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煌めき舞踊る書 竹内朱莉書道個展「煌々舞踊」

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ご本人が目標に掲げ、ファンが熱望していた竹内朱莉さんの初の書道個展「煌々舞踊(こうこうぶよう)」へ行ってきました!!

初見はじっくりゆっくり見たいと思い、開催直後の週末は避け月曜の前売りをゲット。
FC枠で1枠を取ったものの「1枠で足りるか?」と、一般販売で同日のチケットを追加しました。結果、追加して良かった!!ずっと見ていられる!!
後日、さらに2回来場。計4枠分、鑑賞してきました。

入場時間20分ぐらい前に到着。
会場である聖徳記念絵画館は重厚で伝統を感じさせる佇まいで趣がありまくり。なので写真撮影したり、ぼーっと建物を眺めているだけで充分楽しめました。


日陰を求めて避難した先に、日本とロシアの国境を標示するための「樺太国境画定標石」がひっそりと置かれていて歴史を感じたり。
(写真は撮り忘れ)
(聖徳記念絵画館向かって左側の駐車スペース後ろの茂みにあります)


入場列が作られる入口の看板。
高まる~!!

入場してすぐの受付テーブルには「ホリケンのみんなともだち」さんからのお花。メッセージボードを挟むように堂島孝平さんとラジオ日本さんからのお花がありました。

堂島さんのお花にユリがあるのでとても良い香りがするエントランス。高まる~

展示スペースの入口は少し狭くて混んでいたので、スタスタと奥へ進みました。
こういった展示会は順路を追って見ていく楽しみもあると思いますが、煌々舞踊はどのブースから見ても楽しめました。
かといって各ブースに繋がりがない訳ではなく、どれもが全て繋がっていて、竹内朱莉さんという存在を中心とした大きな愛でまとめられた空間になっています。

アンジュルムの楽曲が流れ、ご本人の歌声を聴きながら書を鑑賞する。そこかしこに竹内さんの気配があって、来場されている人もほとんどが竹内さんを好きな人ばかり。マナー良く静かに鑑賞されている方が多かったです。



幼少期からの書の歴史


幼少期の書。毛筆と硬筆がありました。

数々の書や展示されているものからご家族の深い愛が伝わりました。
こんなに綺麗に保管されていたなんて!!
しかも毛筆硬筆を始めたばかりの頃から!!
ちょっとこれはスゴイ…。同じ親として尊敬します。
(幼稚園や学校で作ってきた作品はほぼ残っていない)

個人的には、月謝袋? 出席のシールが貼られているものなのかな? その封筒のような袋に感動しました。
作品だけでなく、ああいったものも綺麗に保管されている。竹内さんがご家族に、お母さまに深く愛され大切にされてきたのか伝わりました。

話題になっていた「へんじは『はい』  あかり」の書はとてもとてもかわいらしい。
あれもグッズにしてほしい。全国の小学校の壁に貼りましょう!!

中三の書「輝く彩の国」が、今の作風の芽生えを感じさせる。力強い!!

そして、現在のオリジナリティはしっかりとした基礎が土台にあるのだとわかる臨書。( 蘭亭序らしい)(さりげなく展示されているがこちらもすごい)(静かな迫力)



煌めき踊る書


幼少期からの書の反対側の壁には現在の書。
コーナータイトルは「煌舞の私」 この個展に向けての新作と思われる数々。
ファンには見慣れている書体から、新鮮に感じる書体もあって、そららの違いを感じたりその書体になった理由を想像しながら見るのも楽しい。

書の個展鑑賞は初めて。
学生の頃にやっていたお手本を書き写す習字のイメージしかなかったけれど、竹内さんの書はもっと自由で生命力にあふれている。
習字というデッサンを経て、書道で己を解放して表現するんだな。

竹内朱莉さんを通して表現される多くの字から、竹内さん自身の人柄や想いが伝わってくる。その情報量の多さと熱量に圧倒される。

字の造形としての美、文字が持つ意味、そしてそれを書く竹内さんの表現。
一枚の書が語りかけてくるものと、私が勝手に解釈して読み取るものとで脳内がどんどん膨れ上がっていく。

