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【2024 S1シティ準優勝 S2シティベスト8】 サーナイトというデッキについて考えたこと【全文無料】

こんにちは、アサルトぴーまんです。
普段noteで記事を書くことはほとんどないのですが、年末ということもあり、シティリーグに向けた調整の過程で考えてきたことをアウトプットせずに終わるのももったいないし、記事を書いてみよう!ということで今に至ります。
ということで本記事では、2024シーズンのシティリーグS1・S2で使用し、それぞれ準優勝・ベスト8の成績を残すことができたサーナイトについて解説していきます。

レギュレーション変更によってEレギュレーションのカードがスタンダード環境では使えなくなり、既存のサーナイトの構築についてはデッキの大部分のカードを失うことになります。F・G・H環境では全く別物のデッキになり、古代/未来を中心とした新カード群によって環境も大きく変わることになるので、今後の参考になるかは怪しいところですが、自身の備忘録として書きつつ、ついでにシティリーグシーズン2を控えている方の参考になれば幸いです。
※構築についての解説<思考のアウトプットのため、読みにくかったり支離滅裂な部分もあるかと思いますが、どうか暖かく見守ってください。
※シティリーグにはS1は11月19日(日)、S2は12月2日(土)、どちらも古代の咆哮/未来の一閃環境で参加しました。

S1では調整メンバーのシャベル(@shovel0731)も使用して準優勝してくれました。


サーナイトに再注目したきっかけ

すべての始まりは《サケブシッポ》の登場、そして《カウンターキャッチャー》の再録でした。

元々サーナイトは《クレセリア》のワザ『ムーンナイトリバース』によって、《ナンジャモ》や《セイボリー》の干渉サポートを合わせながら相手の盤面を崩す戦法を取っていましたが、ゲームの序盤から80以上のダメカンを乗せるにはトラッシュに基本超エネルギーを送る枚数の要求や盤面にポケモンを並べる要求が高く、そのタイミングを逃してしまうと相手のシステムポケモン(例:《ビーダル》や《セグレイブ》、《エルレイド》等)をクレセリアで倒すことが難しく(あるいは不可能に)なってしまいます。

それ以降でシステムポケモン倒そうとしてもサポートの権利を《ボスの指令》に割くことになるため、ハンド干渉《ナンジャモ》や盤面干渉《セイボリー》と両立することができません。
※見出しで”再注目”としている通り、私はこれまでにもある程度サーナイトに触っていた(CL宮城~JCS)のですが、上記の要素や、序盤の要求の高さによる崩されやすさから、7月~CL横浜にかけては一度サーナイトを手放し、別のデッキを使っていました。

これらの悩みを一挙に解決する2枚のカードの登場は、サーナイトというデッキにとってはまさに革命的な出来事でした。
また、個人的に過去のレギュレーションで存在していた同カードや《リセットスタンプ》等の逆転指向の強いカードを使った戦法を取ることが好きであったため、《ナンジャモ》と合わせた逆転要素を最大限活かせるサーナイトの構築に取り掛かりました。

デッキ構築の過程

前提の共有のため、一度ここでリストを掲載します。
※後半の「デッキリストと採用/不採用カードの解説」に載せているものと同じです。

デッキコード:FfVwFk-z5FxKY-kkFFfv

①サーナイトの強み/弱みを改めて確認する


これまでに書いた内容と重複する部分もありますが、改めて本項でまとめます。
当たり前だろ!と思うような内容もあるかもしれませんが、私はデッキを構築していくうえで、そのデッキや採用するカードの本質や課題と向き合うことは何より重要だと思っています。(※環境デッキに対するメタカードを中心にして戦っていくようなデッキを除く)
60枚という制限の中で長所をより伸ばして再現性を確保しつつ、短所についてはどこまで補ってどこまで割り切るかのラインを見極める必要があります。

※○…強い点、×…弱い点
○:非ルールのポケモンで高HPのポケモンを一撃で倒す大火力を出すことができる
○:《サケブシッポ》《クレセリア》の存在により、相手のベンチに干渉する能力が高い
○:「リファイン」「アルカナシャイン」「かくしふだ」等の特性で盤面でドローできるため、中盤以降の再現性が高く、また、ハンド干渉にも強い
○:《カウンターキャッチャー》、《リバーサルエネルギー》、《ナンジャモ》等の逆転指向の強いカードと相性が良い
×:盤面の完成までの要求が高い≒サイドレースの遅れを取りやすい
×:進化デッキであるため、ロスト軸デッキの《あなぬけのひも》+《おとぼけスピット》や《かがやくゲッコウガ》の『げっこうしゅりけん』などのゲーム序盤の崩しに弱い
×:『ミラージュステップ』と「リファイン」の2種類の《キルリア》のサイド落ちによる偏差が大きい
×:上記の殴りだしが遅れやすい要素と相まって、非ルール中心のデッキ(例:ロスト軸のデッキやゾロアークバレット)同士の殴り合いで不利を取ってしまう
×:「アルカナシャイン」のサーナイトでワザを使った後、それを倒されながらの《ナンジャモ》で盤面復帰しにくい
×:《サーナイトex》
×:《テツノカイナex》の『ごっつあんプリファイ』が重い

他にもたくさんあるかもしれませんが、一旦こんなところで…。

②それぞれの課題に対するアプローチを考える


次に、それぞれを伸ばす/補うために、構築やプレイングで具体的にどんなアプローチが取れるのか、一つ一つ考えていきます。
それぞれの課題に対するアプローチについては、重複する内容もあります。
※個人的に特に重要だと思う項目については(★)を付けました。

