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団体創設一周年記念企画! 団体創設秘話 〜前編〜

海外や全国各地から宇宙好きメンバーが集うASE-Lab.。
団体は先月の12日に無事一周年を迎えることができました!!

そこで今回は、団体一周年を記念して特別企画!
題して、「団体創立秘話」です!!!
団体はいかにして生まれ、その後一年も経たないうちに100人を超える団体へと成長を遂げたのか。。
創設に関わった三人のメンバーである本田大明(ほんだ ひろあき)、阿部舞哉(あべ まや)、そして児玉幸斗(こだま ゆきと)が、今回のインタビューで団体創設の過去について全て語ってくれました。
メディアでの初公開秘話、是非お楽しみください!

自己紹介


舟坂:では最初に、自己紹介の方からお願いしたいです!
 
本田:本田大明と申します。東京工業大学、情報理工学院の情報工学系に所属していて、今は二年生です。三人とは同期で、あべま(阿部舞哉のこと)とは同じ高校でした。これまで行ってきた活動についてですが、僕が一年生だった頃はあべまと衛星設計コンテストに出て、その際に論文のような研究発表を一緒に作っていました。それと同時期に、僕、あべま、マックス(第一回の記事で取り上げた、加藤数麻のこと)、そして平井君と、勉強会みたいなことをやってて、宇宙系のことも色々勉強してました。その後、勉強会の延長線で団体を作ろうという風になって、団体を立ち上げたという流れです。あべまとゆっきー(児玉幸斗のこと)の2人は結構アクティブに宇宙関連の活動をされているんですけど、僕は今は宇宙関連の活動はあまりしていないです。どちらかというと、僕が今持っている会社の事業を色々進めているところなので、宇宙ビジネスに対しては俯瞰的に見てるところがあります。

本田大明君

舟坂:他のメンバーとは違って、エンジニアの仕事メインで団体にも関わってくれていて、割とメンバーの中でも異色な活動をされているのですね!
 
舟坂:続いて、児玉君よろしくお願いします。
 
児玉:東北大学工学部、機械知能・航空工学科2年の航空宇宙コースの児玉幸斗と申します。これまで行ってきた宇宙関連の活動についてですが、大きく分けると三つあります。一つがTohoku Space Community[1]という、東北を宇宙でワクワクさせるためのイベントを開催するサークルでの活動です。この活動に関しては、大学一年生から現在まで続けています。もう一つが宇宙エレベーターを製作するサークル、SELECT[2]という団体での活動で、これも一年生の頃からやっています。宇宙エレベーターとは、固定されたロープ上を走行して宇宙まで行く機械のことです。この機構を用いて地上の課題の解決もできないかということで、一年生の冬に東北大のビジネスアイデアコンテストにそれを発表テーマにし、出場しました。出場後、プロジェクトLIFT[3]というものにプロジェクト名が変わり、その後も活動しています。現在は、そのプロダクトを実際に建設現場に応用させるために実証試験とかインタビューとかを行っているところです。ASE-Lab. はあべまと冬ごろから話し合って始めた団体になっています。最初の方は特に広報活動をメインに頑張っていた記憶があります。ASE-Lab. を立ち上げた後、年を跨いで3月頃に宇宙産業展にASE-Lab. として学生団体の枠で出展をさせていただいたということが、記憶に大きく残ってます。

児玉幸斗君
プロジェクトLIFTの様子
Tohoku Space Communityでの活動

児玉君が行っている宇宙エレベーターの事業に関して詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください↓
https://note.com/ase_lab_/n/n25b330c5ff46

[1]Tohoku Space Community 団体ホームページ:https://tsctohoku.editorx.io/tohokuspacecommunity
[2] SELECT 団体ホームページ:https://tohokuspaceelevato.wixsite.com/mysite
[3] プロジェクトLIFT Twitterアカウント:
https://twitter.com/LIFT_select


舟坂:では阿部君お願いします!

阿部:早稲田大学基幹理工学部、機械科学航空宇宙学科二年の阿部舞哉です。自分は、どちらかというと宇宙ビジネスに興味のあるエンジニアみたいな立ち位置で宇宙に関わってます。宇宙関連の活動としては、現在模擬人工衛星を作るチーム[4]での活動を色んな大学の友人とやっていて、大会に出たり、グローバルな宇宙開発をテーマに新しいプロジェクトを立ち上げたりしています。さっき、「宇宙ビジネスに興味のあるエンジニア」という言葉で自分を表現したんですけど、自分の根元にはエンジニアとしての気質があると思います。何かを作りたいという気持ちはものづくりに対してだけでなく、こういう世界を作りたいだとか、こういうシステムを作りたい!という作りたい欲求が常にあります。作りたいものを実現する手段の一つとして、チームだとかプロジェクトの立ち上げだとかを行うことが多いです。そういう風にして、作りたいものを実現したものの中の一つがASE-Lab. です。児玉君と本田君に声をかけさせてもらって、立ち上げた流れで今は団体の代表をやらせて貰ってる感じです。 

阿部舞哉君
模擬人工衛星を作るチームFUSiONでの活動
活動の様子(その2)

[4]CanSatのオンライン開発を行っている全国の大学生で結成されたチームFUSiON。ARLISSと能代宇宙イベントへの参加に向け、日々実験と開発に励んでいる。
参考:https://mobile.twitter.com/cansat_fusion

<団体創設秘話 第一部:大学3、4年生や院生だらけのあのコンテストに大学一年生から出場!?結果はいかに。。>


舟坂:色々な活動をそれぞれで行ってきたと思うのですが、その中でも今日は特に、ASE-Lab. の設立秘話について詳しく聞いていきたいと思います!ASE-Lab. の設立のきっかけとして勉強会の話がありましたが、その勉強会はどのように行われていたのですか?
 
