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障害者手帳の維持にはお金がかかる

少し空いてしまいました。この間も、「スキ」をしてくださった方や、フォローしてくださった方がいらっしゃいます。また、私のWAIS-IVの有料記事をご購入いただきました方もいらっしゃいました。この場をお借りして、厚く御礼申し上げます!

現在、抗うつ剤のトリンテリックスの10㎎×1錠から20㎎×1錠に増やしてもらいました。

2週間ほど毎晩夕食後に飲み続けていますが、やはり昨年初夏の時と同様、効果は、ほとんど感じられません。

強いて言えば、夜になって眠気が来るようになった日も見られるようになりました。

このおかげで、睡眠導入剤のマイスリー(飲んでいるのはジェネリックの「ゾルピデム」)を2錠から1錠に減らせるようになる日もあります。ただ、それも週に何日かだけです。
トリンテリックスを飲んでも、マイスリーを2錠飲まないと眠れない日も多々あります。

トリンテリックスの副作用は、やはり喉の渇きです。朝起きたときには喉がカラカラになっています。でも、喉の渇きの感じ方が鈍いのと、冬だということもあり、とにかく水を飲まなければという気にはなりません。

またやってきた障害者手帳の更新

さて、筆者は、精神障害者保健福祉手帳3級(精神障害者手帳3級)を保有しています。今年2月で2年間の有効期限が切れるため、更新しなければなりません。確定申告(2022年は一昨年、昨年にあった提出期限の1か月延長がないのでタイトになっています)でただでさえ忙しいこの時期の更新は非常に面倒です。

先月の末に住んでいる市役所への書類発送でなんとか更新手続きを終えました(本来なら手続きが圧倒的に迅速で、書類不備があった場合でもすぐに対応できる対面で行いたかったのですが、このご時世なので、自粛しました)。

今住んでいる県の精神障害者保健福祉手帳のカバー


現在、発達障害を診断された人は、療育手帳もしくは精神障害者保健福祉手帳が取得することができます。
筆者は、後者の精神障害者保健福祉手帳となっています。この精神障害者手帳は、療育手帳と比べるとさまざまな点で冷遇されている手帳です。
その一つが更新が必要なことです。精神障害者保健福祉手帳は、2年ごとに更新手続きを行う必要があります。かかりつけ医師の診断書を書いてもらった上で、申請書類とともに、自治体(各都道府県や各政令指定都市など)に提出する必要があります。

更新への診断書発行で5,000円以上はかかってしまう

しかも、医師による診断書は無料ではもらえず、1回の更新あたりに最低5,000円はかかります。

また、精神障害者保健福祉手帳3級では、金銭的な優遇も非常に限られているため、診断書発行だけでかなりのお金が飛んで、赤字になってしまいます。
しかも、障害者保健福祉手帳の等級は、障害年金の等級とはまったく関係ないので、障害者手帳を取得したからといって、年金がもらえるわけではありません。

精神障害者保健福祉手帳は、もともと後天的な病気で、治療による回復が見込めるうつ病や統合失調症などの精神疾患を抱える人向けに作られた手帳です。そのため、回復すると障害が認められなくなってしまいます。

しかし、発達障害は後天的な障害ではなく、先天的、つまり、生まれつきの障害です。二次障害と違って、改善・回復するようなものではなく、基本的には生涯付き合っていく障害です。それでも、2年に1回は更新しなければなりません。
一方、療育手帳なら原則、更新の必要はなく、診断書の発行費用もかかりません。
つまり、精神障害者手帳は、発達障害者の実態にそぐわない手帳といえます。それでも、「発達障害者手帳」なるものは日本には存在しません。

このほかにも、精神障害者保健福祉手帳は、身体障害者手帳や療育手帳で受けられるはずの鉄道運賃の割引などがほとんど受けられず、金銭的なメリットも非常に少なくなっています。
特に、障害者雇用を目指さないフリーランスの発達障害にとっては、取得によるメリットはほとんどありません。

なぜ、不利な精神障害者手帳を選ばなければならなかったのか?

もともとは、最初の発達障害の診断(WAIS-III)から7カ月後の2010年8月、21歳の時に取得していました。当時は、発達障害単独では、精神障害者手帳でさえ取得が難しい時期でした。そこで、筆者の場合は二次障害であるうつ病を主な理由として取得しました。

当時は障害者取得に反対する両親に隠れてこっそりと取得せざるを得ませんでした。

取得の際に両親の同伴が必要な「療育手帳」は取得できませんでした。また、療育手帳は、IQ(知能指数)が70未満という知的障害者向けの手帳です。しかし、当時のWAIS-IIIのIQは110と、平均の100を超えていました。このため、IQから療育手帳が取得できない可能性もありました。


そんな自分は一旦、障害者保健福祉手帳を意図的に更新しなかったことがありました。金銭的なメリットが少なく、両親に見つかるというリスクもあって、フリーランスだと必要性を感じなかったからです。

祖母の家で暮らしていた2011年秋に、精神障害者手帳を利用して、ハローワークを通じて、障害者雇用のパートの仕事に何度か応募しましたが、書類選考の時点での不採用が続きました。
2012年春以降、2009年から並行して細々と続けていたフリーランスライターや校正の仕事が増えたため、フリーランスで仕事をしていくことに決めました。そうなるとクローズド(障害を明かさない一般就労)で、不採用続きになるリスクも高い障害者雇用の仕事に応募する必要もないと思い、23歳だった2012年8月に更新を止めました。

その後、フリーランスでの非常に不安定な収入を心配していた両親が障害者手帳を持つことに理解を示してくれるようになり、地元に定住するようになったので、再度取得したほうがいいかなと思いました。そして、27歳だった2016年8月に再度申請しました。それ以来、2回更新しています。

フリーランス発達障害への数少ないメリットは確定申告時

数少ないメリットとして、確定申告時に27万円の障害者控除が利用できることがあります(もともと発達障害のフリーランスだと収入自体が多くは得られにくいので、経費も少なく、そこまで大きなメリットにはなりません)。

国税庁「No.1160 障害者控除」
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1160.htm

また、フリーランスも受け入れる就労継続支援事業所の利用ができたりします。

現在は、感染者数も多く、対面での手続きではなかったため、更新手続きにもかなり時間がかかっています。

筆者は、かかりつけ心療内科への自立支援医療(通院・投薬時の医療費が通常の窓口3割負担が1割に低減される制度)も取得しています。こちらも更新が必要です。

更新が不要な「発達障害者手帳」なるものがあれば・・・・・・と思っています。