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[詩]8401日後


わりかしどうでもいいもんだ
なんて思えたのはここ最近
ほんの少し前はほら
絶望と希望をたんと感じる
なんてったって特別な日で

でも前回も前々回も
そういや私はひとりだった
この部屋にたったひとりだった
何もない、それを
たんと感じたもんだった

前回こそ
あなたと生きると決めていた
だのにあまりに虚しくなった
だってちっともキラキラしやしない
キラキラさせてくれやしない
それは宝物なんだ。
私の宝物なんだ。
私にはあなたのそれも宝物に思えるんだ。
だって共に生きる人だから。

でもあなたにとってはちっともさ
宝物じゃないんだと。

あ、そうだ
前々回、私はひとりじゃなかったな
前々回の君はそう、
私をひとりにしなかった。
なんせ私にそれは宝物だから
と思わせてくれる天才だったから。

きっと私は前向きだ
だから思い出せたんだな

絶望も希望も感じなくなったんだ
これはとっても前向きだ
静かに受け入れ前を向いてる
それでいいんじゃなかろうか

なんだって全然つまらんのだ
あなたにとって私のそれが
ちっともキラキラしてないからな
ちっともキラキラさせてくれないからな


自分で自分しか食べないケーキを一人で調べて食べる気のないあなたが金を出すという

いらない、と言えば、ちゃんとそれを歌って祝わないと、という

ならばこれがいい、と言ってピースを見せれば、それじゃあちっともらしくない、という

あなたのいう、らしいまるまると大きなやつは、食べたいと思えればあまりに高い。

試しにふざけて額を言ってみれば、そんなするのか、というもんだ。

だから、ピースを見せたのに。

もうすっかり疲れてしまった。

誰が食べたいのだろうか。

崖の淵を歩く人間に、買わせたまるまる大きなケーキ、こっそり睨めっこした数字と妥協でそいつはきっと美味くない。加えて、あなたはそういうやつを、食べない。嫌い。気持ち悪い。ときたもんだ。

おかげで私は痩せそうだ。

疲れたのに、甘いものがちっとも欲しくない。気づけば「ケーキ」「ケーキ」「ケーキ」とまるで付箋だらけの参考書になったブラウザを、私はピタリと閉じていた。

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