外向型/内向型人間それぞれのメリット・デメリット
世間では何かと、内向型人間を一括りに「生きづらい」としがちだ。
しかし、実際には外向型/内向型人間それぞれにメリットとデメリットがあり、一概にどちらが人生有利か等を論じることは出来ないだろう。
これは強がりでも何でもなく、現に私は人生で「外向型人間」であった時期と、「内向型人間」であった時期の双方を経験している。
流行りのMBTIで言えば、私は今はINFJで、ゴリゴリの内向型人間ではあるのだが、実は高校の時のMBTI診断結果はENFJだった。
そんな「外向型」と「内向型」それぞれのメリット・デメリットについて実体験を交えながら解説したい。
性格など簡単に変えられるものではないし、変えようとする試み自体推奨できないが、適材適所の観点で何らかの参考にして下さると嬉しい。
外向型人間のメリット
①単純に人生が充実する
外向型人間は、人生が充実しやすい。
交友関係が広いのは勿論だが、好奇心旺盛で人間関係に限らずあらゆる領域でコンフォートゾーンを広げられる為、生活がマンネリ化しにくい。
簡単に言えば、受容する刺激の量が多いのだ。
イベントに参加したり、新しいコミュニティに顔を出したり、思わぬ出会いで面白い学びがあったり…と、所謂「青春」を謳歌できる。
私自身が外向型人間だった高校時代を振り返ってみても、本当に充実したかけがえのない「青春」だったと思う。正直、あの3年間を超える充実度をこれから作り出す自信はあまりない。
②思わぬ出会いにより成長できる
外向型人間は出会いの数も多く、成長の機会に恵まれる。
これは意図して作り出すのではなく、単に相手の常識が、自分の常識とかけ離れている時に生じるのである。
例えば、高校時代、めちゃくちゃお調子者なのに異様に頭が良かった人がいた。
正直、当初は「あー才能が違うのね、良いよな地頭いい人は」等と、卑屈になっていた側面もあったと思う。
しかし、仲良くなっていくうちにその頭の良さの裏側に隠された尋常ではない努力量を知ることになり、「自分も可能な限り頑張ってみよう」と、内面を成長させることが出来た。
この例が示すように、単純に出会いの数が多いことは成長できる機会に恵まれると言えるだろう。
③困っている時に助けてもらいやすい
人脈が広ければ、困っている時にも何かと助けてもらいやすい。
この手の話でよくある話が、大学で内向型人間が一生懸命テスト勉強している中、外向型人間が人脈を駆使して過去問を手に入れ、コスパ良く単位を取得するあの縮図である。
自分ひとりでは限界なことでも、他人の力を借りることで突破できる場面は何かと多いのである。
例えば私が高校時代に部活動で悩みがあった時には、すぐに数人が自然と集まり、議論を交わすことで悩みが解消された、なんてことがあった。
外向型人間の頃の私は、常に周囲の人がサポートしてくれた状況であったと思う。当時の人たちにはめちゃくちゃ感謝している。
外向型人間のデメリット
①人間関係のトラブルに巻き込まれやすい
単純に交友関係が広い分、人間関係のトラブルに巻き込まれやすい。
私は高校は民度の高い環境だったのでまだ良かったのだが、もし派閥やイジメなど陰湿な環境だった場合にはその影響を強く受けざるを得なかったと思う。
私の性格上今も昔も相談事を引き受けることが多いが、内向型人間の悩みが「進路」や「容姿」など自分に関する話題が多い一方で、外向型人間の悩みはやはり誰かとトラブルになったとか、恋愛関係でやらかしたとか、そういう人間関係の悩みが多い印象である。
酷い場合、SNSで複数人に暴言を書かれまくった等、私なら耐えられそうもない状況に陥っているものもあった。
人はそれぞれ自分の正義を抱えて生きている以上、どこかしらで衝突が生じるものだが、その機会が断然に多い外向型人間は苦労する側面があるだろう。
②周囲に足を引っ張られやすい
人間関係のトラブルがなかったとしても、人脈が広いと周囲に足を引っ張られやすくもなる。
「周りの5人の平均があなた」なんて言葉は有名だが、実際周囲の人から受ける影響は馬鹿にならない。
大学で言えば、外向型人間の新入生が、悪い連中とつるんだことで酒女タバコギャンブルにハマってしまった、なんて話はよくあるだろう。
そんな極端な例ではなくても、自分と周囲とで目指す方向性にズレがあった場合、人脈の広さは足枷になりかねない。
付き合う人を選ばないと、人生設計が思いっきり狂うので注意が必要だ。
③地雷を踏むことがある
外向型人間は好奇心旺盛なため、あまり吟味せずに行動に移しがちである。
最近はやれ行動しろ行動しろと煩い世の中だが、人生にはとってはいけない「禁忌肢」が存在する。一概に行動力のみを評価するのはどうかとは思う。
人生の「禁忌肢」とは、どう転んでも失敗するように出来ているゲームに参加することである。例えば、あなたを騙すような人間や組織には近づいてはいけないだろう。
