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篆書体のハンコ

息子の中学校で、PTA会計をしている。

来月に年度末の総会があり、そこで今年度の"中間"決算報告をする。

"中間"なのは、1月上旬で一度締めているから。
今年度の決算報告をするのは、今年度がすべて終了後の、来年度になってからである。

会計は二人体制で、私は現金の出し入れ(出納係)、もうひとりがweb上で管理、提出に必要な書類を作成してくれている。

私達は常に連絡を取り合い、必要があれば対面し、通帳や書類などを照らし合わせる。

中学校の事務室もPTA会費入金で関係しているので、事務室から呼ばれると、私は通帳を持って学校に行く。

それと年度初めには、PTA保険の契約や払込みもあるが、これは毎年、保険会社さんの懇切丁寧な指示があるので安心。

出入金があるたび、私は指定用紙に手書きし、請求書や領収書や現金受領証を糊付けし、会計ファイルに綴じていく。
もうひとりの会計さんがExcelで入力。
予算案や決算報告を作る。


文章に書くと小難しくも見えるが、要はお金の出し入れだけなのと、使用項目は、ほぼ例年変わらない。

強いて言えば、コロナ禍になり、学校行事が減ったり部活動の制限があったのが解除され、今年度から元に戻ってきた、という感じだろうか。

一昨年、昨年はなかった地域の親善スポーツ大会が今年は実施されたので、昼食代と交通費が発生します、会計から支給されます、のようなもの。

私のような、お金にもPCにも世間にも疎い者でもこなせる、複雑ではないしごと内容なのだ。

そこで「中間決算報告」の話。

会計がコツコツやってきたものを、会計監査の方々に監査していただく。

量が多いので、締切期限に余裕を持ち、お願いする。

会計監査さん方は、締切よりも早くチェックしてくださった。

「全部合ってましたよ。お疲れさまでした」

届いたLINEに安堵。
ふたりでチェックしながら進めているから、おそらく間違いはないはず。
でも緊張。
これはきっといい緊張で、お金を扱っている以上、慣れてはいけないと思っている。

そして書面が完成。
会計と会計監査と、教職員の会計担当にも確認をとり、それぞれが署名と捺印する。

その時、私以外の方々の判子が、吉相体きっそうたい篆書体てんしょたいであることに気づいた。

「やはり、こういう書体のものの方がいいのですか?」

もうひとりの会計さんに聞いてみたところ、その方がなんとなく喜ばれるみたいね、とのこと。

それって見た目ですよね。
ひろゆきになりそうな口をつぐんで、確かに見た目がカッコいいなと、グラフィカルな判子たちを羨む。

私は、来年度も会計を続投することにした。

だからこれからも、捺印の機会はある。

よし作っちゃおう。

そう決めたのは、ちょうど noteから「預かり期限を迎える売上がある方へ」のメールが届いたから。
noteのサポートでいただいたものを使って、篆書体てんしょたいの判子をネットショップで作った。


数日後、完成品が届いた。

篆書体てんしょたいのそれは、私の苗字のはずなのだか、読めない。
くねくねする蛇のようだ。
そこが気に入った。

来年の今頃、この判を押す頃は、長男の受験がどうなっているかしらと冷や汗が出てきそう。

あまり心配しなさんな、蛇のようにしなやかにくねくねと一年を過ごしていこう。

来年度の会計も、高校受験も。

noteのサポートで作った判子がついているからね。






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