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OB訪問を受けてみて

6月1日で大学生・院生向けの採用選考が解禁されたらしい。
就活のスケジュールというのが年々変化しており、私の学生時代(10年以上前)から大分違う様だが、昨年末頃からWebでのOB訪問を受け付けていた。

使用したのはビズリーチキャンパス。

今回はOB訪問を受けて思った事を書き残しておこうかと。

なぜ受けたのか?

① アウトプットの機会が激減していた

営業部門から離れて、社内の、しかも関連するメンバーだけとしか話す機会がなく、自分の考えを知らない人に話すという機会が激減。
久しぶりに知らない人と話したくなった。

② 昔やった時に楽しかった

数年前にOB訪問を受けた時に、単純に楽しく、自分の考えも整理されたのでこれはいいと思った記憶があった。

③ 後輩の助けになれば

新聞なんかを見ているとWeb説明会やWeb面談の難しさが書かれており、コロナ禍で悩んでいるであろう後輩の一助になればと思った。

面談方式・人数など

人数:約10人、全てビズリーチ・キャンパスから申し込みがあった方

方式:Web面談、ビズリーチのビデオ通話機能を使うかZoom

時間:約1時間/人。主に昼休憩の時間、就業後の夕方の時間を使って面談。

よくされた質問(と答え)

-なぜ今の会社を選んだのか?
  全員に聞かれた。

 (答え)
  ・メーカーというビジネスモデルが単純明快で好きなこと
  ・事業領域が広い会社だったので、世の中における貢献の幅が広いと思ったこと

-会社の強みは何か?
 これも全員。対して遠慮してるのか弱みについて聞かれた事は少数。
 なんか聞いちゃいけないみたいなマニュアルでもあるんだろうか。
 聞かれなくても答えたけど。

(答え)
  ・志望理由にもあるが事業領域が広いこと
  ・お客様志向が強い点。営業部門だけでなく経理・人事や開発部門と話していてもお客様という単語がよく聞かれるから。

-仕事のやりがいは?
 これも全員。

(答え)
  ・経験してきた職種によって違うが、今であれば企画部門なので経営幹部と話す機会が多くて学びが多い点。

-どういう社風か?気質の人が多いか?
 ほぼ全員。私の会社は体育会系のイメージが強いらしい。
 そういう社風だったら不安ですという声が多かった。

(答え)
  ・コツコツと積み上げる人が評価される印象。真面目な人が多い。
   あまり派手な人はいない。六本木で豪遊というよりは新橋でしっぽり飲む人が多いという感じ。←例えが微妙すぎて半分ぐらいの人しか理解してくれなかった笑

-1日のスケジュールを教えてください。
 特に営業を希望する人に多かったかな。
(答えは載せるまでもないので省略)

-女性の活躍は?
  女性から。男性で聞いてきた人はゼロ。ここに社会の課題がある気がするけど。

(答え)
 ・女性の幹部職もいる。中堅までの昇格は女性の方が早い印象。
  女性だから早いのではなく真面目で優秀な人が多いから結果として早いのでは。

印象に残った質問

-会社の事業に関する突っ込んだ質問
 よう知ってるなーという事を質問されることが。素直に好印象。

-企業としての社会貢献をどう考えるか?
 社会貢献というのを突き詰めるとNGOとかNPOになっちゃうんです…という悩みを抱える人から。
 メーカーとしての社会貢献というものについて自分が思う事を伝えたら満足してくれたので、いい切り返しやったなぁーと。

(答え)
 ・一概に物資や寄付だけが社会貢献とはいえないと思う。
    メーカーであればその国のニーズ・お困りごとを解決できる商品を届けるのも社会貢献と考えている。
 ・またその結果として事業が大きくなり、利益が出てその国で税金を納めることで貢献も出来る。
 ・工場まで出来れば雇用創出にも貢献できる。

-自身のキャリアパスについて
 ほぼ全員から。こんな事みんなが聞くんだという意味で印象に残った。
 マニュアルみたいなのに載ってるのかな。

困った質問

-面接でアピールした方がいい点は?
 半分ぐらいの人に聞かれたかと。気持ちわかるけど、違和感。
 企業にハマりにいこう、合わせようとしているところ。
 そうじゃなくてマッチする企業を探した方がいいというのが私の考え。
 多分これは自身の転職活動の面接がそういう感じだったからかな。
一応活躍してる人は人を巻き込むのが上手いから、そういう経験はアピールできるといいかもねーと回答。

-ES見てもらえますか?
 これも気持ちわからないではないですが、ちょっとES添削をするには自分は歳を取りすぎてるなと。
 1名だけどうしてもというので見ましたが、うまくアドバイスできたのかわかりません。

感想

-皆さんすごく優秀
 アプリの機能で面談希望の方のプロファイルが見れますが、みんなすごく優秀。
 TOEICのスコアやいわゆるガクチカとか見ても自分の学生時代と比べるのもおこがましいぐらい。
 あとみんなインターンしてる。時代は変わったなーと感心する反面、こういう事を乗り越えた若手と一緒に仕事する、してるんだと思うと自分しっかりしなきゃと思っちゃいました。。。

