きのう何食べた?の話がしたい
ここまで有名だと説明はいらないですかね。
『きのう何食べた?』(著:よしながふみ)
『きのう何食べた?』と『マリーマリーマリー』置いておけば結婚率上がるんじゃないかと思います。
基本的に誰かと暮らすことのハードルがめちゃくちゃ高い人間なのですが、この漫画を読むと、他人と生きる選択もいいなと純粋に思えるんですよね。
安心して読めるのは、シロさんもケンジも聖人ではないからかもしれません。長く生きていればいろいろある。聖人君子の2人が運命的に出会って…だと共感もなにも無かったと思うんですよね。ちょっとの偶然と努力。過去のちょっと後ろめたいこと、打算的になってしまうこと。そういうところもあるけど、うまいことやっていく。
特に最初の方の、ケンジが自分のお客さんにシロさんとのことを勝手に話してしまったことでケンカになる回。ケンジがシロさんに、店長は家族の話をお客さんにするのに、どうして自分はダメなのかを訴えるのですが、シロさん結局言葉に詰まって夕飯作り始めるんですよね。でもご飯ができれば2人で向き合って食べる。それで終わり。
ある意味なにも解決はしてないんですけど、そうやってうまくやりすごしていくのも許していかないと苦しくなると思うんですよね。
すべてに白黒決着をつけなくていい。
私は制裁系があまり好きじゃなくて。あの泳がす時間が嫌いなんですよね。スカッととか。
すぐブン殴って終わらせてほしい。
というか裁ける人なんてどれほどいるんだろうと思ってしまう。
あと漫画や小説の影響を受けやすいたちなので、『きのう何食べた?』読んだあとの料理は完全にシロさんみたいに心の中であれこれ言いながら作ってますね。
シロさんは段取り上手なので、自分もそうなった気がして気分がいいです(実際の状況は不明)。
あと巻が進むにつれて、ケンジみたいになれたらいいなと思うようになりました。
自然と他者を気遣えるところがすごい。シロさんも言ってましたけど、サラッと相手が負担にならないくらいの気遣いができるのすごいですよね。
あと仲直りの仕方を教えてくれたこと、大事なことをきちんと伝えてくれるところ。私が人と生きていくのに足りないたくさんのものをケンジは持ってる。
私もケンジみたいになりたいなあ。
周りの人たちもおもしろいですよね。
ゴシップ大好きなタブチくんとか。欲望に忠実で見てて気持ちがいいぜタブチくん!
成金のジルベールも好き。初期に比べるとだいぶ丸くなりましたね(勿論、性格が)。キャラの好きなところ挙げていったらキリがない。
ドラマも始まる前は「シロさんハマり役!」と思ってたんですけど、始まったらそれを超えるケンジ!
ケンジが!存在している!
長く続いてほしいし、読み返して安心する作品です。
他の漫画の話はこちら↓
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?