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日々の暮らし・ひと

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京都・美山の最奥地、芦生(あしう)集落の日々。 芦生を行き交う人たちのコト、暮らしの色合い、そして移りゆく風景のコト…
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#京都

あらためまして、京都 美山町・芦生(あしう)です。

あらためまして、京都 美山町・芦生(あしう)です。

京都府南丹市美山町・芦生と書いて「あしう」。

京都から90分。由良川源流域に位置し、面積の99%が森林。50人弱の小さな集落です。「ポツンと**」という某テレビ番組がありますが、まさに、秘境・どんつき・最奥地とよく言われます。

でもまぁ、最奥地は最先端。

山も川もある暮らしは、実に豊かで、奥深い。

そりゃぁ過疎化・高齢化・獣害・僻地……と地域課題は山積なんですが、「大好きな地域を元気にした

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トチの実から栃餅を作るには、100日以上必要だった 〜第2話〜

トチの実から栃餅を作るには、100日以上必要だった 〜第2話〜

トチの実には「干す」→「へす」→「あわす」の3工程が必須という第1話の続きで、「へす」→「あわす」をお届け。(2話で完結予定)

***

水が冷たくなる「事はじめ」(12月13日)頃から行う「トチ仕事」で、一番地味で地道な作業が「へす」。

これは、圧力をかけて押しながら、皮と実をわける動作のこと。

「子どもの時分、よぅ手伝わされたわ。手が黒くなるし爪、痛いしなぁ」「冬になるとおばぁさんが、囲

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トチの実から栃餅を作るには、100日以上必要だった 〜第1話〜

トチの実から栃餅を作るには、100日以上必要だった 〜第1話〜

先日、京都 美山町芦生(あしう)の「栃(トチ)の資源量調査」のことを書いたけれど、今日は、その続き。で「収穫したトチをどうするの?」編。

「芦生研究林内の資源調査の一環で採集したトチを活用し、地域に残る栃文化を伝承していくと共に、栃を活用した商品開発を行う」

文字にすると何とも仰々しいけれど、行政的にというか、背伸びをした表現をするとこんな感じ。

地域にあるトチとのつながりを絶やしたくないし

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魔女に教わった薬草のこと

魔女に教わった薬草のこと

ある日、京都 美山町・芦生(あしう)に魔女が移り住んでこられた。

聞くところによると、その魔女は野草を集め、煎じ、秘薬を作るという。 これは何としてもお会いしたい。お近づきになりたい(笑)。

「夏至×薬 芦生の魔女と万能薬」という形で、魔女をゲストに事業化したところ、集落内・町内の方々だけでなく、京都・大阪・兵庫……関西一円から参加があった。

(お誘い文)
薬草の採集は各薬草の花も咲きそろっ

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トチ・トチ・トチ・トチ・トチまみれ

トチ・トチ・トチ・トチ・トチまみれ

2019年から、京都大学芦生(あしう)研究林にご協力いただき、地域の「トチの資源量」を調査しています。

トチというのは、山深い地域にある道の駅や、お土産屋さんで目にすることのある、「栃餅」の原料。   

↓これが栃餅。味・風味・色も地域によって微妙に違う

(ざっくりした工程で、栃餅を表現すると)
栃餅=乾燥させ、皮をむき、灰汁(あく)を抜いたトチの実を餅米と一緒についたお餅のこと

素朴で何

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