真夜中に前髪を切った

数週間前から前髪が鬱陶しくして仕方なかった。
家事をする時には特にイライラして輪ゴムで括っていたが、さすがにそれはちょっとと思い無印良品でヘアゴムを買った。
カレンダーを見るとヘアサロンに行ったのは9月4日。伸びるはずだ。

鬱陶しいからと括っても根本的な解決にならないのはわかってる。
なぜ髪を切りに行かない？行きたくても、気に入った店がないからだ。
10年ほど前から値段も雰囲気も普通だが、カットの腕と雰囲気がいい人をやっと見つけたと喜んで通っていた店はあった。が、コロナ禍でクローズしてしまった。
とても残念だったが当時は新たに店を探すのも怖かったので、Amazonでスキハサミを買った。自分で何度かカットしたが、さすがに後ろは難しいし所詮素人だし・・・
コロナ禍も落ち着いてきた頃から数件の店でカットしてもらったが、どこも（どの人も）イマイチで通いたいほどではない。

9月にカットしてもらった人はそれなりに上手いとは思ったが、頭頂部の長さを残したカットだったので、それが伸びて前髪が重くなってきたのが鬱陶しさの原因だったんだろう。
いつもはシャギーを入れて軽やかなベリーショートにしてもらうが、その時は全体的に長めに残してもらったのがいけなかった。
伸びる前にカットしてもらえよという話だが、相変わらず同じ店にするか違う店にするか迷ってるうちに、気づけば3ヶ月も経っていたのだ。

月末月初はそれでなくてもいろいろ考えることも用事も多い。
イライラしつつ電卓を叩きながら家計簿を睨んでいた昨日の深夜。
とうとう私は椅子から立ち上がると、ハサミと古新聞を持って寒い洗面台の前に立った。
ジャキジャキジャキ・・・
バランスを考えれば横も後ろも切りたいが、まずは前髪だけ。
髪の毛と一緒に、イライラも古新聞の上に落ちていく気がした。
もっと切りたいところだが、やり過ぎは禁物だ。
少しは気が済んだというところで手を止めた。

翌日の今日。
家事をしててもイライラしないので、切ってよかったようだ。
できれば早めにプロに整えてもらいたいけれど、また前髪が鬱陶しくなるまでに気に入った店（人）が見つかるだろうか、それともまた自分で切るのだろうか。