購入応募一番人気の「龍」は、なるほどの存在感。

最後のハネが龍の長い尾のように雄大に踊る。
直筆を見て驚くのは、その最後のハネの奥行。
巨大な龍の尾が遠くかすむように、墨をかすれさせ長く引いたハネがなぜか最初に書かれた線の奥へ伸びるように見える不思議。

グッズに色紙があったので購入しました。額装して飾った!! 存在感がすげぇ!!
#煌々舞踊飾ってみた


「挑戦」の意志。
今まで数々の場面で、この一度に全力を出し切ろうと後輩達を鼓舞しながら輝きを放っていたステージを思い出す。

「舞」のしなやかさと伸びる軸足のような最後の一画。

「永遠」の書体も好き。目を引く。
どんな想いでこの字になったのか聞きたい。
眩さを閉じ込めた憧憬を感じました。例えるならアンジュルムの海、遊園地。


推しのアイドルが書道家になるとはこういうことか。
一文字一文字に対して、鑑賞するオタクにも重ねる物語がある。



個展タイトルでもある「煌々舞踊」


図録にて、コーナータイトル「BLUE 蒼」とあった3枚の書は、青みがかった墨で書かれていました。
夜空の藍のような、深い海の青のような、底知れぬ奥へ引き込まれる美しさ。

(気になったので青い墨についてスタッフさんに質問してみました)


会場の真ん中に鎮座する、煌々舞踊代表の書でもある大きな「愛」

大きなキャンバスに大きな筆で「愛」を書いている動画が会場でも流れていました。
フライヤーと同じ黒の衣装、白いキャンバスの反射、当てられた照明。
黒い衣装と白い肌のコントラストが眩しい。

いつものように紙(キャンバス)を見つめてイメージを高めながら筆を整える仕草は、張り詰めた緊張ではなく、見るものを拒絶しない軽やかな空気。けれど、そこには確かな集中がある。

竹内さんが緊迫した空気を放つのは一画目を落とす寸前の一瞬。

たっぷり墨を含ませた集中の一画目を落とすと、そこからは踊るように歌うように最後の一画まで。
身のこなしの音楽、筆の運びのリズム、凛とした、けれどどこか楽しげなまなざしの集中、ただただ美しい横顔。

今後、「元アイドルの書道家」という肩書で語られることになる。
それはきっと目を引くための看板ではなく、言葉以上の説得力を持ち、新たな意味付けもすることになるのだと思う。


これが、竹内朱莉というアイドルだった。
そしてアンジュルムである


過去から現在、そして未来へと時間は流れるけれど、逆に現在から過去へさかのぼれば、その人が積み上げてきた地層が見える。
これから先、どの時代であっても、竹内朱莉さんがアンジュルムであったこと、アイドルであったことは彼女の源になるのだと思う。
そんな生き方をしてきたと伝わる書であり、書く姿だと、映像を見ながら感じていました。

もし私がアンジュルムの竹内さんと出会う前に彼女の書道パフォーマンスを見たなら、そしてこの人が元アイドルだったと知ったなら、この人の歌を聞いてみたい、踊っている姿を見てみたい。そう感じると思う。
そして、アンジュルムという存在にたちまち引き込まれ、その果てにアイドルという存在の奥深さと多彩な充実を目の当たりにして驚くに違いない。

だからまぁつまり、卒業しても歌は続けてくださるとうれしいなぁ。
ほら、ソロ曲もできるので。

竹内朱莉さんにとって、書道と歌とダンスは対極なものではないと思います。
そして、そんな風にそれらを近しいものにしてしまえるのは竹内朱莉さんだからこそで、他に類を見ない。唯一無二です。



スマイレージ&アンジュルム


アンジュルムのコーナーはメンバーをイメージした書。
それぞれの熟語とメンバーのイメージが重なる。

(このポストカードセット、買わせてくれ……)



竹内さんから見る後輩達はこんな風に見えているのか。後輩達はこんな姿を竹内さんに見せているのか。アンジュルムの間だけで交わされる触れ合いのかけらを見せてもらっている気分。

後輩達の字はどれも墨が艶やかでやわらかな線で書かれていた。
竹内さんが後輩達を見つめるまなざしのようなあたたかさ。


書がこんなにも雄弁に語るものだと初めて知った。

愛があった。愛しかなかった。

書道という表現でも変わらない。
竹内朱莉さんは竹内朱莉さんだった。

後輩達へ贈る書のやわらかさと比べて、自身を表す「最強」は力強い筆致と勢いのある墨の掠れ。そうですね、あなたは「最強」です!!



