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【6】心配②


小学校に入ったころから、ケイは学校は嫌いではないが「行かなくていい場所」とよく言っていた。

なぜなら、学校ではケイがやりたくないこと(・持久走前の毎朝のマラソンチャレンジ・体育祭前の行進の練習・全校朝会で先生の御説教を聞くことなどなど)を、「学校だから」ということで、強制されることがあるからだ。

そいうことをさせられて帰ってきたとき、ケイはいつも
「人に。その人が【やりたくない】て言っていることを、無理やりさせるって行為は、神様だって許されていないんだよ!?」と悲しみと怒りの混じった表情で私に訴えていた。

「俺たちは、地球で【やりたい】ことを思う存分する、自由な【意志】を持ってるんだ。
何をするかは、自分だけが、自分の意思によって決められる。他の誰かに無理やりさせられるなんて、絶対にされるべきじゃないんだ。そんなの…そういうとこが、学校のひどいとこだよ。」

こんな時、ケイはすごく大人びた言葉を使うので、

「ケイ。【自由な意思】なんて言葉、どこで聞いたの?」
と聞くと

「知ってた」と。

「本当は、そんなのみんな知ってるはずのことだよ」と答えた。

私は、ケイのこういう姿を見るたび、胸が締めつけられる思いがした。

ケイのように、はっきりした思いは持っていなかったが、私が小学生のときも「学校の決まりだから」とか、「先生が言ったから」とか、学校の中にある「嫌と言っても聞き入れてもらえないだろう」という恐怖のような感覚を持っていた。

そしてその感覚を思い出すと、そんな場所に、今度は愛する子供たちを送り出しているという苦しさを感じるのだ。

でも。「しかたがない」という一言で、私はナッツ、アカルン、ケイの順番で学校に入学させた(ある意味当たり前だけれど)

そして、ナッツ高校生、アカルン中学生、ケイ小学5年生の時、ちゃんが出てくるようになった。

この頃、ケイの寝不足問題だけが、私の心配の対象ではなかった。


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