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宇宙の記憶~宇宙戦争の始まりと宇宙連合ができた経緯

不思議な前世の夢を見たことがきっかけで、前世療法を受けてみることにしたモスさん。ヒプノセラピストのもとを訪れ「前世を見に行く」セッションを試してみると、そこで見えてきたのは――。「宇宙連合」ができたいきさつを、天の川銀河で最初に人類が誕生した惑星リラとそこで始まった宇宙戦争の記憶から振り返るSFファンタジー。天の川銀河での神話的宇宙史の起源をたどる貴重なセッションの記録。

2015年セッション#1

初めてヒプノセラピーセッションを受けることになった数日前のこと。モスさんはとても鮮明な夢を見ました。

緑の牧草地が広がっていて、その真ん中を突っ切るように黄色い道が真っ直ぐに伸びています。道をたどっていったところには、城壁に囲まれた都市が見えます。
突然、爆発音が鳴り響きました。見ると、牧草地の向こう、城壁とは逆方向に、ドーム状の粉塵が舞い上がっています。それから数分とたたないうちに、煙の中で「何か」が爆発音を立てながら、城壁都市に向かって進んで来ます。
「敵襲だ!戻って知らせなければ…!」
モスさんは、黄色い道を駆け抜けるようにテレポーテーションを繰り返し、城壁都市へと向かいました。同じ道の上を、小型の円盤状の乗り物が移動しています。車輪はなく、地面から浮いて、音も立てずに高速で城壁へと向かって滑っていきます。
モスさんが城壁の中へ入ると、市街地はすでにパニックに陥っていました。千里眼のような能力を使って視ると、群衆のあいだにスパイがいて人々を扇動しているのが視えます。

「早く幹部を集めて対策会議を開かないと…」
人の波をぬうように進みながら仲間を探し、一緒にテレポーテーションをしながら都市の中心部へと向かって行きます。モスさんが両手で印を結ぶような動作をすると、仲間たちは光の玉となってモスさんのオーラに融合されていきます。さらに、三角形と逆三角形の合わさったダビデの星がモスさんの全身をすっぽりと包み込み、小さな光の粒に変わって時空間移動していくのです――。

あまりにも鮮明な夢だったため、この夢の意味を読み解く手がかりを探そうと、モスさんはパソコンを開いてインターネットを検索し始めました。すると、ある記事が目に留まりました。「惑星リラ」――その星は緑豊かな大地で城壁都市をもち、浮遊する小型の円盤で移動し、時空間移動の技術を使っていたとあります。夢で見た光景と一致しています。さらに調べると、ダビデの星は「マカバ」と呼ばれ、太古の時代には「意識の乗り物」として機能しており、マカバで全身を包んで時空間移動する技術があったという記事も見つけました。

自分と同じイメージを見ている人がいる――記事の内容自体に関する真偽はさておき、そのことにモスさんは驚きました。「リラ」は「琴座」という星座の英語表記ですが、「リラ」という名の惑星は実在しません。にもかかわらず、なぜモスさんはその星の夢を見て、また、モスさんの夢と酷似する内容を記事に書く人がいるのでしょうか。ここで、モスさんが実は以前この記事を読んだことがあり、それが夢に現れたのだが記事のことは忘れていて、同じ記事を後から再発見しただけなのではと考えることもできます。しかし、モスさんは地球外惑星や地球外生命体に興味はなく、宇宙に関連する情報を検索したことも全くありませんでした。「惑星リラ」が宇宙史のどこかで実在した星なのかどうかは分かりません。しかし、複数の人が共通して抱くイメージであるとすると、それは、人間の集合無意識にある、何か重要な意味をもつイメージなのかもしれません。

セッション当日、モスさんは、人生で抱えている課題や、夢で見たことなどを、ヒプノセラピストのマンドウゆかさんに話し、前世を見に行くことにしました。マンドウさんの誘導で、目を閉じ、深い催眠に入ると、そこには真っ暗な宇宙空間が広がっていました。見ていると、巨大な惑星が、その宇宙空間に重く沈み込み、時空がまるで布のようにたわみながら、その星をのみ込んでいきます。その様子を見ながら、言葉にできないほどの深い悲しみが胸の奥から湧き起こり、涙がとめどなく溢れてきました。
「今、何が起こっていますか」そう訊ねるマンドウさんに、前世のモスさんは答えました。

