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塾業界はやばい奴らばっかだったらしい

塾業界の歴史が案外面白かった

2019年11月29日なんですが、公益社団法人全国学習塾協会のセミナーに参加してきたんです。理事であるウェイ系塾長「さくら個別指導学院」の國立先生からお声がけをいただきました。(ぜんぜんウェイ系じゃないですよ。器が大きい先生です。)ありがとうございます。褒めてもなにもでませんよね、ドラクエウォークのお土産待ってます。

この公益社団法人全国学習塾協会のセミナーでその歴史を聞いたんですが、個人的に面白いと思ったのは、昔の学習塾はもうとにかくめちゃくちゃで色々クレームも来て、その結果、国が「ふざけるな、お前らの業界、潰してやる」と規制をかけようとしたという歴史があったということなんです。

その名残で、特商法に塾が入っているわけです。塾のみなさんは研修などでやられていると思いますが、一括払いの支払い方法がある塾では恐怖でしかないあの「特商法」はその名残なわけです。

いまでこそ、塾は社会的な立ち位置がある程度あるけれど、昔はそうじゃなかった。塾というのは、公教育から見たら、免許も資格もいらないサービス業、だったわけです。教育業なんて大層なものじゃない、サービス業という括りだったんです。わかりにくいですよね。

イメージとしては、
「理学療法士」という職業

街にぽつんとあるなんだか怪しい妙にピンクとか紫色とかの看板が多いマッサージ店の「店員」
ぐらい違ったわけです。

医療じゃねーよ、サービス業だよ、っていう感じですね。

塾=社会不適合者の集まり

で、ほっといても勝手に雨後の筍のようにポコポコできるんですが、塾ではいろいろ事件も起きたりするわけです。犯罪系じゃなくても、授業料返さないとか、めっちゃ高い教材売りつけるとかいろいろやらかしていたわけです。なぜでしょうか。

塾というのは、最初の投資額が非常に少なくて済むので、脱サラしやすいんです。よい子のみんなには憶えておいてほしいんですが、基本的に、最初にお金のかからないビジネスはライバルが多いです。

そりゃそうですよね。参入障壁って言うんですけど、低ければ低いほど、やりやすいですし、起業しようとお金をためていなくてもできてしまいます。そう、当然、ヤバい人の数も多くなるわけです。

なんなら初期においては社会不適合者の集まりみたいなイメージの時代もあったそうです。社会的にアウトな人が塾作って、先生とかってに呼ばれる。そもそも社会のルールが守れないヤバい奴らばっかりだから、トラブルめっちゃ起こす…そんな時代があったそうで、いまの老舗の塾はその荒波を乗り切って来られた塾なわけですね。そんな時代に老舗の塾が頑張ってくれたので、現在の社会的な立場があるわけです。まじ、尊い。

国がキレて業界に自浄作用を求めた!

話をもどします。ここまでのお話は一言でいうと、塾にはおかしな奴らばっかだ、みたいな時代がかつてあったということです。昔の話です、そんな目で私をみないでください。

で、

「このままだと規制かけるぞ、いいのか、免許制にすっぞ、カリキュラムもこっちできめっぞ!?自由な教育表現できなくなるぞ?」と国に詰められて作ったのが、公益社団法人 全国学習塾協会だそうです。ここのお仕事は、THE 塾業界の自浄作用。

「規制をかけられたくなかったら、塾業界のルールを作って守らせろ」
「はい、わかりました、守らせます」

というもの。
言うなれば、塾業界最後の良心です。

最近盛り上がったのは、この塾の合格実績水増し問題へのアプローチ。各予備校の合格者足したら、大学の入学者の何倍にもなる問題ですよね。これにメスを入れる提言をこの全国学習塾協会が発信したわけです。

 全国学習塾協会は2019年2月25日、「合格実績」に関する自主基準の改正について、全国の塾事業者へ周知した。合格実績に含むことのできる塾生徒の範囲を「受験直前の6か月のうち、継続的に3か月以上在籍し、かつ受講時間数が30時間を超える」と規定した。

これを根拠に、ネットではいきって大手予備校を批判している「ネットで物申すマン」がいらっしゃいましたけど、いやまて、と。その塾は全国学習塾協会に入っているのか、と。その辺のエビデンスを抑えないと、批判することはできないわけです。逆に言えば、この協会に入っている塾の合格実績は信用することができる、ということです。(多分)

塾排除の動きがあれば、「いや、うちら、めっちゃちゃんとやってますやん」「学校さん、こまってはるでしょ、ぼくらできること手伝いますよ!」と塾業界を守り、ブラックバイト問題のときも厚労省やユニオンと協議して、問題解決にあたったり。

圧力団体ではないって。

これだけ書くと塾の圧力団体みたいに感じる人がいるかも知れませんが、そうではなくて、塾生以外の子どもみんながよりよい教育環境がえられるようにと活動している団体だと言うことがわかりました。また、ちゃんとやってます、とアピールして塾業界のイメージアップを頑張ってきたということもわかりました。感謝しか無いです。

ちなみに、私は、全国学習塾協会に加盟しておりません。

てっきりステマ記事だとおもったでしょ。違うんよ、私が経営者として参画している法人が二つあるので、どちらがより社会に貢献できるかと考えあぐねているのです。いやほんとよ、ほんとだってばよ!

ちなみに韓国ではこないだまで塾は禁止されていました。中国はこないだ模試を廃止させました。学校以上の内容を教えるのを禁止しました。と、自由な教育表現は当たり前ではないんですね。

当たり前ではないから有り難い。

感謝を忘れない人間に私はなりたい。でも、SNSの投稿の語尾すべてに感謝をつけるような人にはなりたくない。読んでくれたあなたに感謝!素晴らしいシステムを作ってくれたnote運営に感謝!ご飯に感謝!時計を作ってくれた人に感謝!

圧倒的、感謝!

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