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Puttabong SFTGFOP1(プッタボン エスエフティージーエフオーピー1)―TWGの店員も推す、春の実力者。

 少し前に紅茶ブランドTWGのティーサロンで、今年初めてのダージリンファーストフラッシュを飲んだ。届き始めたばかりとのことで、全種類は揃っていなかったため、その日にあった3種程を試した。その際、何人かの店員にダージリンの中でどれが好みか尋ねたところ、個々人でバラバラだった。人の趣味趣向がそれぞれ違うのは当然なので、興味深く聴いていたが、1つだけ2人が好きだと答えた茶葉があった。それが、今回取り上げるPuttabong SFTGFOP1だ。ちなみに紅茶の茶葉は大体において地域や国で区分されているが、ダージリンだけは農園ごとに分けられている。前回紹介したピュグリも今回のプッタボンも地域ではなく、農園の名前だ。

 袋を開けると、しっかりと葉の形が残った茶葉が入っている。香りはさっぱりしており、少し大人しい印象だ。淹れてみないと分からないものの、この時点では2人の店員が票を入れる程の実力者とはあまり思えない。抽出してみると、花を彷彿とさせるような香りが少し漂ってくる。ダージリンの中にはもっと花のイメージが強いものも存在するため、突出している訳ではないが、それが逆にマリアージュにも向いていそうだ。
 飲んでみると、新芽を思わせる爽やかな苦味とフローラルな風味の塩梅が良い。確かにこれは、店員2人が好きと言うだけはある。納得の味わいだ。もちろん、中には1つの個性が際立つタイプが好みの人も居ると思うが、バランスの良さに重きを置くのなら、Puttabong SFTGFOP1は確かに良い。
ダージリンファーストフラッシュのため、飲み方はストレート一択だ。何も加えずに、茶葉の持つ丁度良いさじ加減を堪能して欲しい。

 前述の通りバランスが良い茶葉のため、マリアージュを考えるのはあまり困らないはずだ。特に食事系の場合は、店員によると何と合わせても良いそうだ。ちょっと無謀にも思えたが、ハンバーガーでも大丈夫とのことでティーサロンではPuttabong SFTGFOP1とのペアリングを楽しんだ。メインはバーガーではあるものの、後味をさっぱりさせてくれるだけだけでなく、少しの苦味が絶妙に合っている。花のような香りも、食事に華を添えてくれている。本当に、遠慮なく組み合わせられるようだ。

 恐らくスイーツでも食事系と同じことが言えるのだとは思うが、少しややシンプルな物と組み合わせる方が紅茶の風味をしっかりと感じられるため、良い気がしてしまう。個人的には、チョコレートの入ったクロワッサンや表面がキャラメリゼされたクイニーアマンと組み合わせてみた。ハンバーガーのときと同様に、バターの風味をさっぱりさせてくれるペアリングで、Puttabong SFTGFOP1が良い働きをしている。今回は試していないが、ダージリンファーストフラッシュは緑茶にも似た味わいのため、抹茶を使った菓子との相性も悪くないはずだ。

 最後にPuttabong SFTGFOP1は、量り売りのみの販売の上に、50gでS$71.25(約7,125円)と高額だ。誰にでも気軽におすすめできる価格帯ではないが、ダージリンファーストフラッシュの中で1つ購入を考えており、なおかつバランスの良さを重視したいなら、買って損はないだろう。店員も推す納得の味わいを、できれば試してみて欲しい。

Puttabong SFTGFOP1の量り売りが入った袋。

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