「私の星は、時空の波にのまれて、別の次元へと落ちて行った…それが本当に悲しくて、悲しくて…。皆を乗せて、私は飛ばなければならない…そうして、本当に、本当に、長いこと飛んだのです。でも、飛んでも、飛んでも、星が見つからなくて…。そして、やっと見つけたのが地球でした。」

前世のモスさんは、夢で見た場面から始まる、惑星リラの終焉について詳細に語り始めました。その日、リラは他の星から攻め込まれ、惑星政府の幹部が召集されて対策会議が開かれました。会議の場には、各省庁の大臣と側近を含めて数十名が参加していました。モスさんもその席に出席していました。参加者のなかには、直ちに反撃すべきだと主張する急進派と、和平交渉を試みるべきだという穏健派がいて、会議の席は大混乱に陥りました。モスさんは、なんとか皆を落ち着かせて話し合いができる状態をつくり出そうと、説得を試みました。しかし、その声は誰の耳にも届かず、混乱は深まるばかりです。会議の進行を無視して急進派が出ていくと、リラ軍の反撃が始まりました。これをきっかけに星間戦争が開戦し、長期にわたる泥沼の戦いとなっていきました。

第一次、第二次、第三次…と星間戦争が繰り返され、惑星リラの人口は次第に減少していきました。生き残った人々は、いくつものグループに分かれて地下に潜り、都市と居住区を形成しました。各居住区は離れたところに点在していましたが、互いに連絡を取り合いながら生活していました。しかし、戦況が悪化するにつれ、音信不通となる居住区が増えて行きました。敵襲を受け全滅したか、連絡手段を絶たれて孤立させられたようでした。

やがて、核兵器のようなものが使われるようになり、これが惑星の崩壊へとつながっていきました。生き残った人口がわずかになったとき、人々は、惑星リラを棄て、宇宙の別の場所に移住先を探す決断をしました。前世のモスさんは、自分のオーラの中に入る限界まで人々の魂を詰め込むと、印を結んで、自分の身体とオーラをマカバでおおいました。足元を見ると、真っ暗な闇のなかで地表に噴出したマグマが、真っ赤な川をいくつもつくりながら、涙のようにとめどなく流れ続けていました。それが、惑星リラを飛び立つ最後に見た光景でした。

それから、モスさんは、モスさんのオーラに融合したたくさんの魂たちと一緒に、宇宙を飛びました。マカバは、モスさんと魂たちの意識が一つになって飛ぶ、一隻の宇宙船のようでした。モスさんの他にも、同じようにマカバをつくって飛んだグループがいくつもありました。宇宙飛行の生存率と移住先の発見率を上げるため、それぞれが連絡を取り合いながらも別の方向へと飛び散りました。モスさんは、何度もワープを繰り返しながら飛び続けました。途中、移住先候補となる星が見つかることもありましたが、どれもやがて大きな星間戦争へと巻き込まれて行き、モスさんたちの旅は続きました。それは、終わりの見えない孤独な旅でした。どれほど長く飛んだのか分からないくらいの時間を飛んで、あるとき、別のグループから、新しい移住先候補を発見したとの連絡が入り、その惑星のビジョンが送られてきました。

それは、故郷リラと良く似た、とても美しい星でした。「ここなら、この魂たちを降ろしても、きっと育っていくことができる」そう思いました。そこで、この星のエネルギー状態と合う魂たちを、この星の霊的な次元に降ろしました。モスさんのマカバに乗っていた魂たちの7割程度はここで降りていきました。これが今、「地球」と呼ばれている星です。

それから、近くに「プレアデス」と現在呼ばれている星系があったので、ここで、残りの魂たちのほとんどが降りていきました。モスさん自身は、その後、もう少し離れたところにある「アークトゥルス」と呼ばれる星系へと向かいました。そして、そこにしばらく身を置いて、自分自身を癒すと、故郷を失った太古の魂たちが集まる宇宙空間へと向かいました。惑星リラの崩壊やその後の宇宙戦争によって還る処のなくなった魂たち、故郷リラからマカバをつくって飛んだ他の仲間たちも、そこへ集まっていました。

