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Bain De Roses Tea(ベイン デ ロージーズ ティー) ―薔薇が駆け巡る


 最近はセイロンの紅茶にはまっていることもあり、フレーバーティーよりも茶葉そのもの味わいが楽しめるタイプを紹介することが多かった。ただ、偏りを作りたい訳ではなかったため、先日紅茶ブランドTWGの店頭で何か新しい茶葉を購入してみることにした。今回は店員のアドバイスの下で選んだ、バラを使用したBain De Roses Teaを紹介する。
 
 TWGでは店頭で香りを試させてくれるシステムがあり、Bain De Roses Teaも、それを経て購入した。第一印象を、一言で表すと「薔薇」だ。普段であれば、他のスパイスが感じられることも多いのだが、今回はバラが前面に出ており、それ以外に感想がない。茶葉の配合としても、バラの花びらが入っており、見た目にも綺麗だ。
 口に含むと更に香りが強くなり、華やかなバラを堪能していると実感する。それ以外の要素はないようで、喉を通り過ぎていく瞬間も、やはり花の印象が残る。味わいとしては、爽やかでさっぱりという表現が合っているように感じる。飲み方としては、ストレートが1番だと思うが、どうしても何か加えたい場合は、試していないもののレモンが良さそうだ。ミルクは、恐らく喧嘩してしまう。
 
 マリアージュを考える際は、Bain De Roses Teaが主役になるであろうことを想定した方が良い。特に、食事系の場合はその傾向が顕著だ。個人的に、燻製風味のマヨネーズを使用した卵フィリングを乗せたトーストやガーリックトーストと合わせてみたところ、まったりとした後味をさっぱりとした味わいとバラの香りでリセットしてくれる効果はあったが、主役は断固として譲らないというBain De Roses Teaの意志を感じた。恐らくエッグベネディクトのような濃厚な味わいの料理を選択しても、この傾向は変わらないだろう。
 スイーツと合わせる場合も、主役はBain De Roses Teaだと考えた方が良い。私の場合エクレアと合わせたが、良いところ五分五分、うっかりすると菓子はサブといった印象だった。料理とのペアリング同様に、さっぱりと口をリフレッシュしてくれる側面もあるため、こってりしたスイーツでも気にせずに合わせられそうだ。紅茶が主役であることを一層明確にしたいなら、バタークッキーやマドレーヌのようなシンプルな焼き菓子を添えるのも良いかもしれない。
 
 最後になったが、Bain De Roses Teaは量り売り以外にもティーバッグの販売もある。ただ、結構な値段がする。普段この連載で紹介している紅茶は大体が50gの量り売りで1200円前後なのに対して、今回の茶葉は50gで約3500円だ。バラが大好きな人にはもってこいではあるものの、花にあまり関心のない人の場合は他の茶葉も検討してみる方が良いかもしれない。

Bain De Roses Teaの量り売りが入った袋。

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