○:非ルールのポケモンで高HPのポケモンを一撃で倒す大火力を出すことができる
→「アルカナシャイン」の採用枚数を増やす
→《ふしぎなアメ》の採用枚数を増やして「アルカナシャイン」のサーナイトに進化しやすくする

○:《サケブシッポ》《クレセリア》の存在により、相手のベンチに干渉する能力が高い
→《セイボリー》や《崩れたスタジアム》を採用して、盤面干渉の強度を上げる(★)

○:「リファイン」「アルカナシャイン」「かくしふだ」等の特性で盤面でドローできるため、中盤以降の再現性が高く、また、ハンド干渉にも強い
→できる限り「アルカナシャイン」の《サーナイト》でワザを使う機会を減らし、盤面でのドローパワーを維持する(★)
→ドローできるポケモンにつながるカード(《レベルボール》《ハイパーボール》等のボールやドローサポート)をできるだけ多く採用する

○:《カウンターキャッチャー》、《リバーサルエネルギー》、《ナンジャモ》等の逆転指向の強いカードと相性が良い
→カウンターの権利を相手に渡さない/維持するサイドの進め方を意識する(★)

×:盤面の完成までの要求が高い≒サイドレースの遅れを取りやすい
→ドローできるポケモンにつながるカード(《レベルボール》《ハイパーボール》等のボールやドローサポート)をできるだけ多く採用する
→遅れを取り戻すためのカウンターカードを多く採用する(★)

×:進化デッキであるため、ロスト軸デッキの《あなぬけのひも》+《おとぼけスピット》や《かがやくゲッコウガ》の『げっこうしゅりけん』などのゲーム序盤の崩しに弱い
→《マナフィ》等のメタカード採用する
→1ターン目から《バトルVIPパス》を使って《ラルトス》を複数枚展開する(《マナフィ》を置きやすくする)(★)

×:『ミラージュステップ』と「リファイン」の2種類の《キルリア》のサイド落ちによる偏差が大きい
→進化を経由せずとも単体で機能しやすいカードをなるべく多く採用する(「ふしぎなしっぽ」の《ミュウ》、《かがやくゲッコウガ》、ドローサポートの現物を多めに採用する、等)(★)

×:上記の殴りだしが遅れやすい要素と相まって、非ルール中心のデッキ(例:ロスト軸のデッキやゾロアークバレット)同士の殴り合いで不利を取ってしまう
→各種干渉を絡めながら高HPの《サーナイトex》で戦う
→相手のシステムポケモンを崩す、アタッカーを枯らすなどしてサイドを取られないターンを生み出す

×:「アルカナシャイン」のサーナイトでワザを使った後、それを倒されながらの《ナンジャモ》で盤面復帰しにくい
→《すごいつりざお》とボール系のカードなるベく多く採用する(★)

×:《テツノカイナex》の『ごっつあんプリファイ』が重い
→《リバーサルエネルギー》や《ふしぎなアメ》を多く採用し、《テツノカイナex》をすぐに倒す
→《ミミッキュ》や《クレッフィ》を採用し、『ごっつあんプリファイ』を宣言させない

………

③要素を取捨選択し、デッキリストにまとめる


古代の咆哮/未来の一閃~シャイニートレジャーexの環境では、環境に存在するデッキタイプが非常に多く、また、シティリーグの結果と使用されたデッキリストを誰でも閲覧できるようになったことで、メタの進みが早いこともあって、60枚という制約の中ですべての要素を採用し網羅することは不可能です。

今回、取捨選択をするうえでの基準となる考え方として、以下の二つを設定しました。

  1. 自分は崩されにくく、相手は崩しやすく

  2. 逆転要素を多く盛り込む

基盤の思想について、それぞれ解説していきます。

  1. 自分は崩されにくく、相手は崩しやすく

これについては普段一緒に調整をしているメンバーのKさん(@K_pokemonTCG)のサーフゴーデッキの考え方から着想を得ています。
※めちゃくちゃ強いリストですし、構築の過程や考え方も非常にためになるので是非読んでくれよな!
https://note.com/kpokemontcg/n/ncd9a6e65b6a1
とはいえ、サーナイトとサーフゴーではメインとなるポケモンの性質も戦い方もまったくと言っていいほど異なるため、サーナイトを使う場合に意識すべきことを考えていきます。

自分は崩されにくく
サーナイトというデッキは「リファイン」の《キルリア》によって盤面でドローしていくことができるため、それらを維持することさえできれば自分のやりたい動きを通しやすいデッキです。

相手はそれを阻止するために《キルリア》を優先的に狙ってくるため、その対抗手段としては、
《キルリア》を狙うための要求を上げる:ドロー特性を持たないポケモン(《サケブシッポ》《クレセリア》《サーナイトex》)で戦う
《キルリア》を倒された後に盤面を復帰しやすくする:《すごいつりざお》を多く採用し、それを探す手段及び盤面の繋いでくれる《ミュウ》や《かがやくゲッコウガ》を採用する
などが挙げられます。前者については《サケブシッポ》などのサーナイト以外のアタッカーさえ採用していればプレイングで意識できる部分ですが、後者については構築時点で意識する必要がある部分であり、特に優先度の高い項目といえるため、盤面の維持に関わるカードは積極的に採用していきます。

