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満月の音色

なぜ、15日じゃないのに十五夜と呼ぶのか

「旧暦の8月15日の月を指すから」らしい


2023年の中秋の名月は9月29日
しかも、満月

次、中秋の名月と満月が重なるのは7年後らしい


初秋というのか、夏の終わり秋の始まるような季節になった

夜は家の中にいるより外の方が涼しい

ふと、満月の下を歩きたくなる

月明かりに照らされ、無性に何か感傷に浸りたくなる


家から出て外を歩いていると、公園でクラスメイトの女の子と出会う

「何してるの」
 「満月だったから、散歩でも」
「私も」
….
「中秋の名月、だって」
 「十五夜って、旧暦の8月15日に由来してるんだって」
「へぇ、」
「知ってる?次、満月と十五夜が重なるのは7年後だって」
 「7年後かぁ、」
 
学校でみる彼女とは違う彼女に何か特別な気持ちになる


なんて、妄想通りに誰かに会うこともなく、
現実は、一人どこへともなく歩いている

大学生の集団とすれ違い、酔っ払いとすれ違い、今日が金曜日だということを思い出す。

大学生の夏休みは長い。
なんなら4年間、人生の夏休み。


ふと、通った公園でギターの音。

高校生か、大学生か
青年3人がギターの練習をしている

上手とは言えない歌声と、合ってるのかすらわからないギターの音色を聴きながら


ベンチに腰を下ろし、空を見上げた


絢香の「三日月」よりも
今日はこの音色が心地よく
風も空も空気も自分との境界線が薄くなっていく

来年は欠けた月の分だけ
心が満たされているといい


妄想も、現実も



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