-就活の戦略性が上がってる?
 私の時代の情報源はみんしゅうと2ちゃん、あとはリアルな人間関係が主。
 今はインスタとかでもすごい情報出てきますね。情報過多だなと。
 ESの書き方や面談、はたまたOB訪問・インターンまでが標準化・作法化されてる感じがして違和感。

してよかったと思った点

-仕事のモチベーションが上がった
 一番はこれ。自分が働く会社の強み、入社した理由、キャリアパスなどを言語化して伝えることで初心に立ち返ることができたので。

-会社の事業の理解と世間からの評価が深まった
 普段仕事をしているとある程度の共通理解がある人の中での会話ばかり。
 OB訪問は話す対象が学生なので、誰にでも伝わる平易な言葉・表現で会社のことや自分の仕事を伝えなければならず、結構最初は大変だった。
 それによって考えが整理されたという点では非常によかった。

-価値観のアップデート
 まだ自分も若いつもりですが、、、現役大学生との対話を通してどういうことにやりがいを見出すのか、価値観が垣間見えたのが新鮮でいい刺激になりましたね。
 多様性とかSDGsというワードが結構出てきたのが時代を反映してるなーと。

ネガティブだと思った点

-時間が結構取られる
 今回は全てWebで10数人と面談をした訳で、大体ひとり1時間の面談だったので10時間以上を費やすことに。
 日程調整などの前後の質問のやり取りなんぞを含めると結構な時間を割くことに。
 休憩時間や終業後、あるいは休日にやった訳ですが日程が重なった週は結構しんどかった。。。

-同じ様な話ばかりすることに
 質問が大体同じなので、時間の半分ぐらいは同じ様な話をすることに。
 こちらとしては学生からの話が聞きたかったのですが。
 OB訪問という形式をとっている以上、仕方がない部分かなと。

結論

もう今年で最後にしようと思いました。

少し長いですが。
今回思い立ってOB訪問を受け付けてみたのですが、私としては非常にプラスになりました。自分の会社・仕事について知らない人にアウトプットすることは非常にいい経験になりますね。
ありがたいことに選考に通りましたというメッセージも頂き、少しは貢献できたのかと思います。

ただ就活生の方が求める社会人像と比べて、「あ、自分はもう歳を取り過ぎたんだな」と正直に思いました。

特に面談のやり方やESの書き方に対して芯食ったアドバイスが出来ないんですよね。
私は採用業務をしていないので、就活のテクニックな部分に関しては自分の経験から語る他ないのですが、自分の就活はもう10年以上前なので今の事情とマッチしていないと思いました。
今の就活事情に対する私の解釈は「情報が溢れてて、戦略性が増している」という理解です。
戦略をアドバイスするにはちょっと事情を知らなすぎるし、もう知る術もないのかなと思います。
(知識として仕入れる事は出来るだろうけど、採用業務を担当していないので、その戦略の有効性を判断する材料がない)

結論、私の満足度は高いですが、就活生の方々の役に立つことは難しいと思うので、今年限りにしようかと思いました。

まあこの年でやってみてよかったと思います。年齢的にギリギリな気がしました。

就活生へのメッセージ

最後にはなりますが、面談を通して思ったことをお伝え出来れば。

・自分からOB訪問をした時点で半分勝ち

アプリの機能で面談した方からのフィードバックを頂けるのですが、
「丁寧」「物腰が柔らかい」という言葉が並んでました。
(実際の私はそんなこと全くないです、むしろ会社で逆の言葉を貰います)
これは私が面談した方をリスペクトしていたからだと思います。
コロナ禍で情報を得る機会が激減している今、何とか必要な情報を得ようと見知らぬおじさんにメッセージを送って面談をするという行動を起こした時点で
「既に半分は勝っている」と素直に思ってます。

・広く業界を見る

自分の経験を通してなのですが、学生時代に志望している業界だけを見ていると、働き始めてから違う業界の魅力に気づくことが多々出てきます。
時間が許す限り色々な業界・会社を見ることを強く勧めます。
自分でも気づかなかった興味が見つかるかもしれないし、元々志望していた業界の希望度がより上がるきっかけになるかもしれません。
あとそういう業界研究は仕事をし始めても役に立つので。

・主旨を捉える

「当社と競合のA社の違いってどこですか?」という質問に対する答えを相談した方がいました。
その方の答えは扱う商材の広さとか経営理念とかそういう点を答えてくれましたが、ちょっと主旨が違うかなと。
自社と競合の客観的な違いってその会社で働く人なら当たり前の様にわかっているんですよね。その部分でなるほどという答えが欲しい訳ではないと思います。
「自分が何をやりたくて、それがあなたの会社でなきゃダメな理由はこうなんです」という話が採用面談では聞きたいんだろうなと。
当たり前ですが採用面談は選考の為のものなので、通過する為に自分をPRするという主旨を忘れずに。

最後に。
こんな風に悩んでたなーとか、面談でこんなこと言ったなーとか思い出して、面談した夜は一人で飲むビールが美味しかったです。
歳を重ねる喜びをまた一つ知ることができました。

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