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朝鮮半島情勢について考える

安倍晋三首相の辞任により、東アジアの情勢はどう変わるのか。

東アジアの情勢を語る上で朝鮮半島が鍵を握っていると私は思う。

今でも冷戦の産物として残り続ける分断国家の朝鮮半島は何度も統一を試みた。

2000年6月15日。初の首脳会談後、「6.15宣言」を発表。
2007年10月4日には7年ぶりとなる首脳会談後、「6.15宣言」をより実践的な内容に取りまとめた「10.4宣言」を発表。
2018年4月27日。みなさん記憶にもまだ新しい「板門店宣言」の発表。

朝鮮半島は間違いなく21世紀に入ってから活発に統一への歩みよりと戦争の危機、両方を何度も繰り返してきた。

戦争の危機に直面する時は常に朝鮮半島をとりまく情勢の変化で起きる。
一番影響を与えるのがアメリカ大統領の発言、行動である。それに追従するのが強固な同盟国である日本。
韓国に関しては同族ということもあり、極端な親米派であれば「北朝鮮」を敵視する政策をとり、アメリカに追従するが、統一理念が強い大統領であればアメリカとの仲介者の役割に力を注ぎ戦争危機を免れようと努力する。

安倍晋三首相は7年8カ月、アメリカとの強固な同盟関係構築に力を注いできた。
集団的自衛権、沖縄米軍基地問題、日本の国防費負担額等、国民が理解に苦しむ問題が多数あったが、国を守る手段としてアメリカに追従する他なかったのだろう。
それは戦後から始まった一種のイデオロギーであり、アメリカの力を借りずに国を守るとなると日本は憲法から抜本的な改革をしなければならない。

米軍との地位協定も結局は朝鮮半島が統一しない限り消滅しない。米軍が日本からいなくなる未来は朝鮮半島の統一しかないのだ。

それでは何故朝鮮半島は統一しないのであろう。
過半数の意見は「北朝鮮が悪い」となるに違いない。
はたして本当に「北朝鮮」が全て悪いのであろうか。

安倍晋三首相が国を守るためにアメリカとの強固な同盟関係構築にこだわったのと同じように、「北朝鮮」も国を守るために核開発を強行し、大陸間弾道ミサイルを開発したのではないだろうか。
核開発は国際的に見ればダメなこと。
しかし、大国の傘の下に入らず自分達の力だけで国を守るためには、ある意味「北朝鮮」は常に挑み続けてると思う。

結果何度も戦争の危機に直面してきた。
トランプ大統領が就任した初期の頃は史上最大規模の米韓合同軍事演習を行い、「北朝鮮」もそれに反発して、アメリカ本土を射程に納めるICBM制作に躍起になった。

しかし、戦争は起きなかった。
局面はその真逆に転じ金委員長とトランプ大統領の史上初の首脳会談という結果になった。

朝鮮半島の情勢は二転三転して前進、後退を繰り返している。

2020年11月3日にはアメリカ大統領選がある。
そこでどんな結果になるかによってはまた朝鮮半島情勢は変わるだろう。
朝鮮半島が平和的統一を成し遂げるにはまだまだ課題はあるが、今回の安倍晋三首相の辞任とアメリカ大統領選は左右される一つの要因になることは間違いない。

日本政府が「北朝鮮」に対して経済制裁を緩めない理由として拉致問題の解決が最優先という考えがあるが、安倍政権時に何か進展はあったのだろうか。
正直強靭な姿勢に固執しすぎて行き止り感のある政策にしか思えなかった。

2002年9月17日、日朝首脳会談をへて発表された「日朝平壌宣言」は日朝間に一つ大きな基準を作った歴史的快挙であった。
その時に一部の拉致が認められ、拉致問題が公になり、今にいたる。

日朝国交正常化をするためにも当時の「北朝鮮」も日本政府も長きに渡るイデオロギーの対立、歴史から生まれてくる憎悪心を乗り越え、なんとか歩み寄ろうとした結果、大きな一歩を踏み出せた。
しかし、「拉致問題」の衝撃がでかすぎたせいか、そこからは拉致問題の真の解決の一点張りが始まり、「北朝鮮」も日本政府に一切の譲歩も許さない姿勢に転じてしまった。

今までいろんな考えを述べてきたが情勢を良くするためには結局何が必要なのか。

それは「首脳会談」に他ならない。

国のトップが話し合わなければ何も前に進まないことはすでに歴史が証明している。

安倍政権は一度も「北朝鮮」との首脳会談を開催できなかった。
今朝鮮半島情勢に関わりのある国は韓国、「北朝鮮」、アメリカ、日本、ロシア、中国。
日本と「北朝鮮」はそれぞれ上記4国との首脳会談をしている。でも何故か日本と「北朝鮮」だけしていないのだ。

朝鮮半島情勢を考えたとき日本と「北朝鮮」の首脳会談の実現がもっとも進展を向かえる局面が今であると私は思う。

日本の新政権がどうなるのか。

ただでさえ、コロナで世界が暗い雰囲気になっているのだから、せめて近隣諸国達が信頼して協力していけるような、そんな世の中になってほしい。

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