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園芸部とnote-book

子ども達が卒園した幼稚園には、保護者(在園生も卒園生も)で活動している園芸部がある。

今日は「球根を植える日」。

植える前にプランターの土をよく掘り返して、混ぜ合わせる。

「球根は根が深くなるから、プランターの土は多めにしましょう。」

部長から声がかかる。

部長の娘さんは、長男の幼稚園時代の同級生。
9年前、この園で出会った我々の子どもも、今春中学生になった。
園芸が趣味な彼が、ボランティアで始めた幼稚園と保育園の庭しごと。
(幼稚園と併設で保育園もあり、園庭はゾーン分けをし共有している。)
園庭の草木が活き活きとし、嬉しそうに花を咲かせ始めた。
語学に長け料理上手な彼は、緑の手の持ち主なのだ。

◇◇◇◇◇◇

「たまねぎみたい。」
振り返ると女の子がいた。名札の色を見ると年中さん。

晴れた日の園庭では子ども達が所狭しと遊びまわり、その端っこで細々と活動している園芸部。

「球根だよ。植えてみる?」
「うん。」
球根を土に埋めて、上からそっと土をかける女の子。

「おふとんかけてあげるみたいね。」
「春になったらチューリップが咲くよ。」

「オレもやりたいー。」
男の子達が集まってきた。

◇◇◇◇◇◇

「心にもやもやがある時は、土いじりをするといいんだって。」

なかよしのママ友が話してくれたことがある。彼女も園芸部員。

このところの自分は失敗の連続。
今朝も大きなミスをしたことに気づき、自己嫌悪のまま家を出た。

花壇に咲いている、開ききっている花を摘むのが花柄摘みはながらつみ
栄養が根や次に咲く花に行き渡るように、すでに開花のピークを過ぎた花を摘む。摘んだ花は園児が遊びに使う。

プランター。
土の中に混じっているよけいなものを取り除き、天地をひっくり返すようによくよく混ぜる。ふわふわな土になるように。

球根は、どのような花が咲くのか、葉になるのかを簡単に調べてから、配置を考えて少し深めに植える。

終わったら日当たりのよい場所にプランターを移動し、たっぷり水遣り。

来年の春、この幼稚園や保育園に入園する子達を迎えてくれるチューリップ、ムスカリ、スイセン、ユリ。
進級する子、小学校へと旅立つ子を、保護者の方々を、「おめでとう」の気持ちで見送る花たち。
かつては、私も子どもも迎えられ、送られたのだ。

子ども達の声を聞きながらの庭しごとが終わる頃には、心のもやはかなり薄くなっていた。


帰宅して郵便受けをのぞくと、届いていたもの。

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note-bookを手にした時のあたたかさ。

レシーブ緒方さんの文章に胸がいっぱいになりながらも読み進めた。

ページをめくるたびに、思いが浮かぶ。

今ここに居られることを心から感謝したい。


子どもが校門を通過した知らせのメールが届いた。

おやつの支度をしておこう。

兄弟が好きな抹茶ラテは、今日届いたコースターにのせて出そう。
紫と紺はふたりが好きな色。
私のスマイルスイッチを押してくれる色。

ありがとう、レシーブ緒方さん。

ありがとう、にこにこぼたんさん。








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