本田:高校は同じでしたけど、実際にちゃんとあべまと深く話したのは、高校の卒業式が終わってから、お互いにビジネスに興味があることがきっかけで仲良くなって。
 
阿部:そもそも、僕と本田が高校生の時それぞれどんな人間だったかというと、学校が受験に真面目なとこだったこともあり勉強にも力を入れていたけれど、それにプラスして、お互い力を入れているものがあったんです。本田は、軽音楽にすごい力を入れてたんだよね。
 
本田:そうだね。僕はその頃AIがめっちゃ好きで、AIの勉強とかも高3の頃はしてました。でも、ほぼ軽音につぎ込んでいたみたいな。結構部活熱心でした。
 
阿部:彼は軽音でキーボードをやっていて。その一方で僕は何をやっていたかというと、プログラミングとか電子工作、IT系のサークルを作ってやっていたんですよ。それを機に、動画編集に凝りたいなと思い、友達に歌わせることになって、それの編曲をしてくれる人を探したときに、友達に本田君っていう、軽音楽で編曲とかやっている子を紹介して貰って、一瞬繋がりを持ちました。それがお互いに、ビジネスに興味あるんだねって話すきっかけになりました。

阿部君が所属していた工科IT研究会で作成したロボット
本田君は軽音の活動に熱心だったようだ

本田:その後、衛星設計コンテストってものがあるから一緒にやってみるの面白いよね、みたいな話をあべまから振られて。話しているところにはマックスもいました。そこで、コンテストに出るにはまず基礎力が必要だと。そこから、三人で勉強会をしようということになり、僕のところで勉強会してた感じでした。
 
舟坂:高校の内容の復習とかじゃなくて、プロジェクトに出場するための勉強会だったんですね。
 
本田:そうですね。マックスが数学の先の内容を進めていくのが好きだということもあり、はじめは微分積分や線形代数を勉強してました。
 
阿部:元々のモチベーションとしては、世の中の大学生ができてないことに挑戦したいという思いがあったんです。まだ大学に入りたてで何も知らなかったからこそ、世界一になろうぜ!みたいなノリでした。それで、だったらもう大学院生とかも出る中で賞取りたいよねとなりまして、衛星設計コンテストに出ることになりました。驚くことに、このプロジェクトを始めようと言い出したのはマックスでした。僕は高校時代に自分が立てた愛好会での活動が楽しすぎてそこに時間を割きすぎたという反省もあり、大学に入ってからは勉強をして、割と普通の優等生な生活を送り、その後もレールに乗った人生を想定していました。でも、阿部舞哉のこれまでの経験を活かして、一緒に頑張りたいとマックスが言ってくれて。彼は高校のクラスメイトだったんだけど、高校の頃はお互い勉強教え合うくらいの仲でしかなくて。でも、彼に宇宙系の活動に誘われて、抑え込もうとしていた感情に火がついてしまいました。それならば、ビジネスに興味のある本田も含めて、理系科目に強くて宇宙についてもそれなりに詳しい人たちで頑張っていこうじゃないか!となってこのコンテストに出ました。ただ、今まで受賞しているのが大学生や大学院生のチームで、自分たちの高校レベルの学力では太刀打ちできないと感じたので、提出まで3ヶ月しかない中せめて大学一年の勉強内容くらいは身につけておこうということで、自主ゼミを行いました。

当時行った自主ゼミのスケジュール

 
本田:衛星設計コンテストへの作品提出を終えた後の8月、宮城で対面勉強会をやりましょうという流れになりました。
 
阿部:定期テストも終わり、夏休み何もやることがなくなってしまったので、仙台にある会議室を借りて、高校同期の人達で勉強会を企画しました。
 
本田:その時の写真が今ホームページにもありますね。マックスの写真が(笑)

ホームページに載っている加藤君の写真

 
阿部:その後、衛星設計コンテストの選考不通過通知が届いて。悔しくて、それで終わらせるのももったいないから提出した論文の実証実験をしたんです。9月下旬の最後の2週間、宮城の河原で行いましたね。

宮城の河原で行った実証実験の様子
宮城の河原で行った実証実験の様子(その2)

