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Yunnan Monkey King(ユンナン モンキー キング) ―雪山の精霊の王は高い柔軟性を持つ。

 前回、前々回に引き続き、雲南省の紅茶を紹介する。またか、と思う方もいらっしゃるかもしれない。しかし、私が調べた限りでは紅茶ブランドTWGにある雲南省の紅茶は、これで全部になる。ぜひ、興味を持っていただけると幸いだ。ちなみに名前の「Yunnan Monkey」は恐らく「雪山の精霊」と呼ばれる雲南キンシコウのことを指していると推測される。その中でも、王がこの紅茶ということのようだ。
 
 袋を開けてみると、少し烏龍茶を彷彿とさせる淡い酸味を感じる香りが漂ってくる。淹れてみると、最初に感じた酸味の印象はなく、かなり素直な香りと味わいだ。前回の少しスモーキーな風味だったRed Robe Teaとの差は明らかで、同じ地方の茶葉とは思えないレベルだった。
 非常に素直のため、何にでも合いそうな印象を持つ。どのような料理や菓子でも立ててくれそうな、汎用性の高さを感じる。飲み方としては、やはりストレートは試してみて欲しいところだが、ミルクも受け入れる度量は持っている。レモンも試してはいないが、絶対的に合わないということはないと推測する。様々な場面に対応できるのが「雪山の精霊の王」なのであれば、非常に高い柔軟性を持ったリーダーと言えそうだ。
 
 食事や菓子とのペアリングは、紅茶がサブに回るということを念頭に置けば大丈夫だ。料理とのマリアージュで、特に注意することはない。シンプルなバターと焼いたトーストも、問題なく合わせられるはずだ。もう少し手の込んだメニューと合わせるなら、チキンのサンドイッチもおすすめしたい。個人的には残ったケンタッキー・フライド・チキンの骨なしを小さなバンズに挟んでみた。しっかりとした味付けの鶏肉だったため、追加でソース等は加えていない。紅茶がサンドイッチの後味をさっぱりさせてくれるお陰で、パンチのある料理を食べた充足感と、すっきりした後味の両方を楽しむことができた。
 スイーツの場合、スコーンやシンプルな焼き菓子と合わせると、イメージとしては6:4位の割合で紅茶が主張をする。もっとデザートをメインにしたければ、生クリームを使ったケーキやタルトに変えることで7:3位にまで引き上げることが可能だ。バランスは好みによると思うので、好きに選んで欲しいが、試した中でスコーンとのマリアージュが良かった。
 
 今回紹介したYunnan Monkey Kingは、量り売りのみでの販売だ。不便だと思うかもしれないが、汎用性の高い茶葉なので、おすすめではある。後は金額的に少し高いので他の方が良いと感じる場合もあるとは思うものの、雲南省の茶葉が試したいならら最初に手にするのもよい選択だと感じる。また最後になったが、試してみたものの何故「雪山の精霊の王」という名がついているのかは不明だった。名前の由来に関心がある人も、ぜひ飲んで考えてみて欲しい。

参考文献
人民日報「『雪山の精霊』と呼ばれる雲南キンシコウ」(2023年1月10日18時32分閲覧)
「雪山の精霊」と呼ばれる雲南キンシコウ 雲南省--人民網日本語版--人民日報 (people.com.cn)

Yunnan Monkey Kingの量り売りが入った袋。


少し前に、美味しい紅茶の淹れ方の動画を制作しました。映像でチェックしたい方はこちらをご覧ください。↓

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