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障害者の高齢化の現状

障害のある子どもの年齢が上がってからの生活の場について考えていきます。


その前に、高齢の知的障害者の現状と、そのかたたちが実際にどんなところに住んでいるかについて、ご紹介していきましょう。


もともと知的障害者福祉は子どもを対象としていたもので、知的障害者を対象に交付される療育手帳の制度が始まったのは1973年でした。


手帳の交付により、行政は成人も含めた知的障害者の状況を把握するようになりましたが、それ以前の実態などはあまり知られておらず、この問題についての情報が発表され始めたのはつい最近のことです。


国立重度知的障害者総合施設「のぞみの園」に、研究部という部門があります。


ここのホームページ(https://www.nozomi.go.jp/index.html)には、さまざまな調査結果や考察などが掲載されていて、非常に参考になりますが、それによると、2012年に全国の市区町村対象に郵送によるアンケート調査を行い、回収した結果、療育手帳を持っている人のうち、65歳以上の人の割合は5.7%であることがわかりました。


全国の療育手帳所持者数は約88万人とされていますので、65歳以上の知的障害者数は約5万人と推測されます。


ただし、療育手帳の制度が始まる以前から、手帳を持たずに入所施設などに入所している人もいるとのことで、そういった人はこの5万人には含まれないことから、さらに多い数の高齢の知的障害者がいることになります。


(障害のある子の家族が知っておきたい「親なきあと」渡部伸著)

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