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坂本沙季

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2020年10月の記事一覧

坂本沙季18.下味をつける

坂本沙季18.下味をつける

唐揚げの下味をつける。あんまり料理は得意じゃないけど、その日食べたいものを考えて作ろうとスーパーに行けるようになった。買い物をして、胸肉で唐揚げを作る。

しょうがとかお酒とか加えて置いておく。下味をつけた方がいいのは美味しくなるから。誰が思い付いたんだろう?
今日は何を食べようとか考えるのすら一苦労で毎日あることだからこそ楽しめたらいいけど、あんまり得意じゃない。

道を覚えることに似ている。方

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坂本沙季17.反抗期

坂本沙季17.反抗期

窓際に置いている植木が、窓の方に向かって伸びていくのを見ている。水をあげたときに太陽の当たるところを回転させて、まっすぐ育つようにしている。
少し放って置いたら、気がつかぬうちに太陽の方へ向かってたくさん伸びてしまっていた。

家の中にいると、家の中のことにしか気がつけない。ニュースとかいろんな世界の出来事がものすごく遠くに感じる。
一人というのにも慣れてきていて、慣れたからこそ対処の仕方をいろい

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坂本沙季16.誰も知らない夢

坂本沙季16.誰も知らない夢

小さい夢が少しずつあって、少しずつ密かに叶える。自分で考えているだけのことだから、当然なのかもしれないけど自分しか知らないという状況が良い。でも、人にも話さないようなことは叶えたら忘れてしまいそうになる。

家族で旅行に行ったときに、ロフトがあるコテージに泊まったことがあった。ロフトにベットが1つ、一階部分にベットが3つあって、ロフトで寝たかったけど、小さかったから下の階で寝た。そのときから、あの

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坂本沙季15.私たちは10月になった

坂本沙季15.私たちは10月になった

金木犀の香りがすると、高校の正門入ったところにあった大きな金木犀の木を思い出す。
あとは、実家の近くの道に沿って植えられていたやつ。

秋のほんの1週間とかしか咲かなくて、香りがするときにしかその木を金木犀だと意識しない。

楽しそうにしている場面が一つあるだけで、その外にあるものがなかったことみたいにされる。外側を意識しない。
良い人だったのにとか、普通の人だったのにとか、そういう言葉が聞こえる

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