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新規事業ってほんと難しいよね3選

新規事業は本当に難しい。
私は、社内新規事業の責任者として2年間走ってきた。2年を経て、ほんとに新規事業は難しいと痛感しているいまだ。
わかっていても、実際にはできないことが多々ある。

これまで2年以上やってきて、言うは易し、実際には超むずいなと思ったことを列挙してみよう。世の中に成功例が溢れている中で、リアルなものを残すことが、誰かの励みになることを祈る。

1)顧客に向き合うこと。顧客が欲しいものを作ること
マーケットインではなくプロダクトアウト寄りで開発を進めていると、自分たちが作りたいものと、顧客がほしいものの接続が難しい。
しかも、プロジェクトが長期化すると、関係者も増えてきて(特にリリース間際の数ヶ月くらいは一気にステークホルダーが増えてんやわんや)、それぞれの立場から「もっとこうしたらいいのでは」と言われて、顧客像が最初の時からぶれてくる。実際に私も、最初からだいぶ変化してしまい、本当に誰向けだっけ?というものが最後は曖昧なままプロダクト開発を進めてしまっていた。チームでも認識が合わずに、このアプリを使ってもらえる人が顧客だ!みたいな状態になってしまっていた。こうして文章で書くとアホみたいだが、本当に顧客視点での開発は難しいんだなと肌身で感じた。

2)社内新規事業かつ従業員ならではの難しさ
私は、社内新規事業の責任者として二年間走ってきた。これがまた難しさを生んでいた。
1つはモチベーションの部分。起業家だと、運転資金が尽きたらチャレンジは終了なので、お尻に火がついたように毎日を過ごすだろう。ただ、社内新規事業だと、この事業が成功しようが失敗しようが、責任は社長が取るし、自分の給与は本体事業の頃から引き継いだ一定額なので、なんとも気持ち悪い構図になる。
また、日々の社内からのプレッシャーや、報告責任などのコミュニケーションコストも発生する。新規事業なんて、統計的には10%しか成功しないし、かつ成功者たちも後から適当に理由づけで成功要因を述べているだけで、宝くじ的なところは少なからずあると思う。最終成功要因は情熱しかないとすら思う。ただ、社内の説明責任があるからこそ、もっともらしい理由を作って、PL/BSを作って、、、みたいなタスクが発生する。ほんと意味ないなって思っていた。
加えて、リリースが延期が重なっていくと、社内からのプレッシャーもさらに強まり、応援なようでいて足枷に感じてしまうこともある。メンタルヘルスによくない。
あれやこれや悪いことばかり書いたが、きっと、社内ならではのメリットも多分に享受しているのだろう。ただ、一旦は難しさに焦点を当てているのでそこは割愛する。

3)チームのモメンタム(雰囲気作り)
チームのモメンタムも、2年経つと、非常に固定化された人間関係になってきていて、変化が難しくなる。新規事業はハードシングス(困難な出来事)が次々やってくるので、それを乗り越えていくタフネスは、個人はもちろんのことチームとしても必要だ。ただ、個人が自立した存在として定義され過ぎてしまうと、日々頑張らなきゃとか、チームにはいい状態で元気でいなきゃ、みたいな状態になり、心理的安全性が激減していく。プロダクト開発の難しさ、納期のプレッシャーなどがかかりながら、チームはビジネス的にのみならず人間的にも支え合うのが理想だろう。ただあまりにもハードすぎて、人間的な繋がりは優先度がどうしても落ちてしまう。迫ってくる納期があるので、ランチの時間もプロダクトの話をしないといけない。一応形式上のプライベートのシェアの時間も取っていたが、この人に共有しても何になるんだろうとか、別に話すことないなとかなってくる。どうにかリセットできたらいいのだろうが、新規事業は少数でやっていることで、当人たちも気づかないうちに結構末期な状態になり、内部崩壊していくんだなと感じた。

以上!
パッと思いついた3つを列挙した。
世の中の新規事業を行っている全員に拍手と応援エールを送りたい気持ちでいっぱいだ。私たちは本当に頑張っている。
今日もお疲れ様でした。読んだ人に幸福が訪れますように。


ちなみにー
本題とは関係ないが、今回新しいアカウントでnoteを始めた。その理由が、ネット社会で新しくアカウントを作成すると、自分のアイデンティティを別における感覚があり、心地よいからだ。
がんじがらめになっている自分から解放される気がして、気が楽だなぁと思う。

話は少し変わるが、昔、江戸時代に「連」というシステムがあった。
これは、趣味で集まるコミュニティのこと。例えば、和歌などだ。
ポイントなのは、自分の本名ではなく芸名を作って入れるということ。また、コミュニティも緩めなので、いつ抜けてもいいし、消滅したらまた別に探せばいい。
この気軽なアイデンティティの置き方が、とても魅力的に感じる。

最初のnoteはここまで。どこまで続くかわからないが、無理せず、少しずつ自分の思考や感情をネーム「AshRo」として外在化していこう。

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