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秋の夜長は日本酒で愉しむのがツウ!

こんにちは、あさ出版noteにお越しいただきありがとうございます。
朝夕が涼しくなり、ようやく、秋めいてきましたね。
秋の夜長には、やっぱり日本酒が合いますよね。
冷酒もまだまだおいしいし、でも、熱燗も呑んでほっとしたいし、さらに秋は新米ができますから、これからお酒がどんどんおいしくなる――。秋の醍醐味と言っていいでしょう。
 好評発売中の『ビジネスエリートが知っている 教養としての日本酒』の著者 友田晶子さんに、秋ならではの日本酒の楽しみ方、そして特別に秋にオススメのお酒をご紹介いただきました。

●季節ごとに日本酒を変えて楽しむ

 日本には春夏秋冬と四季があることから、食材の特徴を活かして創作される和食は、季節感あふれるものとなり、盛り付けにも季節が演出され、それが和食の魅力となっています。
 同じように、日本酒にも、四季ごとの楽しみ方があります。
 四季を感じられるお酒というのは世界を見渡しても日本酒だけではないでしょうか。もちろん、ワインにもボジョレー・ヌーヴォーやホイリゲに代表されるような新酒がありますし、焼酎にも秋に収穫したばかりのサツマイモを使って造る新焼酎もあります。
 しかし、春には春の、夏には夏の、秋には秋の、そして冬には冬の、それぞれの季節ならではのお酒ができ、市場に出回り、それを手にする人が「ああ、もうこの季節がきたか」と強く実感できるのは日本酒だけです。
 会食や接待といった場面では、料理やお部屋の設えのみならず、いただくお酒にも季節感を取り入れたセレクトをすることで、場も盛り上がり話題が広がり、相手にもよろこばれるとともに、教養ある人と一目置かれることでしょう。

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●秋のお酒の愉しみ方は、バリエーション豊か

 収穫の秋。新米が蔵に運ばれ、蔵ではお酒造りが始まります。酒造メーカーは、秋から冬にかけてもっとも忙しい季節となります。
 お酒造りには、おおむね3カ月かかります。10 月に造り始めれば、早ければ年内に、いわゆる「新酒」ができあがるため、新たな年を「新酒」で祝うこともできます。
 「新酒」とは、秋から3月頃までに造られたお酒のことを指し、できたてのお酒を搾ったものを「搾り立て」といいますが、その年最初に仕込まれたお酒の搾り立てをとくに「初搾り」といいます。
 さらにこの季節だけ味わえるのが「あらばしり」。搾った最初にほとばしり出てくる部分のみを瓶詰めしたもので、いわば、一番搾り。昔は蔵でしか飲めなかった希少価値の高いお酒です。
 また、秋から冬にかけては、気温が低くなるため雑菌の繁殖が抑えられます。雑菌の繁殖を抑える「火入れ」の作業を行わない「生酒」や、火入れ回数が少ない「生貯蔵酒」「生詰酒」も流通しやすく、新酒のうちでもとくに新鮮さの際立ったお酒を楽しめます。

●ひと夏、ふた夏寝かして熟成させたお酒、秋ならではの味わいに

 秋にはもう一つ、楽しみがあります。
 前の冬に造った「新酒」を一度火入れし、涼しい蔵内でひと夏寝かせ、そのまま火入れをしないで瓶詰めして出荷する「ひやおろし」が市場に出回る季節です。涼しい蔵の中で保存された冷たいお酒を市場に卸すから「ひやおろし」といいます。
 ひと夏寝かしたお酒は、なめらかになり、うま味がのり、コクが出ます。「ひや」という言葉がついているので冷酒のことかと思うかもしれませんが、そうではなく、むしろ、お燗にするとおいしいお酒です。
 秋になると味わいがぐっと増すので「秋あがり」とも呼ばれることもあります。風味豊かなキノコや滋味たっぷりのジビエ、脂ののった秋刀魚や鮭など、秋の食材とは最高の相性です。
 また、ふた夏寝かせた「2年熟成 ひやおろし」など、より熟成感を増したタイプも登場しています。よりまろみが加わった、味わい深いところが魅力です。ぬる燗でどうぞ。

★今年の秋に楽しみたい「ひやおろし」

・菊正宗 生酛 ひやおろし
https://www.kikumasamune.co.jp/products/new/313_kimotohiya_720.html
 ひと夏寝かせて秋に味わいが深まるお酒は、そもそも、「男酒」として知られる灘の生一本が始まりといわれています。
 灘の酒の中でも伝統手法「生酛(きもと)」で生み出されるこのお酒は、まさに江戸時代の酒を彷彿とさせます。まずは、基本の「ひやおろし」としてお楽しみください。


・船中八策(せんちゅうはっさく) ひやおろし
https://www.meimonshu.jp/modules/sakemap3/index.php?page=sakedetail&lid=41
 からりと晴れ渡ったキレのいい「男酒」として知られる司牡丹の「船中八策」は長く日本酒ファンから愛され続けています。
 まろやかさも加わりバランスのいい味わいの「ひやおろし」はお燗がオススメですが、冷やでもすっきりと楽しめます。

・香住鶴(かすみつる) 二夏越え ひやおろし 山廃純米原酒
https://www.fukuchiya.co.jp/shop/products/detail.php?product_id=126
 全量生酛・山廃で造る希少価値の高い蔵元。
 北兵庫、但馬、香住地区の地酒として知られた銘柄ですが、東日本、さらにはアメリカを中心とした海外でも、高い評価を得ています。
 数年後には300周年を迎える伝統蔵が、ふた夏寝せた熟成感のあるひやおろしを発売しました。通の方へのプレゼントにも向きます。

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秋は収穫を祝う季節です。
昔から日本では、収穫の感謝としてお祭りを行い、神様にお神酒をささげ、神様とともに心地いい酔いを味わいました。秋は豊かな食への感謝の気持ちを忘れず過ごしたいものですね。もちろん、お酒にも感謝です。

秋の夜長に、日本酒をしっとり愉しむ、本当に素敵ですね。
友田晶子さん、素敵なお話をありがとうございました。

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『ビジネスエリートが知っている 教養としての日本酒』では、日本酒の基本的な知識をお話しいただいているほか、今回ご紹介いただいた以外のオススメのお酒、会食の席などでのお酒の愉しみ方など、ビジネスパーソンなら知っておきたいお酒のことを紹介しています。
 これさえ読んでおけば、できるビジネスパーソンとして一目置かれること間違いなし!
 ぜひ、この機会に書店さん、ネット書店などでお手に取ってみてください。


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