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【短編小説】にゃんこライフ ~ネコノカタチノボク~ 第1話「ネコノカタチのボク」

 ボクの名前は悠太(ユウタ)。高校を卒業したばかりの18歳だ。卒業式の帰り、疲れと興奮が一気に押し寄せ、気を失ってしまったんだ。気がつくと、なんとボクは猫になっていた!

「にゃ~ん!?」

 驚きの声をあげた瞬間、自分が猫になったことに気づいた。まさか、こんなことが起こるなんて…。驚きと戸惑いで、猫の姿の自分を確認する。くろっぽい毛並みで、ふわふわの尾を持っている。自分の体が小さく、四つ足で歩くことに戸惑いながらも、なんとか歩いてみる。

 街中を歩いていると、道端で人間にすり寄っていく白猫を見かけた。ボクもあの猫を見習って、助けを求めるが、人間には通じない。しかも、他の猫たちからは舐められるし、怒られるしで、なかなか思うようにはいかない。

 ボクはあちこちで人懐っこく振る舞ってみたけど、どこに行ってもなかなか助けてもらえない。それどころか、時には嫌われて水をかけられたり、追いかけられたりすることもあった。猫の世界は思っていた以上に厳しいんだ。

 しばらく彷徨い歩いているうちに、ボクは空腹に襲われた。お腹がグーグーと鳴って、力も抜けてしまった。ボクは近くのゴミ箱を探して、何か食べられるものはないかと探し回った。すると、美味しそうな匂いが漂ってくる場所を発見!そのゴミ箱の中には残飯が捨てられていた。ボクはお腹を空かせてたので、ゴミ箱に顔を突っ込んで食べ始めた。

「にゃむにゃむ…うん、これはおいしいにゃ!」

 夢中になって食べていると、目の前に人間の足が現れた。ボクはびっくりして飛び出し、すっころんでしまった。

「おいおい、何してんだよ。こんなところでゴミあさりなんて。」

 声の主は男性で、ボクを見てにっこり笑った。

「おい、お前、大丈夫か?」

 男性はボクに手を差し伸べてくれたので、ボクは素直に抱えられ、彼の膝の上でくつろぐことにした。

「俺の名前は蓮(レン)だにゃ。お前は?」

「にゃ~(ボクの名前は悠太だ)」

 蓮はボクを優しく撫でてくれて、ボクは気持ちよく目を閉じた。

「おいおい、可愛いな。でも、お前、一人で生きていけるのか?」

 蓮の言葉にボクは考え込んだ。確かに、一人で生きていくのは大変そうだし、猫の世界は厳しい。ボクは蓮に甘えて、頭をすりすりと蓮の手に擦り付けた。

「分かった、お前を連れて帰るよ。でも、お前、ちゃんとトイレも我慢できるか?」

 蓮はニヤリと笑いながら言った。

 ボクは頷いて、蓮の家に連れて行かれることになった。


次回、「にゃんこライフ ~ネコノカタチノボク~ 第2話」投稿予定です。

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