障害者施設建設に反対する住民運動

NHKが2014年1月に報道したところによると、障害者のグループホーム建設計画に対する反対運動が、この５年間に少なくとも58件起きているとのことです。

障害者の家族会に聞いても、60件程度はあるという答えが返ってきます。

そしてこの60件うち、設置を断念したり、予定地を変更した例が36件あったということです。

こういった住民側の反対運動は「施設コンフリクト」と呼ばれています。

反対する理由には一定の傾向があります。

グループホームを迷惑施設ととらえ、そんなものを造られると土地の資産価値が下がるというのが一つの典型です。

そしてもう一つは、障害者が近くにいると何をされるかわからない、大声や奇声を発するのでこわい、などと不安や恐怖心によるものです。

この不安や恐怖心は、ほとんどの場合、漠然とした不安です。

実際にそういった被害にあったことがあるわけではありません。

それなのに、なぜ反対運動が起きるのかというと、これまで障害者との接点が少ないために障害者の実情を知らない、という理由です。

（障害のある子の家族が知っておきたい「親なきあと」渡部伸著）