![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/47261302/rectangle_large_type_2_8ac7142d1a226a9fa3d4f019ba332549.jpg?width=1200)
美肌への近道は尻活✨
コロナ禍で増えたトラブルの1つに、便秘に関する症状があるそうです。通勤が少なくなったことや、座りっぱなしが増えたことによる運動不足で、便秘で悩む方の肛門科の受診が増えているとのこと。また、マスクによるお肌のトラブルが増えていますが、原因はマスクだけではないようです。
元皮膚科であり、現在肛門科医の佐々木みのり先生著『痛み・かゆみ・便秘に悩んだらオシリを洗うのはやめなさい』より、便秘や肌荒れに関するお話をご紹介します。
出口にトラブルがあると肌が荒れる!?
実は、体内の老廃物を毛穴から外に出す役割をもつ肌と、出口の状態にも密接な関わりがあります。
逆に、肌の状態を見れば、排便の状態もわかることが多いのです。
肛門のすぐ上にある直腸では便から水分を吸収するため、便がドロドロの状態ではなく、ちゃんとした形になって出てきます。
しかし、吸収するのは、水分だけではありません。直腸は、さまざまなものを吸収します。
高熱が出たときに、坐剤を入れた経験がある方もいらっしゃるでしょう。それは、直腸のこの性質を活用し、薬を早く吸収させ、即効性を高めているのです。
体内に吸収したいものであればいいのですが、吸収したくないものに対しても直腸はまじめに働きます。直腸に便が長時間溜まったままになると、便の中に含まれるさまざまな成分(不要なモノ)が再び体内に吸収されてしまいます。便は排泄物なので、吸収したくない成分ばかりで形成されています。便に含まれている腐敗したものの中には、皮膚の形成に悪影響を及ぼす化学物質であるフェノール類も含まれるため、これらが直腸から吸収されて血中に入ると、血液を介して全身に巡り肌荒れが起こります。
どんなにカラダに良いモノを食べて理想的な良い便をつくっていても、スッキリ出し切れずに便が出口に残ると、体内に再度吸収されてしまうというわけなのです。さらに、腐敗が進んで古くなり、色も黒く、ニオイもクサくなっていきます。その結果、カラダ全体、とくに肌に、悪い影響を及ぼします。
これでは、「捨てきれなかった生ゴミを出口で溜めこんでいるようなもの」です。ゴミ捨て場に生ゴミを捨てに行ったとき、半分は捨てて半分は持ち帰るなどということはしませんよね?
ゴミを全部捨てる(排泄する)ことができなくなった状態が、これからお話しする「出残り便秘」なのです。
世間に溢れている便秘情報は、「お腹(腸)に便が溜まる便秘」のことばかりで、この出残り便秘のことについていっていません。そのため、いわゆる「腸活」を頑張っている人は多いけれど、出口(肛門)のことまで意識している人はとても少ないのです。だから、私の診療所を訪れる方の多くが、自分が出残り便秘であることを知りません。
排便は、「お腹スッキリ」と「オシリスッキリ」の両方が大切です。
腐敗が進む前に、ゴミはきちんと外に出ししましょう。
誰も教えてくれなかった「出口」の便秘
便秘は、便が溜まっている部位で、2つに分けて考える必要があると、私は考えています。
具体的には、お腹(腸)に便が溜まっている「お腹の便秘」と、出口(肛門)に便が溜まっている「出口の便秘」です。
どちらに便が溜まっているかで、症状も違えば、治療や対策も異なります。
世間一般に「便秘」というと、「お腹の便秘」をイメージします。実際、テレビや新聞、雑誌などでさまざまな便秘特集が組まれていますが、「食物繊維や乳酸菌を摂ると良い」「○○体操が便秘を改善する」「水を○リットル飲むと便通に良い」など、ほとんどが腸にフォーカスした話をしています。
私がお話しするのは、「お腹の便秘」でも、「腸活」の話でもなく、「出口(肛門)の便秘」です。それに「出残り便秘」という名前をつけて普段から患者さんに説明しています。
便を出したあと、出口に便が残っていたら、それは「出残り便秘」です。
それでは、出残り便秘について、詳しくお話ししていきましょう。
便秘とは「便を秘めること」便秘というと、何日も便が出ないことやお腹が張って苦しいことだと思う方が多いようです。
たしかに、それも便秘の症状です。しかし、それだけではありません。
便秘という漢字は、「便を秘める」と書きます。毎日便が出ていても、どこかに便が残っていたら、それも便秘です。
では、どこに便を秘めているのでしょうか?
それは、出口。つまり、肛門であるケースが非常に多いのです。
痔や肛門のトラブルで来院される方の多くは、毎日便が出ている快便タイプの方です。そのため、本人にはまったく便秘の意識がありません。
しかし、実際に肛門から指を入れて診察をすると便が残っています。みなさん、「ついさっき出してきたばかりなのに……」と不思議そうにされます。自分は毎日排便があるから便通が良いと思っているのです。そのため、 私が「便秘ですね」と伝えると、「え!?なんで私が?」と衝撃を受けられますが、診察後にトイレへ行き、残っていた便を排泄してもらうと、みなさん納得されます。
その後、私が「だから痔になったんですよ」とお伝えすると、「なるほど」と腑に落ちるのです。
「毎日出る」よりも「スッキリ出る」が大切
便通は、「毎日出ているかどうか」ではなく、「スッキリ出ているかどうか」が大切です。少しの量であっても食事をしていれば、便は毎日つくられています。食べたモノが便になるまで時間がかかる人もいます。腸が長い人、腸の動きがゆっくりの人、少食の人などは、2日に1回しか便が出ないこともあります。2日に1回しか便が出ない方を診察すると出口に便はなく、肛門の中は空っぽの状態であることも多いです。
「1日おきの排便なので今日は便が出ない日なんです。昨日は出ました」といわれることもあります。つまり、「昨日、すべて便を出し切っている」のです。
便を出口に溜めこむのは、いいことではありません。便は、「毎日出る」よりも「スッキリ出る」ことが大切なのです。2日に1回の排便でもスッキリ出し切れていれば、痔やかゆみをはじめとするオシリのトラブルは起こりません。
なぜ便が出口に残るのか
約10万人のオシリを20年以上診てきた経験から、健康的な排便に必要なことは、大きく次の3つにまとめられます。
1.便の有無がわかる(感じる)……便感知力
2.便意がある(行きたくなる、もよおす)……共腸力
3.便を出せる(排便)……排出力
これらのうち、どれか1つが欠けても、正常な排便ができなくなります。
では、どんな解消法があるのか、詳しくは本書で解説しています!
ぜひ参考になさってみてください🍑
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?