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【42】やっと解放された言葉

もう、ナッツも、高校に通わなくていいんだ。

アカルンと、通信制高校を今から一緒に探せばいいんだ。

パパも、もう、過労死するような仕事にはもどらないだろう。


また、生まれ育った町に…

【みんなで帰らなきゃ。】


ナッツも、最後の【やらなければいけないこと】を頑張ってきたんだ。

よし。

私も、軽やかに生きるための…

その前の【やらなければいけないこと】をするために…

ナッツの高校へ行った。

担任の先生は、
「いやいや。転校してきたばかりでしょ?
旦那さんだって、まだあと2・3年はこっちでしょ」
とあきれていた。

でも、この先生を説得して、
転校手続きをしてもらわないと、転校できない。

「すみません。いろいろありまして…。
1年で帰らなくてはいけなくなって。
なので、通信制高校へ…」
と言いかけると

「通信制高校!?なんで!
また、前の高校にお願いしたらいいのに。
テストでも受ければ。こっちでも、トップクラスにいたんだから、
十分ついていけるでしょまだ。」

「あ。こないだのテストも、休んでたのにいい成績でしたよ。」

神様は、最後のテストを私にしてるんだ…
ナッツは優秀。テストもいい成績。
まだ、ナッツ。あの高校行けるってよ?と。

「ありがとうございます。でも、通信制高校に通わせます。
1度ゆっくり体を休ませて、健康にならせたいんです。」

その後も、いろいろと会話は続いたが覚えていない。

最後に、そうですか。
とあきれたように言った先生は

「もったいないなぁ」

と、私に笑いながら言った。

「もったいない」
やっと、そう言われてもなんとも思わなくなっていた。

そうか…
この言葉に、ずっと振り回されてきていたんだ。

前までの私には
「『もったいない』才能を活かせていないダメな母親」
と、聞こえていたのだ。

自分が勝手にそう思ってただけ。

もう、私にはわかってきた

本当は活発で、やりたいことがたくさんあるナッツが、
好きでもない勉強のために、ただ、
机に座ってばかりいて、体調を崩している方がずっと「もったいない」と。





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