相手は崩しやすく
サーナイトというデッキは非ルールの進化ポケモン中心であることから、序盤はサイドレースで後れを取りやすいことから、終盤に《ナンジャモ》のハンド干渉を絡めた確率の勝負を仕掛けることが多いです。
しかし、出だしが遅れていることから、相手の方が盤面状況が良いことが多く、ただハンド干渉を打っているだけでは盤面+1枚(多くの場合は《ボスの指令》)で解決されて負けてしまいます。

そこで終盤の勝負に向けた過程として、相手の盤面やプランを”崩す”ことが重要になってきます。
終盤の《ナンジャモ》を通すための過程として、《セイボリー》や《カウンターキャッチャー》を使っていく…というイメージです。
(あくまで一例。ここが《セイボリー》ではなく《ナンジャモ》+《サケブシッポ》だったりすることもあるし、ケースバイケース)
序~中盤から相手にとって負荷がかかる行動をし続け、この段階では解決・盤面復帰されてもよいので、相手がサイドを取り切るために必要なリソースを積極的に消費してもらうことで、終盤の《ナンジャモ》によるハンド干渉の強度を上げていきます。

この”相手にとって負荷がかかる行動”はデッキタイプやその時にゲーム進行によって異なるので、環境に存在するデッキを実際に触ってみることで相手の目線を知ることも必要です。
終盤に1度だけ大きく要求を上げるのではなく、”崩し”→相手の解決→さらなる”崩し”→…とゲームの中で積み重ねていくことを想定し、この過程にかかわる《セイボリー》はできるだけ多く採用することにしました。

2.逆転要素を多く盛り込む
《カウンターキャッチャー》の3枚目や《災いの荒野》、《崩れたスタジアム》あたりがここに該当するのですが、
これについては「そもそも遅れを取らずにゲームについていくために初動札のための枠に使った方がよいのでは?」と考える人も多いかと思います。

少し本題からは逸れますが、今のスタンダードレギュレーション(E~G)では《バトルVIPパス》というカードとの向き合いが大きなテーマだと考えています。
《ナンジャモ》や《カウンターキャッチャー》の登場によって、プレイングによる逆転要素は徐々に増えてきたものの、《バトルVIPパス》を引きこめた試合とそうでない試合とでは、スタート地点に大きな差が生まれています。
《バトルVIPパス》を引けた試合については、手札やリソースを温存しつつ、山札からポケモンを抜き取って必要なカードを引きこみやすくなりますが、引けなかった場合、そのゲーム中《バトルVIPパス》の採用枚数分の不純物を抱えつつゲームを進行することとなります。
前者が100点のスタートを切ったとするならば、後者は60点のスタートといったところでしょうか。
後者が勝つためには、どうにかしてこの点数差を覆していかなければなりません。

この課題に対して、1ターン目に《バトルVIPパス》を探しに行けるカードを多く採用し、自らが100点のスタートに近づきやすくするアプローチを取ることもできますが、1ターン目には先攻/後攻のサポート権の有無による偏差が存在します。同じ100点のスタートを切った者同士が対戦すれば、基本的には先攻のプレイヤーが有利になるでしょう。(※ミライドンやロスト軸デッキであればこの相性関係は逆になりますが、どちらにせよ同じことがいえると思います。)

つまり、1ターン目に焦点とした向き合い方には限界が存在するということが私の主張であり、サーナイトの中盤以降徐々にギアが上がっていく性質に合わせてゲームのピークポイントを中盤~終盤に設定し、100点でのスタートをある程度割り切って、ゲーム全体を通して点数差を詰めていく(相手に手札や盤面に干渉して点数を下げていくこととこちらの盤面を維持し続けることで点数を伸ばしていくことを平行して行う)という方針を定めました。
言わば、序盤の100点のムーヴを諦める代わりに、相手にデバフをかけながら終盤に120点の動きをすることで逆転を狙うという発想です。
(と言いつつ、自身も《バトルVIPパス》を採用している理由については採用カードの解説にて後述します。)

この考えの元、採用したカードの代表例が前述の通り《カウンターキャッチャー》3枚目や《災いの荒野》といったカードになるのですが、相手が得する(リソースを温存してしまう≒100点の動きに近づけてしまう)可能性のある《ボウルタウン》の不採用などもかなり意識している部分です。

デッキリストと採用/不採用カードの解説

いくつかのカードの採用意図については、ここまでで記載していますが、本項では他のカードやその枚数の意図とともに改めてリスト全体について解説していきます。
構築の過程についてはどうしても抽象的な表現が多くなってしまうため、本項で具体的な解説ができればと思います。
それぞれの枚数にも意図はあるのですが、長くなってしまうため(★)のついているところだけでも読んでいただけたらと思います。

デッキコード:FfVwFk-z5FxKY-kkFFfv

ポケモン


《ラルトス》(『テレポートブレイク』) ×4枚
《キルリア》(「リファイン」)×3枚
《キルリア》(『ミラージュステップ』)×1枚
《サーナイト》(「アルカナシャイン」)×2枚
《サーナイトex》×2枚

サーナイトの進化ラインについては最低限のラインです。
『テレポートブレイク』の《ラルトス》を採用しているのは、私がシティリーグに参加するタイミングでは、カビゴンLOやブジンエンテイがそれなりの数存在していたため、『メモリースキップ』や『サイコショット』よりも優先度が上がったためです。
「アルカナシャイン」の《サーナイト》については、元々3枚の採用だったのですが、序盤は《サケブシッポ》《クレセリア》《サーナイトex》をアタッカーとする動きを基本としていることや《すごいつりざお》を3枚採用したことで2枚でも運用可能と判断し、この枚数に落ち着いています。

