見出し画像

資産運用で、「今後の相場や景気動向を考える必要はない」というけれど・・・。

経済や相場の予想はあたらない?

私たちの周りには、経済や相場に関する、今後の予想や情報であふれている。
相場の予想をしたところで、そうそう当たるものではないということも、重々分かっているはずなのに、どうしても気になってしまう。

でも、それは当然のことです。

なぜなら、私たちは自分のお金を使って、投資をしてるのだから気になって当然です。

今後の方向性によっては、私たちの生活を支えるはずの大切なお金が、増えたり、減ったりすることになる。本音では当たらないくせにと思っていても、気にならないわけがない。

この感覚って、星座占いの結果や今日のラッキーカラーなどを気にしてしまうのと、だいたい一緒の感覚なのでしょうね。

ただ、占いなどと違って、経済や相場の話の厄介なところは、『理屈っぽく』説明してくることです。
ただ、「今日の星座占いの結果は〜」、というのではなく、「先日発表された〇〇よると、今後△△になることが、予想される」といったように、如何にもそうなるよという理由がある。そういう言い方をするために、「なるほど・・・。」と思ってしまいやすい。

経済評論家やアナリストなどと呼ばれている人達は、まさにこれを利用してくる。

相場や経済予測は、無駄話?

経済評論家やアナリストと呼ばれている人たちは、あまりにも理路整然とした話をしてくるものだから、なんだか頭が良いようにも見えたりします。

でも実は、それっぽく理由をつけて今後の話をすることは、そんなに難しい事ではないと感じています。

実際に私自身も、経済学者でもなんでもないのに、「今後の見通しは?」などと人に聞かれると、「こんな理由からこうなる可能性ある」と、それっぽく答えることだけは出来てしまう。

でも、その話が本当に当たることなんて、ほぼないし。本人自身、それが当たろうが、はずれようが、それほど重要でないと思っていたりします。

でも、それを聞かれてしまうと、何となく何かを答えなければいけないような気持ちになってしまう。

実はマネー相談の時などに、「今後の見通しは?」とか、「この業界は今後どうなるの?」とか聞かれることは、本当は嫌だったりします。

わからないことを、わかった気になって、人にそう思わせるように話す。

すごく嫌です。

でも、相場の動向は、自分のマネー事情にも大きく関わってくることだから、普段からいろいろ考えてしまっているだけに、不意に「相場の動向は?」などと聞かれると、たいして当たらないのに、ついつい答えてしまう。

本当は話したいことではないのだけれど、聞かれた以上、黙っているのも失礼かと思って、今思っていることを話してしまいます。

たいして当たりもしないのに。

Don't think! Feel

正確な予測ができなかったとしても、ただはっきりと分かっていることは、そもそも資産運用には、相場の動向を気にすることにあまり意味がないということです。

相場の動向なんて、そもそもわからないものです。

わかった気になって話している人の話は、話半分で聞いた方がいい。

人を説得するテクニックに、無意味なものでもいいので、とにかく理由をくっつけて話すといいと言われています。

「今日休みます」というよりも、「今日は暑いので休みます」といったほうが、説得力が出るといいます。
実際には、「暑いので」には、なんの説得力もない話ではあるのですが。

経済や相場に関する話のほとんどは、この程度の話だと思っていいと考えています。

理由がなんであれ、そもそもわからないものには、わからないという結論しか出てきません。

でもそんな経済や相場の中にもわかることはある。

「景気や相場の中には、サイクルがある」という話なら、みんななんとなく理解しているのではないかと思います。

もちろん、そのサイクルの転換点をピンポイントで当てようというのは不可能なことです。

だけど、今サイクルのどの位置にいるのかだったら、なんとなく感じ取ることができるのではないかと思います。

そしてそれと同じように、投資のリスク調整やコントロールも、私達が資産運用をしていく中で実行することができる、数少ないことの一つです。

安全資産とリスク資産の資産配分を気をつけることで、リスク調整やコントロールは実現することができます。

相場の予測をしなくたって、サイクルのどの位置にいるかを感じ取って、リスクを適切に調整、コントロールしていれば、資産運用は実行できる。

リスクを感じているサイクルの上の方にいるときは、取るリスクの量を抑え、逆にサイクルの下の方では、積極的にリスクを取ってみる。

予測で判断して行動するのではなく、サイクルの位置によって、リスクを調整する。

資産運用のコツとは、小難しい経済理論や金融工学といったものではなく、もちろん景気や経済の先を読む予測力なんかでもなく、シンプルにそんな話なんじゃないかと思うんです。

「考えるな、感じろ」のほうが、実際重要なんじゃないかと感じています。