アンジュルムコーナーの対面の壁には誕生花のコーナーが。
一番広く壁を使っての展示。

入場してすぐから始まる4枚の書
そこから
5枚 → 3枚 → 1枚 → 1枚 → 2枚 → 2枚 → 1枚 → 3枚 → 1枚
と続く。
この規則性とプレートに記された日付、誕生花というキーワードから、わかる人には伝わる仕掛けの書。

気付いてしまったら、新たな感情の泉が湧き出してあふれてしまいそうになる。スマイレージ・アンジュルムの系譜。

額装された台紙の色、いくつかの誕生花から選ばれた花の名、書体の違い。
ここでも竹内さんの大きな愛を感じると共に、この年表とも言える書の全てと関わってきた人なのだということに改めて気付いた。

竹内朱莉さんだからこそ生み出せた書。
過去と未来を、人と人を繋げる、かすがいのような人だ。それはきっとこれからも。

この23枚をひとつの作品として見てみたかったな。

後ろに下がっても別の壁にさえぎられてしまってそれは叶わなかった。

それだけ多くの作品を生み出し、可能な限り展示してくれた結果とも言える。本当にありがとうございます。



煌々舞踊の始まりの書と終わりの書


冒頭で、入口付近が混んでいたのでそこを飛ばしていきなり奥へ進んだと書きました。順路はありませんが、レイアウトされた意図とは違う鑑賞だったと思います。

後から構成の妙にうなりました。
こういった物語にも弱いオタク。
すぐ、流れとか文脈とか、行間を勝手に読みたがる。

その書に目を止めたのは、ぐるっと一回りして、撮影可の書をカメラに収め、気持ちにも余裕が出て、鑑賞する人が少なくなってきた頃だったと思います。

撮影可だった「煌々舞踊」の書の隣、出口の横にその書はありました。

「有終完美」

会場の構造上仕方なかったと思いますが、その「有終完美」は「煌々舞踊」が飾られた壁より奥まった出口横の柱に飾られていました。
けれど、それもきっと演出なのだと感じるほどに、その書は静かに美しくたたずんでいました。

厄介オタクは、すぐ妄想しては色々と結び付けてしまいます。

有終完美【ゆうしゅうかんび】

終わりを全うし、成果が立派で美しいこと。
物事は終わりが大事、何事も最後に有りという意味。
日本では「有終の美」という。

出典:『書経』説命。
同義:有終の美を飾る。画龍点睛。善始善終。

『四字熟語の辞典』

アンジュルム在籍中に開催される初の個展。
その個展のラストを飾るという意味とは別に、現役アイドルとしてグループ卒業を控えた時期に発表されるこの四文字熟語はなかなか胸に迫るものがありました。

とても静かで凛とした美しい書でした。

一文字一文字が持つ意味を、それらが集まり熟語になった意味を、竹内朱莉さんが噛みしめ、飲み込んで、竹内さんを通して書という表現で形にするとこうなるのか。

特に「完」の字の美しさと意志の強さに引き付けられ、しばらくその場から動けませんでした。


※「有終完美」を始め、前半展示の全てが煌々舞踊の図録で確認できます。
要チェキ!!


初見の日は、時間ギリギリまでこの書を見て会場を出ました。(そして、グッズの図録、ポストカードセット、色紙の一部が売り切れで買えず)(無念)



2回目の入場では、どこにどの書があるのか、どういった仕掛けがあるのか、それらを把握した状態だったので、書の一枚一枚と向き合って鑑賞していました。
そういった慣れもあったので、またしても入場後は混雑を避け、いきなり奥へ進むという合理主義を発揮。

やはり「有終完美」は素晴らしいなと鑑賞しながら、ふと「じゃぁ、最初の書はなんだったっけ?」と入口へ戻りました。

そこにあったのがあの大作です。

「大器晩成」

(墨まみれ公式さん、たくさんの告知ありがとうございました!)