《サケブシッポ》×1枚
《クレセリア》×1枚
自分は崩されにくく、相手は崩しやすく」のコンセプトを支えてくれているアタッカー達です。
この2体や《サーナイトex》を積極的にアタッカーにすることで盤面のシステムポケモンを守りつつ、逆にこちらは相手のベンチポケモンに攻撃していき、盤面に差をつけていきます。
レイジングサーフ環境までのサーナイトを比較して、この枠に《サケブシッポ》が加わり、レベルボール対応、基本超エネルギーを2枚落とすだけで80ダメージを出すことが出来るようになったため、サーナイト側の動き出しの要求がグッと楽になりました。
狙いたいポケモンのHPや相手の《マナフィ》《ジラーチ》の設置状況、『ムーンナイトリバース』によってHPの回復やエネルギーの蓄積を行いたいかどうかなどの要素を判断材料として、2種類を使い分けていきます。

《ミュウ》(「ふしぎなしっぽ」)×1枚(★)
《かがやくゲッコウガ》×1枚(★)

この2枚は一般的に序盤の盤面作りを支えるイメージが強いかもしれませんが、このデッキにおいては中盤の相手に盤面を崩された返しのターン/崩しから復帰するターンに、《すごいつりざお》やボール系のカード、《ふしぎなあめ》を探し、盤面の繋いでくれる役割を期待しています。
特に「アルカナシャイン」の《サーナイト》でワザを宣言する必要のある場面では、返しのターンに《サーナイト》が倒されるだけでアタッカーとシステムポケモンの両方を失うこととなり、そこに《ナンジャモ》などのハンド干渉が合わさると次のターンに思うように動けなくなってしまうため、そのタイミングで単体で運用することが可能な《ミュウ》《かがやくゲッコウガ》をベンチに準備することで盤面の維持を目指します。
また、《ミュウ》については「ふしぎなしっぽ」で《カウンターキャッチャー》をとることが出来るので、相手のベンチポケモンを倒したい試合では積極的に置いていきます。
もちろん1ターン目に《ラルトス》を展開したい時に、この2枚を採用していることで序盤の保険になりますが、これらのポケモンを場に出すという事はその分サーナイトの進化ラインやアタッカー、《マナフィ》などのポケモンを置くベンチスペースが少なくなるという事なので、最序盤の運用については慎重になる必要があります。

《マナフィ》×1枚
ロスト軸のデッキやパオジアンセグレイブの『げっこうしゅりけん』で盤面を崩されないために採用しています。
《サケブシッポ》の登場により、ミラーマッチでも重要な要素となりました。
似たような役割を持つカードとして「ステラヴェール」の《ジラーチ》も採用したかったのですが、主なメタ対象のロスト軸のデッキに対しては《ジラーチ》を採用せずとも《クレセリア》や後述する《ゴージャスマント》《崩れたスタジアム》《災いの荒野》などを複数回の《ナンジャモ》と合わせて使っていくことで勝負することができていたため、採用を見送りました。

グッズ

《バトルVIPパス》×3枚(★)
グッズで1枚が複数枚になるカードはやはり強いです。繰り返しとなりますが、現在のスタンダードレギュレーションにおいて、このカードとの向き合い方が大きなテーマといえるでしょう。
このデッキにおいては、その結論を「ゲームの終盤で強度の高い動きで点数差を詰めて逆転していくこと」としましたが、やはり序盤の展開において《ラルトス》をどれだけ場に用意できているかどうかで次のターンの要求が大きく変わりますし、1枚引き込めるだけで他のボール系のカードを温存することができます。一緒に《マナフィ》を置きたい場合でも重要な要素です。使わずに山札に残った場合でも「リファイン」や《ハイパーボール》のコストになるので、手札のコストカードに迷う場面では、2ターン目以降でも「ふしぎなしっぽ」で積極的に探す時もあります。
4枚ではなく3枚採用である理由についてですが、
・中~終盤の動きを支えるドローサポートを優先したこと
・『ミラージュステップ』による盤面展開も可能であること
が挙げられます。当然、引けたとき/引けなかった時で出力に大きくさが出るカードのため、可能であれば4枚採用したいところですが、今回のコンセプトと全体のバランスとの兼ね合いで3枚に落ち着きました。

《レベルボール》×4枚
《ハイパーボール》×3枚
《霧の水晶》×2枚

元々はドローサポートのカードを1枚減らしてボール系のカードをもう1枚採用していたのですが、そこに1枠を譲ったため、《バトルVIPパス》と合わせて合計12枚に落ち着きました。
《サケブシッポ》の登場によって、ゲームを通しての《レベルボール》の価値が高くなっています。
《ハイパーボール》は、すべてのポケモンにアクセスすることができ、特に2進化体のサーナイト2種に触る為に重宝するカードですが、コストの選択が難しいカードであり、4枚採用している時に4枚目の《ハイパーボール》を有効に使えていない(例:《ハイパーボール》のコストで《ハイパーボール》を捨てている、など)感覚があったため、3枚になっています。
基本超エネルギーの枚数が10枚とサーナイトデッキとしてはぎりぎりの枚数となっており、また、《クレセリア》にノーコストでアクセスできるカードでもあるため、《霧の水晶》の扱いには注意が必要です。
(もし枠が産まれてここからもう1枚ボールを追加するのであれば《霧の水晶》の3枚目がよいと考えています。)