好奇心旺盛なのは良いことだが、地雷を踏むと人生が大幅に停滞するため、塩梅が難しいところである(内向型人間に変わったきっかけも地雷を踏み抜いてしまったことだった)。
内向型人間のメリット
①自由に使える時間が多い
交友関係が狭い分、自由に使える時間が多くなる。
その時間をひとり時間として趣味や自己研鑽に使っても良いし、限られた大切な人と過ごす時間に使っても良いだろう。
私は内向型人間に変異した大学で初めてパートナーが出来たが、関係が非常に良好である。自由に使える時間が多い分、パートナーに使える時間も多いのだ。
たまに「もし高校時代に戻って恋愛をするとしたら、果たして上手くいくだろうか?」なんて思うことがある。
…答えは否である。
あの交友関係が広い時期にプラスして恋愛にリソースを割くなんて100%無理である。
私は結婚したい派なので、内向型の性格はこのまま維持していきたいと思っている。外部から時間を奪われにくい内向型は結婚に向いている性格だと自分でも思う。
②孤独に比較的強い
内向型人間は、孤独に比較的強い。
一人暮らしを難なくできるばかりか、寧ろ実家暮らし時代よりも充実していると感じるだろう。
外向型人間の知人を見ていると、一人暮らしの寂しさに耐えられていなさそうだ。
例として私の姉は外向型人間だが、しょっちゅう親と電話している様子をみるに、やはり孤独には弱いのだろう。
反対に私は一人暮らしをしていて精神的に「寂しい」と思うことが殆どない。
勿論これは程度問題で誰とも会わない日が2週間も続けば流石にメンタルがおかしくなってくるが、どちらかと言えば大人数での飲み会など人に囲まれている方が「寂しい」と感じる具合である。
一人暮らしもそうだが、人との繋がりを感じにくい都会での生活にも比較的適応できると思う。
HSPは田舎でスローライフ!みたいな人生論をよく耳にするが、私は田舎に住んでいた実家時代の方がHSP気質が悪い方に作用していたと感じている。
③思慮深くなる
人と関わらない分、自分に向けてグルグル頭を悩ませる時間が長くなるので、思慮深くなる。
有名な哲学者は殆どが内向型人間であることが示すように、内向型人間と思考の深さには何らかの関係がありそうだ。
実際、noteの執筆がめちゃくちゃ進む。
外向型人間だった高校時代も実は別のサイトでブログをやっていたことがあるが、全く筆は進まないし、内容も実に浅かった(データ全部消しました)。
そもそも、外向型人間は根気強く頭を悩ませなければならない地道な趣味には飽きやすいイメージがある。
私の趣味であるアクアリウムは、何か月もかけてひとつの作品を作り上げるのだが、アクアリウムショップで見かける同業者からみるに、外向型人間の割合は1割もない。
内向型人間のデメリット
①健康に悪い
内向型人間は、心身共に健康に悪い傾向にある。
心はなんとなくイメージが付くと思う。
比較的ネガティブになりやすい。
これは人と関わる時間が少ないため、悩みを相談しにくいばかりか、自分でネガティブループに嵌りめちゃくちゃな結論に帰着しやすいのもある。
身体面でも同様である。
人と関わる時間が少ない分、出不精になり運動/日光不足になりやすい。
外向型人間から内向型人間になった私は、体重が10kg落ちたばかりか、風邪をひきやすくなり、気管支喘息にもなった。
意識的に健康習慣を身に付ける必要があるだろう。
②不当に評価されやすい
これは完全に偏見の部類だが、内向型人間は社会に適性がないと見なされやすい。
実際にはそんな事はない。だが肝心の「そんな事がないこと」をアピールするためのコミュニケーション力が不足しているため、誤解を生みやすい。
なのに社会性を評価する判断基準は、就活ならグループディスカッションや面接など、コミュニケーション力が問われるステージが異様に重いため、不利になりがちである。
不当に評価される環境を避ける必要があるだろう。
③自分の才能に気付きにくい
他人と関わる時間が少ない分、他者からのフィードバックの機会を得ることがなかなかできず、自分の才能に気付きにくい。
高校時代は何かと「こういう所凄いよね」等のフィードバックを得ることで、自分の長所短所がより明白になったのだが、今はそういう機会に恵まれず自分が未知数なところがある。
今の時代はSNSがあるので、必ずしも現実の人間関係の中から自分の才能を発掘する必要はないのだが、SNSでのフィードバックはそもそも発掘して貰えない事が殆どなのと、質的な評価に欠けるという問題がある。やはり生身の声が自己理解には一番役立つ。
今回は、外向型/内向型人間のメリット・デメリットについて解説した。
無論、これは全ての人に当てはまる話ではないし、当てはまったとて自分が有利になるように環境を選択すれば良いだけである。
冒頭でも述べたが、性格そのものを変えようとするのは尋常ではない負荷がかかるのであまりお勧めしない。
この記事が、何らかの参考になれれば幸いである。
おしまい