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【短編小説】にゃんこライフ ~ネコノカタチノボク~ 第3話「星の痕、蓮と悠太」

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 ボクと蓮って、実は意外と共通点があるんだ。例えば、ボクの耳の後ろの模様が星の形に見えるんだけど、それ、蓮の耳にもあるんだよ!
「あれ、こんな場所に同じような痣がある」と蓮が興味津々に言った。ボクも一緒に鏡を見ながら、思わず耳を動かしてみた。
「俺たちは宇宙の星の痕を持っているんだよ」とか、「夜には星を見上げてお願いをすると叶うかもね」とか言い出すもんだから、蓮はちょっとヘンテコな飼い主だけど、それがまた魅力的なんだよね。
 ボクが蓮のそばにいると、いつも新しい発見や驚きがあって、ボクも一緒に異次元に連れて行かれちゃう感じがするんだ。

 蓮は時々、部屋に花を1輪だけ飾っているんだ。でもほんの1輪だけで、さりげなく飾ってあるんだよ。それを見てボクは思うんだ。「蓮、ちょっとオシャレなのかな?」って。
 ボクが匂いを嗅ぐと「これは今日の運勢を占うための花なんだよ」とか、「これは幸福を呼ぶ魔法の花なんだよ」とか、いろんな理由を教えてくれるんだ。
 ボクは花が好きで、興味津々に見ちゃうんだけど、蓮は優しくボクをなだめるんだよ。

 そんなある日、ボクは先住猫のチャコにちょっかいを出してしまったんだ。ボクは元気いっぱいで、ついついチャコと遊びたくなっちゃうんだけど、チャコはボクよりも年上でおおらかな性格の持ち主だった。チャコは優しい性格だけど、ボクがちょっとやりすぎると怒ることもあるんだ。

 ボクがチャコの尾にじゃれついてたら、ちょっと強く噛んでしまったようで、チャコはキュッと尾をふりほどいて、「シャーッ!」と威嚇してきたんだ。ボクはびっくりして後ずさりしちゃったよ。チャコの目は怒っていて、ボクはちょっと怖かったんだけど、蓮がチャコをなだめてくれて、チャコはすぐに落ち着いて、ボクを見てにやりと笑ったんだ。
 それから、ボクはチャコが怒っているときには近づかないように気をつけるようになったんだ。それでも、チャコはボクを叱ることなく、優しく諭してくれるんだ。ボクはチャコに怒られても、チャコのことが大好きで、尊敬してるんだ。

 チャコに怒られたのは、ボクにとってはちょっと反省する出来事でもあったけど、それをきっかけにチャコとの関係がさらに深まったんだ。
 ボクはチャコがボス猫であることを尊重し、チャコとの友情を大切にしているんだ。
 チャコはいつも優しく、ボクのペースに合わせてくれて、一緒に遊んでくれる。ボクが猫としての本能を呼び覚まし、自然な遊びを楽しめるようになったのは、チャコのおかげだと思うんだ。チャコとの時間は、ボクにとってはかけがえのない思い出で、蓮の家での日常がますます楽しくなってきたんだ。


次回、【短編小説】にゃんこライフ ~ネコノカタチノボク~ 投稿予定です。


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