展示された中で恐らく一番大きい書。あの「愛」よりも。
高さは天井に届きそうなぐらいです。

この作品は今回の個展のために制作されたものではなく、中島卓偉さんの『大器晩成』MVに登場したものだそう。(サムネの卓偉さんの後ろセンターにある書ですね)
つまり4年ほど前の作品。


画像で伝わりますか?
これ、実際見るとものすごい迫力でした。
大きさ故のものではなく、迫力と熱量による圧がすごかった。
とにかく生命力にあふれている。

アンジュルムファンがイメージする「大器晩成」と、一般的な「大器晩成」では受け取る意味が違うと思います。
これは、アンジュルムの竹内朱莉さんだからこその「大器晩成」

大器晩成なんてひっくり返せ、今、掴みたい

アンジュルムの「大器晩成」という曲を知っているゆえに感じられるこの胸のざわめきと熱さ。
なんてエモいレイアウトなんだ。

曲のMVを彩るものとして書かれた数年前の作品が、自身の初めての個展の最初を飾る。これもまた竹内朱莉さんの歴史。

こちらの書も、誕生花が飾られた壁よりも奥になる柱に飾られていました。
入場して振り返らないと気付かない書。しかも隣にある誕生花コーナーのインパクトが大きいからそちらへ視線が吸い寄せられる罠(苦笑)

決して目立つ場所ではありませんでしたが、やはりその大きさと迫力で存在感はすごかったです。(作品購入価格が最高値らしいのも納得)


最後に完成させた書は、プレオープンの取材現場にて書きあげた「縁」

多くの人との「縁」があって今があると語る。それもまた竹内朱莉さんの歴史であり人となり。

大器晩成で始まり 有終完美で終わる

スマイレージ&アンジュルムから 書道家へ

竹内朱莉さんの歩みと歴史

煌々舞踊、素晴らしい構成でした。



煌々舞踊を鑑賞して


アンジュルムの竹内さんを知るファンは、より多くのものを受け取れる個展だったのではないでしょうか。

アンジュルムとしての今だからこその書、卒業を控えて過去を振り返り未来へ繋げる書、そして書道家としての決意と本気をぶつけた書。
全ての書が「竹内朱莉さんという存在」を示していた。

誰かを想い書いた字はやわらかくあたたかな筆の流れ、自身の感情と技量を注ぎ込んで書いた字は力強く勢いがあって、時に軽やか。

その振り幅の大きさがまさしく竹内朱莉さんの魅力であり、私はその振り幅と同調するように感情が揺さぶられていました。
受け取るものが多すぎて脳がパンク。初見の日は帰りの電車から頭痛でした。

今回展示されていた書は購入可能なものは全て応募があり完売したそうです。
予告されている地方展示は新作になるそう。
今後も展示作品は図録やグッズになって画像でも見れると思いますが、可能ならば直筆を見ることを強くおススメします。情報量が段違いです。

キリキリと張り詰めた弦から放たれる弓のような一画目の集中と濃さ、飛び散る墨、勢いがあり時にまろやかな筆の流れ、それらがありありと見えます。

まるで竹内さんの鼓動と息遣いも聞こえるような生の輝きを感じられる。

決してお手頃とは言い難い値の作品たちが完売となったのも、直筆の迫力と情熱、想いが鑑賞者へ伝わったからだと思います。
完売、おめでとうございました!!

次回の地方展示も、とてもとても楽しみです!!!





(実は、とある書とご縁がありました…)
(ホントにわが家へいらっしゃるの?? ドキドキドキ……)


なんと、竹内朱莉正師範が自ら抽選していたーーーーー!!!!!
私を引き当ててくださっている…… マジで……?? ウソでしょ……??


大事にします!!!!!

BIG LOVE!!!





※ 開催されてみれば、びっくりするぐらいご本人が会場へいらっしゃって在廊されていました。しかし私は一度も遭遇できず。
きっと在廊されていてもお話はできなかったと思いますが、竹内さんのこだわりや各書のエピソードなどは聞いてみたかったな。
(その代わりにスタッフさんに質問して丁寧にお答えいただきました。ありがとうございました!!)

なので、ご本人解説の音声ガイドをぜひ!!!

竹内さんのおしゃべりを聴きながら鑑賞できたら幸せすぎる!!
在廊されていない日でも竹内さんを身近に感じられて絶対嬉しいです!!
ご検討いただければ幸いです。




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