなってAmazonでポケット版を全巻大人買いしてみたのだけど、何かが違う。

内容は同じなのにハードカバーであることが私にとっては思い出の1つだったようだ。

「やっぱりハードカバーで欲しい」
一番は父から譲り受けること。
しかし今その本がどこにあるのか分からない。
今やインターネットで何でも買える時代だし、
実際ポケット版はインターネットで買った。
でも、そうじゃない。
本だけじゃない「何か」も一緒に持ちたかった。
そんなことを考えながらフリマアプリで探していたら、終活を兼ねて手元にあるたくさんの本を出品している人と出会った。
しかも出品されていたのは探していた本の初版本。
何度も重版しているので、初版は珍しいと思う。
購入させてもらって今日、届いた。

私が買ったのは思い出の本と出品者の想いだったと思う。

しっかり引き継いで大切にしますとメッセージを送った。
久しぶりにめくってみると懐かしいエッセイがいくつもあった。

私の言葉の原点はここにあった。




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