【ネタバレ】Another エピソードSについて。【注意】

 もう何年か前か忘れてしまったけれど、アニメから出会って、学校の図書館で読み耽ったAnother。当時の私は見崎鳴という女の子に憧れ、そして今も憧れ続けている。まあ、色黒な時点で終わってるけど。それでも、彼女のどこかミステリアスな美しさに惹かれ、こうやって人知れずブログを書いているのかもしれない。

 端的に言って、このエピソードSというものは、あくまでAnotherの続編であるからこそ面白いわけで、ミステリーやホラーとしては二流だと思った。綾辻先生、本当にごめんなさい。私がこんな風に作品に対して批判してしまうのは、その作品が大好きだからでもあるのです。喰種然り、黒の契約者然り。この2つ、本当に大好きです。だからこそ批判します。

 エピソードSの語り手が見崎鳴という魅力的な存在であるからこそ、この作品は成り立っている。見知らぬ誰かがこの物語を語り始めたところで、「は?????」という感じだろう。彼女が死の色を見る人形の瞳を持っているからこそホラーとなる。彼女が言うのならば、幽霊もこの世に存在するのではないかと。そんな期待を読者に抱かせるのだ。だから、この作品は前作を読んでいないときちんと面白さを理解できないと私は考える。

 正直オチは事件が発生して幽霊として彼が語り始めるところからわかっていたし、恋についても、前作を読んでいればすぐに察することができた。ミステリーとしては本当に二流か三流だと思う。でも別に綾辻さんはミステリーとして読んで欲しいとは思っていないと私は感じた。(違っていたらゴメンナサイ)

 綾辻さんの作品は、他にフリークスしか読んだことがない。私自身、ミステリーを読むことがあまりなくて。コナンぐらい? でもあれはミステリーというかもはやコメディというか。金田一少年も好きです。あれはけっこう謎解き要素も難しめで。

 フリークスとAnotherはよく似ていると思った。Anotherについて書かれた記事を見たときに、「この人(綾辻さんを指します)、ホラーの方が得意なんじゃないか」という感じの文章を見たけれど、本当にそうじゃないかとエピソードSを読んで思った。世界観を創るのが超絶上手い。まさにホラー向き。まあ綾辻作品を2作品しか読んでいない私が言うのもなんですけれども。

 兎にも角にも、ミステリーとしてはあまり良いとはいえない(本当にすみません許してください)ストーリーに「Another」という世界観をくっつけることで見事な秀作になったと思う。あ、あくまでエピソードSのことですよ。前作のAnotherは腑に落ちない、納得できない点もありましたが、設定や世界観やら何やら本当にすごい作品だと思ってます。

 そしてこのエピソードSに最も意義を与えたのは、最後の部分だと思う。今回の準主人公ともいえる「想」くんが「赤沢」という家に、という部分。それが後に現在連載中(なんですかね? 綾辻さんのエイプリルフールネタでもうわかんなくなっています)のAnother 2001に繋がっていくわけですから。いや、本当に面白いな?!(半ギレ)

 夜見北3年3組の呪いを「超自然的自然現象」と呼ぶのも好きだ。呪いなら解けるはずですよね。でも解けない。もはや地震とか台風みたいなものなのかな。なんて迷惑な災害なんだ。

 2009で終わるらしいけれど、私は最初の作品が1998だったことに驚きを隠せない。そらスマートフォンないわな。PHSとか辛うじてわかるレベル。(2019年現在19歳) あとcdmaOneみたいなケータイ???が小学校にあって、先生同士で連絡していた気がする。遠い記憶すぎてもはやワカラナイ。同級生に聞いても「なにそれ??」という顔をしていたので、私も知ってるほうかな、と思います。みんなわからないです本当に。

 ところで、見崎鳴ちゃんと邪王真眼の持ち主の小鳥遊六花ちゃんが混ざる。大変どうでもいいですけれども。

 2009は、この現象が完全に終わるのかな。冥界にでも行くんですかね。(?) 本当に、ミサキだかマサキだかが死んでクラスメイトたちがやり出した行為のせいで3年3組が死に引き寄せられているのだとしたら、一体全体どうしたら終わるんだろう。災害はおさまる気配もないし。私のチンケな頭で考えてもわからない。私が烏滸がましくも2009を書くとしたら、ミサキ本人を死者として登場させるかもしれない。そして当時の担任だったあの先生が終止符を打つんじゃないかなって。見崎鳴はぜひとも、今後の災害を防ぐために最初から死者を指さしてほしい。本当に。初めて読んだとき、そう思った。それで万事解決ジャン、と。

 エピソードSを読み終わって感じたことは、切なさだった。わかりきった結末だったけれど、その年の死者であった少女と賢木さんの恋は切ない。でも、あれを見ていると死者って何処に行くんだろう、と思う。死者はきちんとした記憶も人格もあるし。あの災害で亡くなった人限定で、データ化でもされているのだろうか。GANTZ的な。あれ、トラウマだなぁ……

 2人が両想いだったのかはわからないけれど、もしも付き合っていたら、辛すぎる。卒業の瞬間、死者は消えるのだから。てか進学とかどうなるんだろう。受験は? あれ、エスカレータ式だったか?(曖昧な記憶)

 恐ろしいのが、Another1998の主人公のサカキくんの母親。もし三神センセじゃなくてお母さんが死者として蘇ったら。と思ったけれど、基本的に増えるのは生徒とかだからそれはないか。そう考えると、1998年は非常に特殊な年だったんだな、と。てか死者の親はどうなるんだろう。卒業後に子どもは実は死んでた、ということを思い出したら発狂しそうだ。多分、年齢も辻褄が合わないし……その辺真面目に考えない方がいいのかな。

 嗚呼、2001。気になる。図書館で野性時代(でしたっけ?)でも借りて読もうかな。真面目に。

 色々と脱線してしまいましたが、エピソードSは仮面ライダーでいうとディケイド的な作品(微妙に違う)でfate stay nightでいうロード・エルメロイII世の事件簿みたいな作品で進撃の巨人でいう悔いなき選択みたいな作品みたいな。多くのアニメで言う円盤についてくるOVAみたいな。つまりは、本編にはそんなに関係ないけれど、次に繋げるためのもの。読んでおくと面白いよ、みたいな。ロード・エルメロイII世はそれ自体で完結しているので、また違うような感じもしますけど。ディケイドも、平成初期をまとめたぜyeah!という作品なので……閑話休題(確か使い方違う気が)的な。なので、読んでおいて損はないかな、といった感じです。


 

 

 

 

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