人生100年時代、健康寿命を延ばそう!:読書をすると、脳が進化する?
《読書で脳が活性化》
「読書をすることは、脳に良さそうだ」と、誰もが思っているのかもしれません。
実際に、読書をすると脳のいろんな部分が活性化すると言われています。私たちの普段の認識では、字を読んで意味を理解する、ぐらいにしか思っていないかもしれませんが。
脳は読書をすることによって、まず文字を目で追う『視覚野』が活性化されます。その後書かれた文字を認識して、意味を理解する『角回』が活性化します。それと同時に、言語を理解する『ウェルニッケ野』や『ブローカ野』、さらに記憶や感情の抑制、行動の抑制、状況の判断、未来予測など、高度な精神活動をつかさどっている『前頭前野』も活性化されます。
また、集中力や記憶力といったところでも脳を使うことになり、読書は脳を活性化させると言われるだけの効果があることは確かなようです。
そして、これらの活性化と、読書などによって脳に蓄積されるデータが、ビッグデータとなり、メタ認知できるようになることで、未来予測のような高度な判断ができるようになっていくのだそうです。
まさに、進化していくかのようです。
《紙の本か、電子書籍か》
本を読む際に、紙の本か、電子書籍かと問われることがあります。
今の時代、いろんなものがデータ化されていて、スマホやタブレットなどで読書をする電子書籍タイプの方がメリットがあるようにも思われます。
デジタル端末を利用したほうが、持ち運びが楽だし、いつでも読める。一点だけ悪いところを挙げるのなら目に悪いのかなというところだけなのかもしれません。
紙の本の方が良いと言っているような人は、もともと本が好きな人や、デジタルに弱い人というイメージもあるような気がします。
しかし、ノルウェーの大学の研究によると、登場人物などの本の内容の記憶をテストすると、紙の本と電子書籍でそれほど違いはなかったが、ストーリーを時系列に追うテストでは、電子書籍で読んだ人は、紙の本で読んだ人よりも、著しく成績が悪かったのだそうです。
これは、本の重量や、ページをめくる行為、どこまで読んだかを肌で感じる感覚、といった『触覚』による差なのではないかと考えられているようです。
今まで本を読むという行為は、視覚で行うものだと思っていましたが、私たちは意外とそれ以外のいろんな感覚を利用して本を読んでいるのかもしれません。
つまり、本を読むという単純な行為ではあるけれど、実際にはいろんな『感覚』を活用して、脳を活性化しながら読んでいるのかもしれません。