《すごいつりざお》×3枚(★)
このカードの3枚目を採用することでサーナイトに対する認識が大きく変わりました。
当初は相手の《キルリア》や《サーナイト》を倒す動きに対するカウンターとして、ボール系のカードやドローサポート、《ミュウ》と合わせて盤面を即復帰することを目的として採用枚数を増やしたのですが、様々な副次効果が産まれ、デッキとしての動きの幅が広がっています。
(例)
・序盤に使った《サケブシッポ》《クレセリア》が倒された後にすぐに山札に戻し、相手のベンチポケモンを狙い続ける。
・「リファイン」や《ハイパーボール》のコストにポケモンを選択しやすくなる。
・終盤に基本超エネルギーを複数枚戻すことにより、「アルカナシャイン」で盤面にエネルギーを供給しやすくなる(≒《サーナイトex》を用意せずともワザを使うことが出来る、《頂への雪道》下でも動ける)他、《かがやくゲッコウガ》が相手のハンド干渉に対する受け札になりやすくなる。
・サーナイトの進化ラインのいずれかがサイド落ちしていて枚数が少ない時でも、使いまわしやすくなる。

2枚採用の場合、このいずれかの動きを諦めることになったり、最大効率で使わないと間に合わない=使用のタイミングが限定されることで相手の《ナンジャモ》に弱くなるといった事象に悩まされていたので、《すごいつりざお》の3枚目の存在の勝率への貢献度は非常に大きいと考えています。
採用枚数が多いとシンプルに使いたいタイミングで触りやすくなっていることも強みですね。

《カウンターキャッチャー》×3枚(★)
未来の一閃にて再録され、サーナイトにとって大きな強化要素となったカードです。
このカードによってグッズで相手のベンチポケモンをバトル場に呼び出すことが可能になったため、今までは《ボスの指令》にサポート権を割かなければならなかったところを、《ナンジャモ》や《セイボリー》のようなサポートと裏呼びの行動を両立することが出来ます

このデッキにおいては、序盤は盤面の形成・維持に注力し、終盤からカウンターしていくことを目指しているため、カウンター権利(サイド枚数が自分の方が多い状況)を取得しやすく、《サケブシッポ》《クレセリア》と合わせて的確に相手の嫌がるポケモンを倒していくことを可能にしています。

《ボスの指令》を採用せずにこのカードを3枚採用している理由ですが、ここまでにも何度か書いてきた通り、このデッキは序盤は盤面の形成・維持をひたすら優先して行動することを”メインプラン”として考えています。つまり、序盤に相手にサイドを先行されること許容する代わりにゲーム後半に強いアクション(例:《ナンジャモ》or《セイボリー》+《カウンターキャッチャー》)をとるという事です。これをこのデッキの一番強い動き(前項に倣うと”120点のプレイ”)と設定しています。
盤面をしっかり作る(維持する)ことでゲームの後半の再現性を取り、サイドレースに追いつけるギリギリまで待つことを選んだ結果、終盤に打ちたいサポートがほとんどの場合《ナンジャモ》になり、《ボスの指令》にサポートの権利を割いている余裕がないことに気付き、《カウンターキャッチャー》の3枚目が優先されました。

カウンター権利が取れない状況、たとえば、相手が事故っていて動きが鈍かったり、こちらの《ナンジャモ》《リバーサルエネルギー》《カウンターキャッチャー》を警戒して待ちの動きをしてきた場合には、
・こちらも待ってじっくり盤面と山札を作るターンにあてる
・《サケブシッポ》《クレセリア》で相手のシステムポケモンを狙って動きを鈍くさせる
・Vポケモンやexポケモンに対して削りを入れてサイドを取らない
・《サーナイトex》をファーストアタッカーとし、倒してもらうことでカウンター権利を取得する
など、サイドを調整しつつゲームを進められるプランも多く、《サケブシッポ》《クレセリア》が相手のベンチにも攻撃できることから、《ボスの指令》がなくても問題がないと判断しました。
もちろん、なにも考えずにサイドを取り続けてしまうとベンチに干渉する手段がなくなって負けてしまうため、カウンター権利の管理については強く意識しながらプレイする必要があります

《ふしぎなアメ》×2枚
早い段階から《サーナイトex》を立てて積極的にサイドを進めていく考え方であれば、《ふしぎなアメ》の枚数は多ければ多いほどに有効に働きますが、このデッキの場合はその対極にあり、「リファイン」の試行回数を増やして、ゲームの後半に向けて盤面と山札を作っていくことを主軸としているため、基本的には《サーナイト》《サーナイトex》には《キルリア》から進化することが多いことから、《ふしぎなアメ》の枚数は2枚でも充分であると判断しました。
《キルリア》から進化した《サーナイト》が倒される方が、《すごいつりざお》で《キルリア》ごと山札に戻すことができ、より強い山札を作りつつ、盤面の復帰を目指しやすいため、1段階ずつ進化することは重要です。
この考え方を適用すると0~1枚採用でも問題ないと考えることもできますが、《キルリア》が複数枚サイド落ちしている場合に必要であることや、『ミラージュステップ』から盤面を展開した時に《サーナイトex》を《ふしぎなアメ》を使って《ラルトス》から進化させた方が、総ドロー枚数が増えることから、2枚という枚数に落ち着いています。