そこは、天の川銀河全体を見渡せるところにある大きな母船(マザーシップ)のようでしたが、実体はなく、いわば、宇宙霊界の特定の場所につくられた空間でした。その宇宙霊界にある母船に集まった魂たちは、一つの連合を形成し、天の川銀河のなかにある星々を見守りながら、その霊的成長を助けるプロジェクトを始めました。これが、現在「宇宙連合(あるいは銀河連合、銀河連邦)」と呼ばれている組織の霊的なひな型となりました。モスさんも、このプロジェクトの一員となり、銀河系内の魂たちの成長を助けながら、守護霊や指導霊としての経験を積み始めました。

故郷リラを飛び立ってから、実体のある存在として一度も生まれ変わったことがなく、地球人としての過去生もなく、ずっと守護霊や指導霊のような霊的存在として生きてきたと、前世のモスさんは言います。

「では、今回はなぜ、地球に生まれてくることにしたのですか」
マンドウさんが訊ねると、次のように答えました。この直近で自分が指導霊となっていた魂のグループが、星の運行に影響を受け、誤って地球上で世界大戦を起こしてしまった。今回はその歴史的結末に対して責任をとり、同じような世界大戦が起こらないようにするために、自ら人間として生まれることにしたのだと。
「地球を正しい霊的成長の軌道に乗せて、世界大戦を回避することが、リラでの前世をやり直すことになるのです。」

気が付くと、モスさんは白い部屋の中に立っていました。光に包まれた細長いテーブルがあり、十人余りの光り輝く霊人たちが席についています。その一番奥に、このグループで最も霊位の高い存在が座っているようですが、その顔や姿は見えません。テーブルの手前にいる前世のモスさんが言いました。
「今回は私がお話しをしましたが、次回はきっと、こちらの『リーダー』もご挨拶されると思います。」
その顔はモスさんには見えなかったものの、テーブルの一番奥に座っている存在が、優しく微笑んだような気がしました。

これが、第一回目のセッションで、前世のモスさんが語った内容です。

モスさんは、マンドウさんと、この前世の物語のもつテーマが、どんなふうに現実の課題とリンクしているかを話し合いました。モスさんは、子どもの頃に味わった孤独と悲しみが、故郷の星を失い宇宙を放浪するのと同じくらい大きく深いものだったことに気が付きました。そして初めて、心から泣くことができたのです。また、この前世の物語は、次のことも教えてくれています。宇宙を放浪するような辛い想いはいずれ終わること、自分一人ではなく、仲間や見守ってくれている存在がいること、そして、自分以外の人々を助けることが、自分自身の救いとなり成長にもなること。

しかし、まだ分からないこともあります。
「地球を助けることが、リラをやり直すことになる」とはどういう意味でしょうか。どうすれば、やり直すことができるのでしょうか。

その謎を解くことができるかもしれないと、マンドウさんは一冊の本をモスさんに勧めました。リサ・ロイヤル著『プリズム・オブ・リラ』。銀河の集合意識を情報源としたチャネリングによって書かれた本です。買って読んでみると、そこには、この天の川銀河における人類の歴史、いわば宇宙史が描かれていました。銀河で最初に人類が誕生したのは琴座リラであり、しかし星が崩壊したためリラ星人は宇宙を放浪したこと、その後、リラ人の放浪に伴って、ベガ、ゼータレクチル、アークトゥルス、シリウス、オリオン、プレアデス、そして地球へと人類が入植していったこと、各星系での文明の発展に伴い宇宙史が展開していったこと、各星系での歴史はリラの歴史を投影して同じテーマを繰り返しながらもそれを乗り越えてきたこと。それは、モスさんの夢や催眠でのイメージを補強しながら統合するかのような、宇宙史のファンタジーでした。

興味深いことに、この天の川銀河全体を創始した霊団がおり、その創始者霊団がリラ人を最初につくったとあります。彼らは一体、何者なのでしょうか。もし彼らがリラ人をつくったというなら、リラ人のなかでも太古の魂だったモスさんとも何かつながりがあるのでしょうか。謎は深まっていきます。

この記事のYoutube朗読 https://youtu.be/z3JzPDVhKz0

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