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生雲隧道2

Asatteca

前回東側坑口を攻めて転進を余儀なくされた私。セーブポイントで車を拾い、現道の生雲トンネルを抜けて西側に出てきたぞ。

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地図のP地点に車を置き、徒歩で現道に沿って東へ進む。どこかで左に逸れていく旧道が見つかるだろうと思い歩いて行くと…。

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分かりやすうい!!

ここを左に入ってくれというあからさまなアピール。東口へつながる旧道もそうだったが、封鎖も注意書きもないのだな。あの東側の道の様子を見れば、理性のある人間なら何も言わずとも引き返すだろうということか。

ともかく、この据え膳をいただくとしよう。

旧道進入直後の様子。とりあえず⑤地点としておく。センターラインから草が生え出しているが、舗装も生きていて現役でも通用する状況。轍も鮮明だ。が、気になるのは、道路がこの先どこまで命脈を保っていられるか。

30m先。まだ行ける。まだ余裕。しかし先行きは心配だ。あれ細くなってるよね。細くなってない?

さらに40mほど進むと、いよいよこの道の命運も危うくなってきたことを感じる。2車線幅は1車線幅に。路外からの藪の侵食を受け、木の影も相まって暗くなってきた。
地図から消えた道でありながら、ここまでは快適に私を導いてくれた道だが、いよいよその時を迎えそうな気配が濃厚に感じられた。
今思えば、現役の道が廃道に至るまでのライフサイクルをグラデーションで見せてくれるとてもよい道だ。しかし現地の私はいつ東側の激藪が再現されるのかと戦々恐々していた。

あ、まずい。この先は…。

倒木!&絡みつく激藪!
どうやらこの道の命運は、倒木により唐突に断たれていたようだ。もともと先細っていたとはいえ、あんまりな最期だ。
というか、これは越えられるのか?私にはもう西口しかないんだぞ…。
ここを越えさえすれば、電柱が見えるあそこまで行ける気がする。大きく展望が開けるはずだ。まずは集中してここを越える方法を探すのだ。

ここの暗がりに可能性を感じる。覗き込んでみると、藪と蜘蛛の巣が行手を阻んではいるが、檻のように密集した固い枝は少ない。
ここから行くしかない!

行った。
潜り抜けた箇所を振り返って撮影した写真。この抜け道がなかったらどうなっていただろう。この倒木が今後撤去されることはあるのだろうか。もしないとすれば、私が通った抜け道もやがては塞がり、坑口への到達はさらに困難になってしまう。行政的にはそれで何の問題もないんだろうけど。

倒木を越えて先を見る。倒木前より路面の状況は悪いが、電柱までは行ける。電柱は道路があった証のようなものだ。この先に隧道があるのはもう間違いない。

あ?
なんじゃこら。丁字路になってら。私はこの写真の下方向から顔を出した。目の前の舗装路は左右に伸びている。左が隧道に通じているのはおそらく間違いないが、右は何だ。私はこれまで旧県道の本線を歩いていると思っていたが、この状況を見れば左右に伸びる道こそが本線のように見える。私が来たのは脇道であるかのような位置関係ではないか。
この丁字路交差点を⑥として簡単に図示すると、こんな状況。

よく分からんが、目の前の舗装された道が隧道とつながっていることは確かだろうから、焦るようなことはない。まずは、右側、つまり隧道と反対方向を確認してみる。

綺麗に舗装された道が15mばかり続いて…

なぜか未舗装となり、その10mほど先で…

突然死していた。
なんじゃこりゃ。まるで未成道じゃないか。こんなものがあるとは聞いてないよ。
私がさっき通ってきた旧道と思しき道とこの道との関係はどういうものなのか。目の前の藪の向こうを横切っているガードパイプ(写真中央の木の左右に見える)は何なのか。ますます分からん。が、とりあえずこれは課題として、先に進もう。いよいよ隧道方向へ!

分岐の⑥地点に戻って隧道方向を見る。
いよいよ来たな。もはや進路を遮るものはなし!
だが足元に気になるものが…。

これ、センターラインと進行方向指示の矢印だよね?右のオレンジの線がセンターラインなら、かなりしっかりした二車線道路だぞ。明らかに旧県道本線のスケール。そしてこの矢印に従って直進した先が、先ほどの突然死地点だ。何なん?
事前リサーチ段階では、この辺に隧道があるってことしか調べてないからな。やはり道路は自分自身の五感で向き合わなければ何も分からんね。
ともかく現地ではこれ以上調べる術もない。隧道に向かって進もう。回れ右!

古ぼけたスリップ注意の標識に山口県。間違いなくここは県道だった。

もはや用を成さなくなったデリニエータが草に埋もれて息苦しそうにしていた。1994年ころまで現役で稼働した道の遺構だ。

!!
隧道が見える。隧道が見えた。
遠回りしたがようやくたどり着いたのだ。

生雲隧道へようこそ。

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