ポケモンのどうぐ

《ゴージャスマント》×1枚
最初はスタートしない(負け筋にならない)《ザシアンV》という感覚で採用していたのですが、使っていくうちにその便利さに気付き、自分の中での評価が上がったカードです。
基本的には《サケブシッポ》や《サーナイト》につけることでそれぞれのワザの最大ダメージを伸ばし、HPの高いポケモンを倒すためのリーサル札として使います。《リバーサルエネルギー》の制約に縛られずに大ダメージを出すことができますが、サイド2枚分のアタッカーで大きなダメージを出すだけであれば《ザシアンV》でも同じことができます。

《ザシアンV》との差別化点としては、
・《サケブシッポ》につけることでベンチに対しても大ダメージを出すことができる
・《ラルトス》や《キルリア》につけることで《テツノブジンex》の「タキオンビット」や《チャーレムV》の『ヨガループ』で倒されることを防ぐ
・ロスト軸との対面で盤面からHP120以下のポケモンをなくすことで勝つためのハードルを高くする
…など、他にも用途はたくさんありますが、状況や相手のデッキに応じた細かい使い方ができるのが《ゴージャスマント》の良いところです。特にブジンエンテイやロスト軸のデッキでの活躍を評価しています。
反面、《ザシアンV》と違ってサーチする手段がないという短所も抱えており、だからといって引いたタイミングで焦って使おうとして付け先の判断を誤ってしまうと負け筋となってしまうため、扱いには注意が必要です。

サポート

《ナンジャモ》×4枚
序盤は手札補充として、中~終盤は相手の手札に干渉することを主目的として使います。このデッキにおいては、序盤はサイドを取らずに盤面の展開を優先することが多く、6枚ドローで使うことできる機会が多くなっています。
《ともだちてちょう》を採用していないため、ハンド干渉として使う場合には相手の動き方やリソースの消費状況を確認しながら的確なタイミングで使っていくことが重要です。手札をデッキの下に送る=山札にあるカードを引きやすいという性質のハンド干渉であるため、使いどころを間違えると相手を助けることになってしまいます。
また、ハンド干渉として使う際もより強い行動との組み合わせ、たとえば、《カウンターキャッチャー》と合わせたり、相手の盤面からアタッカーがいなくなる(次のターンアタッカーを育てなおす必要がある)状況に合わせたりと返しの行動のための要求枚数がより多くなるような使い方を目指します。

《さぎょういん》×2枚(★)
このカードは決してドローサポートとしての性能が高いとは言えませんが、それでも2枚採用している理由としては、以下の2点が挙げられます。
・《頂への雪道》を剥がせるカードをデッキ全体として4枠用意したい
・スタジアム+ドローサポートの役割を《さぎょういん》に圧縮することでドローサポートの枚数を担保しつつ、デッキの枠を作る

1点目については、環境に常に一定数存在するロストギラティナやフュージョンミュウといった《頂への雪道》+ハンド干渉を押し付けてくるデッキに対して、基本的には有利を取れていると考えているものの、どちらもデッキパワーの高いデッキであることから対策札を甘えると足元をすくわれてしまうと考えており、《頂への雪道》4枚採用している構築に対しても対抗できるようにこちらもスタジアム枠のカードが4枚採用することにしました。この副次効果として、他の対面でも《ボウルタウン》《ビーチコート》《ポケストップ》などのスタジアムを割りやすくなることで相手のリソースを消費させ要求値を上げやすくなりました。

2点目については言葉の通りではありますが、入れたいカードを採用したうえでドローサポートを8枚確保できたため、継続的にサポートを打つことに貢献してくれました。後述の《セイボリー》にも同じことが言えますが「リファイン」だけではそのターンの目標にあと1枚足りず、《ナンジャモ》で自分や相手の手札を山札の下に送りたくない、といった場面での3枚の縦引きは使い勝手が良いです。

《セイボリー》×2枚
《サケブシッポ》《クレセリア》《カウンターキャッチャー》と合わせて使うことで相手の盤面を崩すために採用しています。
使いたい場面でのタッチしやすさ、盤面を作って戦ってくる相手に対して2回打ち込みたい、ドローサポートの枚数を多く確保したいなどの理由から、《バトルVIPパス》を1枚削って2枚目を採用しました。
《カウンターキャッチャー》を3枚採用しているおかげで、相手の盤面に《セイボリー》の効果でトラッシュされたくないポケモン(《ネオラントV》や《イキリンコex》など)がいる時に先に《カウンターキャッチャー》で呼び出してから《セイボリー》を使う、といった動きをすることも可能です。

スタジアム

《崩れたスタジアム》×1枚
主に《サーナイトex》を盤面から消すために使います。
盤面を維持するためにサイドの遅れを許容するという考え方でデッキを組んでいる以上、サイドレースに遅れたうえで《サーナイトex》を一撃で倒されてしまうと間に合わなくなってします。相手の手札や盤面への干渉を繰り返し行うことで要求値をあげることで《ボスの指令》を使われることを遠ざけることを基本としていますが、こちらが序~中盤にそれを遂行できなかったり、相手に乗り越えられたりするケースは少なからず発生するため、1回のワザ宣言でサイド2枚を取得できる状況を物理的に否定する手段は必須であると考えました。
同じようなことができるカードとして《フトゥー博士のシナリオ》があり、あちらは《サーナイトex》を消す以外にも「リファイン」「アルカナシャイン」「かくしふだ」を使いまわしたり、疑似的な入れ替え手段になることができますが、このデッキでは《頂への雪道》に対するカード枚数の確保や《ナンジャモ》と合わせて使うことができること、比較的たねポケモンを多く採用している(+《すごいつりざお》を3枚採用している)ことから《崩れたスタジアム》を優先しました。