<団体の創設秘話 第二部:運命の出会い>


阿部:それで、一年の教養科目である線形代数と微積を終えてしまい、それぞれ宇宙に対する興味分野もバラバラだったので、停滞期に入りました。夏休み後の10月頭、大学が始まって2週間目くらいに、急遽僕が締め切りを忘れてた書類を取りに高校に行かなきゃ行けなくなって、授業のある平日真っ只中に新幹線で仙台に帰りました。取りに行く作業は午前中で終わったんですけど、暇だったので近くの東北大までマックスにドッキリを仕掛けるために遊びにいきました。

阿部君にドッキリを仕掛けられてびっくりしすぎてメガネが曇ってしまった加藤君

阿部:東北大は僕の高校から行く人が結構多かったので、マックス以外の別の元クラスメイトにも会いました。その頃、僕は自主勉強会や衛星設計コンテストへの出場についてインスタとかで投稿をよくしていたので、彼もその活動を知ってくれていました。「お前めちゃくちゃ宇宙やってるよな!今俺と飯食ってるこいつもめちゃくちゃ宇宙好きなんだよ」っていう風に彼はその時、友達を紹介してくれました。その紹介された友達が、児玉幸斗だった。
 
児玉:そうですね。最初は、なんかよくわからないけど東京から来た宇宙好きの変な人が話しかけてくれたっていう印象でした。衛星設計コンテストで行った発表についても話してくれて。こんなすごい人いるんだって思いましたね。本当偶然でしたよね。
 
舟坂:それで阿部君は、他にも宇宙好きな子がたくさんいることに気づいたわけですね。
 
阿部:そう。ちょうどその頃、僕はTohoku Space CommunityについてもTwitterで見かけてて。なので団体には元々興味がありました。僕自身東北は地元だったし、東北大は、学部では行かない選択をしたけど、大学院では戻りたいって思ってるくらい好きな大学だったし、地元の仙台とか東北の文化もすごい好きだから、そこの中の人と是非仲良くなりたいという気持ちがありました。それに加えて、宇宙に対する興味や憧れの話、宇宙に興味を持ったきっかけについての話をしてる時のその時の幸斗の目が、とてもキラキラしていたんです。宇宙好きは、SDFにもたくさんいるけど、まだ自分がどこに興味があるのかわからないとか、なんとなく好きだけどもっと知りたいっていう人が大半で。そんな中で彼は、大学に入ってから知った同じ類の宇宙好きの中で目線のキラキラさが一番ピュアだった。
 
児玉:あんまり東北大ではこういうことやっている人はいないから、やっぱ阿部君はすごいなっていう印象を僕は持ってましたね。
 
舟坂:お互いに同じ興味で出会って、同じモチベーションで頑張ってる人がいるんだって知れたのと同時に、持ってる情報がお互いに違ったから、刺激的ないい出会いでしたね。
 
阿部:そう。僕は結構「誰もやったことのないものをやんなきゃいけない」とか、「自分たちで勉強していかなきゃいけない」って考えて、常に逆算ばかりしてました。全部を「やらなきゃいけない」のマインドでしているというか。自分自身に対して縛りとか目標を課すことが多かったんです。けれど、彼は本当に自分の「好き」の感情を大切にしてるんだなという風に、彼と話していて思って。そのまま彼と出会わずに活動を続けていたら、自分にとっての宇宙が結構窮屈な趣味になってたかも知れない。自分とは全く違って、「宇宙が好き」っていう感覚を大事にしてるってのが、すごい会ったときに伝わってきました。自分の宇宙開発への関わり方を変えてくれた人でした。
 
舟坂:元々あった、宇宙やりたい!っていう根本的な部分を思い出させてくれるような、そういう人だったんですね。
 
舟坂:児玉君は阿部君から当時何を学びましたか?
 
児玉:さっきも言ったんですけど、東北大で彼のようにガツガツ進んで頑張ってる人を当時は他に知らなかったし、こういうコンテストがあることも知らなかった。もちろんマックスも東北大で宇宙の活動を頑張っていたけれど、当時は彼のことも知らなかった。僕自身その頃はまだ一年生で、そこまでガツガツ動いていたわけでもなかったので、東京にはこんなすごい人がいるんだって思いました。
 
舟坂:じゃあ当時は宇宙系の活動を個人でやることが多かったんですか?
 
児玉:そうですね。宇宙エレベーターの事業をしたりもしてたんですけど、こんな衛星設計コンテストで論文みたいなもの書くようなことはしてなかったので。すごいなぁと。
 
阿部:そうやって出会って、その後も日程と時間を合わせて電話を何度か一緒にしました。宇宙を好きになったきっかけとかどういう分野が好きなのかとか、そういう話をしましたね。

児玉君と宇宙について語り合うために行った、電話の日程調整のメモ

高校卒業後、本田君と児玉君との出会いに恵まれた阿部君。しかし、自主ゼミは未だ停滞期に入ったまま。。
話はどのように発展してゆくのでしょうか。。

続きは次週、19日の同時刻に公開予定の後編に続きます!
お楽しみに!!

この記事を読んで私達の活動に興味を持ってくださった学生さん!是非弊団体のウェブを覗いてみてください↓ こちらから参加登録も出来ます。
団体ホームページ

取材・文:早稲田大学 先進理工学部 物理学科2年 舟坂柚香 
(広報部メンバー)

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