【37】これからの地球
相変わらず、私は懲りずにケイに質問をしていた。
だって、以前、
「俺に聞いたらいいじゃん」
って頼もしいこと言ってくれたんだから。
私は、いきなりこう聞いた
「ね。これから、今までの地球から、【光の地球】になるんだって。」
「ふーん。」
ケイに、またなんか、変なYouTube見てんなママ。
と思われるだろうが、聞きたかった。
それで、私は話を続けた。
「次元上昇って。とにかく、地球は大きく変わるらしいよ?
知ってた?ケイ。なんか聞いてた?小人からとか。」
と、雑な質問になって、怒られるかと思ったら
「うーん。」とケイは言葉を選んで
「【光の地球】て言葉がねぇ。危なっかしいなぁ」と。
え。
【光の地球】て言葉、すっごくときめいてたんですけど。
「いや。だって、そう言ったら、今までが【闇の地球】みたいじゃん。」
「もちろん、光も闇も大事で、闇も悪くないって前から話してるよね?」
と真剣モードに入ってくれた。
うんうん。とうなずくと
「でも、まだ、たくさんの人の中で、【闇】って言葉が
いい意味で使われてないのに、
その反対の【光の地球】て言葉使うとさぁ。
そっちがいい!みたいに
良い悪いで考えちゃう人がいるじゃん。」
私も、心の中で
(そりゃ、光がいいに決まってんじゃん)
と思っていた。
「でも、まぁ、そう説明するしかないんじゃない?」
って、話を早く進めたい私はまとめた。
それでもケイは、おでこを片方の手で覆って
「うーん。違うんだよねぇ。イメージ的に」
と言って…
「あ!いいの思いついた!」
【サバイバルモードの地球】と【クリエイティブモードの地球】だ!
「地球ができてさ、最初は生きていくだけで精一杯だった。
でしょ?わかる?
人間は、生きるための場所とか、食べ物とかさ。
競争とか争いをしながら、頑張らなきゃ生きられなかった。
それが【サバイバルモード地球】」
「でも、今って、そんなことしなくても生きていけるんだよ。
もう、こんなに平和に生活できてる。
競争なんてしないで、地球をどんな星にしようかって、
みんなで創っていけるんだ。
それぞれに。
それが、【クリエイティブモード地球】
うん。これが今のケイの国語力でできる精一杯の説明かな」
と、ケイはスッキリした顔で私を見た。
そして
「これからは、まだサバイバルモードで生きるのか…それともクリエイティブモードで生きるのか、選べるって感じかな」
とにっこり笑って言った。
私にもわかりやすかった。
「ケイってえらいねぇ。そうやって丁寧に言葉を選ぶとこ。」
と感謝のつもりで褒めたら
「だって。こういう話、【言葉】すっごく大事なんだよ?
誤解されたら怖いじゃん。
だって、自分の言葉で、人の世界に影響を与えるんだよ?
もちろん、いい影響もあたえるけどさぁ。
俺は、自分の世界を創るので十分かな。」
と言った。