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猫は悪くないのに ~野良猫問題を考える~

実家の近所で、今問題になっている、野良猫問題について考えてみる。

結論から言うと、猫は悪くないよ、ちゃんと相談しようぜ、という、人間側に100%問題のあるお話。


「慈愛の心」が近所の迷惑に

野良猫問題、と一言で言っても色々あるけれど、実家の近所で問題になっているのは、とある数人の野良猫への慈愛の心が、周辺住民の迷惑になっているということだ。

近所のおばちゃん達が、野良猫を可哀想だと思い、餌をやっているそうだ。もちろん野良猫なので、飼っているわけではない。

一見、野良猫に餌をやるのは優しい行為に思えるけど、結果何が起きたかというと、猫が周辺に住みついて、(去勢・避妊手術をしていないため)繁殖し、近所の庭に侵入したり糞尿をしてしまっている。近隣住民を困らせているのだ。

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猫はかわいい。でも、猫の糞尿って、めちゃめちゃ臭い。この夏場に自分の庭や畑に糞尿をされたらたまったもんではない。更に、近所には養護学校もあり、猫アレルギーの生徒もいるので、学校周辺に猫が侵入されたら困りものである。そして猫が増えると、交通事故のリスクも高くなってしまう。

餌やりおばちゃん達には、市役所や周辺住民から注意喚起しているのだが、一向にひかない。むしろ「野良猫に餌をあげて何が悪いの?」と言った態度で、無断で猫専用の餌やり場を新たにつくったらしい。(みんな、マジか・・・って呆れていた)

そのため、私の母をはじめ周辺住民で、猫を見つけ次第捕獲し、病院に連れて行きワクチン接種・去勢避妊手術をしている。(助成対象なので検査代は無料だけど、古川⇔塩釜と往復しなければならないので半日がかり。母はヘトヘトだーーーと嘆いていた。)

子猫は里親団体に預けたり里親探しをして、成猫は去勢避妊手術をしたらまた近所に放すようにしている。我が家も一時的に子猫を預かったが、うちでは飼えない(母の学校に猫アレルギーの生徒がいるため)ので、やっぱり里親探しをする必要がある。

餌やりについて注意喚起をしても一向に止めないので、区長さんを通じて、野良猫に関する地域の条例をつくってもらおうとしているのだが、結構時間がかかりそう。


にゃんぱく宣言の通りじゃん

ふと、ACジャパンのCM、” にゃんぱく宣言 "が頭をよぎる。ネコの心の叫びを「関白宣言」によく似たメロディーに乗せてさだまさしさんが歌うCM。

俺の体、俺より管理しろ 家の外に出してはいけない 飼えない数を飼ってはいけない にゃ〜

いや、ホントにその通りじゃん。

まず今回の問題は、あくまでも餌やりおばちゃん達は「飼っていない」ということである。つまり、猫の管理はしていない。ただ自分らの「猫に餌を与える」という一つの欲を満たすために行っている行為である。

また、家の中で餌を与えているわけではないので、もちろん猫は外に出たい放題だ。

そして、その結果、猫の数が急増した。

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「猫を飼う」責任を負っていれば、誰も何の文句も言わないのだ。でも、飼っていないから、責任の所在がそこにはなく、問題が起きてしまった。地域住民は正直迷惑している。猫のせいではなく、一種の人災である。

" 責任の所在 "ってあんまり使いたくない言葉なんだけど、猫は命あるものなのだから、誰かが責任を持つ必要があるのだ。

望まれなかった命は本来あるはずがない。猫の命は大切にするべきなのは大前提。でも責任なき慈愛は、結果的に命を大切にしていないに等しいし、猫も人も幸せにしない。そう、私は思う。


地方自治の問題もある

もう一つ、解決する必要がある問題。それは、地方自治の観点である。

市役所からの注意喚起では法的拘束力がなく、「別に取り締まっていないんだから野良猫に餌を与えてもいいじゃない」と言われればそれまでなのである。

だから、ルールをつくる必要がある。これは市や議員さんとも連携して行っていきたいところ。

今は地域住民の一部で自主的に去勢避妊手術や捕獲活動などをしているけれど、やっぱり限界がある。なので、地域のルールはあった方がいいなと改めて感じた。


あとは、地域住民との意思確認。今回の問題も、餌をやっていたおばさん達は独断・無断で餌をやっていて、その結果他の住民を困らせた。

でも、そこは地域住民の同意を得る必要があったと思う。

ちゃんと事前に、「野良猫がいるんですけどどうすればいいですか?」と地域住民に相談するべきだった。

どこかの地域では、地域全体で猫を管理している地域もあるみたいで、地域の受容性ってその土地によって違うよなぁとは思う。でもやっぱりそれだって地域の理解を得た上で行われているわけであって、独断ではダメだ。

何においてもそうなんだけど、やっぱり話し合いや情報共有の場って地域に必要だよなぁと感じる。


野良猫に餌をあげている方へ

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" 家で猫を飼いたいけど飼えない。でもおなかを空かしている可哀想な猫を助けたい。" そう思っている人がもしいたら伝えたいこと。

その心意気は素晴らしい。けど、「もし野良猫に餌をやったらどうなるか」という想像を一度してみてほしい。

その地域に猫が居ついたら、住民が困るかもしれない。猫をむやみに増やしてしまうかもしれない。結果、可哀想な猫を増やすことにつながってしまうかもしれない。

考えよう。そして、相談しよう。

想像力を豊かにして、猫も人も幸せになれるように、少しずつ解決していこう。

地域おこしをする際や、クリエイターとして活動する際の資金として、有り難く使わせていただきます🕊