見出し画像

ドリーミング・アップ!公演最終日をめぐる回想②

*続きです。①から順番にお読みください。

合格発表後、合格祝いということですぐに私は親と2泊3日のお泊りディズニーに向かった。それに、宿泊先は豪華にホテルミラコスタのテラスルーム(ハーバーグランドビュー)である。スケジュールに無理はあった。だけれど、もしあの時無理をして行かなかったら、私は一生後悔していたと思う。

それは無論、この頃が35周年のグランドフィナーレという貴重な時期であることはもちろんだが、35周年終了後すぐに、ミッキーマウスとミニーマウスのフェイスデザインが一気に変更されるというとんでもない事態になったからだ。この旅行は変更されるギリギリの時期だった。そして何より私はミキミニ推しであった。だからこそ、本当にあの時行って良かったと今でも強く思う。なんせ、人生を変えてくれたミッキーマウスに直接お礼を言うことが出来たのだから。

今のミッキーがどうだとかを言うつもりは一切ない。彼は何も、生まれ変わったに過ぎないのだから。
だけれども、私を地獄の時期から連れ出してくれたミッキーは、あの頃のミッキーだった。

勿論、ドリーミング・アップ!の停止バージョンも、しっかりとこの目で見納めた。停止バージョンは最高の一言だった。勿論、「セレブレーション・ストリート」の喧騒感も、「ハロー、ニューヨーク!」も、「レッツ・パーティグラ!」も、「セレブレイト!東京ディズニーランド」も…。あの頃の祝祭感あふれるパークを思い返すと、今でもノスタルジックな気分になる。

ホテルミラコスタのラウンジにも初めて入った。周りはマダムだらけで、中学校を卒業したての自分には圧倒的場違い感があって気まずかったけれど、キャストさんと沢山お話が出来て嬉しかった。
笑顔が素敵ですね、いつかここで一緒に働きましょう、と言われたのを今でも覚えている。その夢は、あれから4年経った今でも、ひそかに追い続けている。

しかしながら、私はDオタ歴1年にして、東京ディズニーリゾート史に残る、Dオタにとっては悪夢な出来事に遭遇する羽目になった。そう、先述したキャラクターデザインの変更である。

35周年翌日、その日の各ショーパレの初回が始まる度、凶報がD界隈を流れた。結局、FTW以外は全部一括変更。あの頃の私は、またディズニーがなかったころの自分に戻されたかのような絶望感を味わっていた。

そんなこんなでディズニーに行く足が遠のくと思われたものの、何だかんだディズニーに行く機会に恵まれ、結局何度か足を運ぶことになった。ミッキー、ミニーのデザインは変わったけれど、ディズニーは他に何一つ変わっていなかった。相変わらずゲスト、キャストみんなが笑顔で、ハピネスに満ち溢れていた。それが何よりも嬉しかった。「ここを好きでいて良いんだ」と心から思えたから。

高校時代はなんだかんだ充実していた。勉強は思うように行かなくて苦戦したけれど、ディズニー好きの仲間に出会えたし、なにより部活が楽しかった。今までのブラック部活ではなく、努力したいと思えるような部活であったから。同期とは今でも定期的に集まる仲である。

ただ、新型コロナウイルスが全てをぶち壊した。ディズニーもそうだけれど、部活への影響がめちゃくちゃでかかった。私は全力で努力して、部長にまで成り上がったのに、高体連が中止になる始末である。実力が評価され国体にも選ばれていたけれど、「お偉いさんたち」はそんな子どもの事情は知らず、国体まで中止にしてくれた。修学旅行が無くなったことよりも、マスク着用義務によってみんなの顔がみれなくなったことよりも、何よりも悲しかった。顧問の先生に中止宣告をされて、部活のみんなの前では機嫌が悪い感じで振舞っていたけれど、家に帰ってから一人で夜通し泣いたことは、恥ずかしくて部活のみんなには秘密にしている。

受験期はそんな絶望の中迎えた。ちなみに高校受験同様、しっかり人間関係のトラブルにも巻き込まれた。内容がセンシティブだから詳細は省くけれど、これまでの人生で辛かった出来事ランキングの5本指には入る。

そうした中で、私はディズニーに希望を見出した。高校受験と同様に。
特に「ドリーミング・アップ!」にはお世話になった。英語歌詞すら暗記する始末である。とにかく、夢を見ることーそれは当時の自分にとっては「絶望の中でも希望を見出す」という意味に拡大解釈されていたがーの素晴らしさ、大切さを訴えるそのメッセージ性は、当時の自分にとって救いでしかなかった。
特に、フェアリーゴッドマザーの、


"みなさん、ごきげんよう。
みなさんは夢を信じるかしら?
どんな夢も願いから始まるの。
強く願えば夢はきっと、叶うわ。"


というセリフを、ずっと信じて勉強し続けた。

大学受験もまた志望校を、ずっと模試でE判定の、自分にとっては不可能に近いところを選んだ。当然、友人には馬鹿にされる。もはや受験期お決まりのイベントなのだろうか。

それでも、夢の力は恐ろしい。どんなことでも、強く願っていると、なぜかできると思わせてくれる。そして、いつのまにかその夢を叶えてしまう。

そう、私は第一志望校に合格した。ほんとに今でも意味が分からない。こうして振り返ると、どれだけディズニーに助けられているんだ私は…。

次回の回想では、いよいよ最終日を迎えた2023年4月9日、私があの日、あの場所で、何を経験し、何を想ったのかを1から書いていこうと思う。

続き↓



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?