《災いの荒野》×1枚(★)
《さぎょういん》とハンド干渉は両立せず、多くの対面で《ナンジャモ》を打ちながらスタジアムを割りたい場面があったため、《ナンジャモ》と合わせて使って強いスタジアムを探していたところ、このカードに行きつきました。積極的採用というよりは、他のスタジアムと比較して消去法で決まった枠なので、他の候補カードの不採用理由を挙げていきます。
・《ボウルタウン》:相手の展開を助けてしまい、コンセプトに反するため×
・《崩れたスタジアム》:2枚目は自分の展開の邪魔になることの方が多かったため×
・《月明りの丘》:回復効果については《クレセリア》の『ムーンナイトリバース』で十分であり、基本超エネルギーのトラッシュ手段という観点ではカウンター権利を取って《リバーサルエネルギー》を使ったり数ターンかけてトラッシュしていけば十分であること、エネルギーを落としたい序盤では回復効果が《サケブシッポ》のワザとアンチシナジーであることなどの理由から×
・《頂への雪道》:採用意図としては悪くなかったが、そもそも《頂への雪道》を割る為の枠でもあるため×
…など、いろいろと検討していった結果、最終候補として《災いの荒野》と《ポケモンリーグ本部》の2種類が残りました。
私がシティリーグに参加するタイミングでは、《トドロクツキex》と《かがやくリザードン》を採用したロストバレットが増えていたことやこのデッキのメインの動きでもある《サケブシッポ》《クレセリア》《カウンターキャッチャー》と相性が良いことから、《災いの荒野》を採用するに至りました。
(※《災いの荒野》はKさん(@K_pokemonTCG)が提案してくれました!BIG TY…)
最終ターンに《ナンジャモ》によるハンド干渉で勝負を仕掛ける際に、ゲーム終盤は《ボスの指令》1枚で解決されてしまいがちなところを、このカードと《カウンターキャッチャー》を合わせて使うことで追加の要求を作ることができ、また、《ムーンナイトリバース》を複数回使って盤面に分散して貯まってしまったエネルギーをトラッシュに送りやすくなったりと活躍の場面は非常に多かったです。
採用経緯からもわかる通り、例えばミライドンを強く意識する場合は《頂への雪道》や《ポケモンリーグ本部》を採用するなど、この枠については環境に応じたカスタマイズとして使うことを検討しても良いかもしれません。

エネルギー

《基本超エネルギー》×10枚
《リバーサルエネルギー》×2枚

《基本超エネルギー》については、最終盤で《ゴージャスマント》をつけた《サケブシッポ》や《サーナイト》で330以上のダメージを出すときに9枚のエネルギーが必要となるため、10枚でもかなりギリギリの枚数ではありますが、カウンター権利を維持して《リバーサルエネルギー》活用したり、高HPのポケモンを無視しながらサイドを取り切るプランもあるため、この枚数でもなんとかなっている(欲を言えば11枚目を採用したい)という状況です。《すごいつりざお》を3枚採用していることから、トラッシュに送りすぎてしまっても山札に戻してから「アルカナシャイン」で付けることができます。
《リバーサルエネルギー》もコンセプトに非常にマッチしており最初期のリストでは3枚目を採用していましたが、よりプランが広がる《ゴージャスマント》に1枠譲っています。
《サーナイトex》が狙われる前のターンに《キルリア》や《サーナイト》に手貼りしておくことで、次のターンに《サーナイトex》を立てずとも2枚目の《リバーサルエネルギー》や「アルカナシャイン」を合わせてVstarや2進化exを倒すダメージを出すことが可能です。相手としても《リバーサルエネルギー》がついているポケモンを狙いたくなるため、貼り先による《ボスの指令》の消費誘導やこちらの盤面のポケモンの価値の分散させる駆け引きなど、心理戦を含めた勝負をすることもできます。もちろん、貼ることによる裏目もあるため、判断は慎重に行いましょう。

不採用カード

枠の都合で採用を断念したカードについては、各カードの解説内で記載しているため、ここでは”一般的には採用されていることが多いが意識して採用を外したカード”を紹介します。
※他のリストを否定・批判するような意図は一切なく、あくまでの私のこのデッキにおける考え方を述べています。

《博士の研究》
状況に依らずにいつでも7枚ドローし、山を掘り進めることができるため非常に強力なサポートなのですが、《ともだちてちょう》を採用していないことや《カウンターキャッチャー》や《すごいつりざお》、《ふしぎなアメ》、スタジアム、《ゴージャスマント》などの不可逆なリソースをトラッシュしてしまうことを嫌って不採用としました。
その分ドローサポートの枚数は比較的多めに採用しており、ロングゲームを仕掛けることを前提としているため、このカードを採用せずとも山札を掘り切ることが可能です。

《ザシアンV》
《ゴージャスマント》の項でも説明していますが、スタートした際に負け筋になりやすく、ドローサポートの枚数を増やす分1枚1枚のパワーを落としているため、ゲームターンが縮まること自体がこのデッキの出力を低下させてしまいます。
元々のHPが高いことから《リバーサルエネルギー》や《ゴージャスマント》に依存せずにボール1枚から高いダメージを出していける強みもあるため、また別の方針のサーナイトであれば強力なポケモンであることは間違いないのですが、相手に取らせるサイドをコントロールしていきたいこのデッキとはマッチしませんでした。

《ボウルタウン》
《サケブシッポ》や《セイボリー》などのカードを駆使して相手の盤面を崩すことを序盤の基本ムーヴとしているため、その後のターンに盤面に残って相手の再展開を手助けしてしまうこのカードを採用しないことは強く意識しています。再展開の際にボール系のカードを消費してもらうことで、終盤の《ナンジャモ》を打った後の相手の山札の当たり札を1枚でも少なくしよう、という考え方です。
余談ではありますが、ゲーム全体における《カウンターキャッチャー》の使用枚数が2枚以下で足りると判断した際には、相手の適当なアタッカー以外のポケモンを呼ぶことで入れ替え札やエネルギーのリソースに対して負荷をかける使い方をすることもあります。
このように中盤までに相手に負荷をかけてリソースを消費させて、終盤の《ナンジャモ》をより強力にすることは意識しながらプレイしています。(不要なカードを消費して自分の山札が強い状況を作る行動の反対で、相手には有効な札を早い段階で消費してもらい、山札があまり強くない状況を目指します)

デッキの基本方針/立ち回り

サーナイトというデッキは要所での分岐の判断が多く、「リファイン」「アルカナシャイン」でのドローの結果によって行動が変わることも多いデッキであるため、デッキとしての大きなプレイ方針を用意しておくことは重要です。現行のポケモンカードの公式戦は制限時間が25分であり、ターン数の多いゲームを仕掛けるデッキはこの事前準備をしていないと制限時間内に勝ち切ることは難しいと考えています。(対戦相手とのコミュニケーションやカードを触る所作も重要な要素ですが、今回は割愛します)
ここでは、この60枚のリストを使う上での全体的な方針・基準をゲームの序盤・中盤・終盤に分けて簡単に紹介していきます。

序盤

①《ラルトス》《キルリア》をたくさん展開して盤面を形成する
当たり前すぎる題目となってしまいましたが、ここで重要になるのはその展開手段です。
このデッキでは《バトルVIPパス》と「ふしぎなしっぽ」の《ミュウ》を採用していますが、基本的には『ミラージュステップ』の《キルリア》を使って展開することが望ましいです。
『ミラージュステップ』による展開の方が「リファイン」の《キルリア》の横に《ラルトス》がいる状況が作りやすく、相手が《キルリア》を倒してきた返しのターンで《すごいつりざお》で《キルリア》を山札に戻し、前のターンから場に存在していた《ラルトス》から進化することですぐに「リファイン」を使うことができます。『ミラージュステップ』による展開でも《ラルトス》を3体は置いておきたいです。
『ミラージュステップ』の《キルリア》がサイド落ちしている際は、その分ベンチが1~2枠空くため、そこに《ミュウ》や《かがやくゲッコウガ》を置いて盤面を作っていきます。

②基本超エネルギーをトラッシュする
前項に引き続きサーナイトを使う上で当たり前の内容ですが、このデッキのにおける超エネルギーのトラッシュ手段をしっかりと認識しましょう。
改めて列挙してみると、
・バトル場のポケモンにエネルギーを手貼りして逃がす
・「リファイン」の手札コスト
・《ハイパーボール》の手札コスト
・「かくしふだ」の手札コスト
と手札をトラッシュするサポートを採用していないこともあって、実はエネルギーのトラッシュ手段は多くないため、例えば「アルカナシャイン」の《サーナイト》や《ふしぎなアメ》を持っていたとしても進化せずに「リファイン」のままで番を終えたり、《ハイパーボール》を使えばそのターンにワザ宣言することができるしても、ゲーム中トラッシュしなければならない超エネルギーの枚数とそのトラッシュ手段を逆算して待ちの選択を取ることがあります。

③サイドを進めるべきか迷ったときに”待つ”選択をする
序盤の”待ち”については基本的に
・盤面を強固にして山札を掘り切る準備をすること
・相手に先にサイドを取得してもらうことでカウンター権利を取得すること

の2点を目的とします。
サーナイトというデッキは基本的に相手の《ナンジャモ》に弱いです。我慢せずにサイドを取ってしまうと相手にカウンターの権利を渡すことにおなりますし、盤面が貧弱な状態でサイドを進めても《ナンジャモ》を打たれた後に何もできなくなってしまいます。そもそもこのデッキはカウンター権利を取り続けることを前提としているため、想定しているサイドプランの中でサイドレースが追いつけるギリギリまではひたすら盤面・山札の準備に勤めます。

中盤

①相手の盤面を崩す
ここまでで何度か”崩す”という表現を使っていますが、ここでの”崩し”は基本的に相手のシステムポケモンを倒しつくすことを指します。ここで相手の動きにつながるポケモンを先に倒しておくことで、終盤の《ナンジャモ》を通す準備をする、もしくは相手が《ナンジャモ》を打つのが難しい状況を作ってから逃げ切ります。
システムポケモンは基本的にベンチにいるため《サケブシッポ》《クレセリア》のワザを使って狙撃していきます。相手がベンチのポケモンを守るために《ジラーチ》《マナフィ》を置いている場合、片方であればそのポケモンの特性に非対応のアタッカーを選択し、両方いる場合は相手のベンチがその分狭くなっているという事なので《カウンターキャッチャー》を使って的確に倒していきましょう。
システムポケモンが複数体いるうえで《ジラーチ》《マナフィ》がいる場合に有効なのが《セイボリー》です。相手にトラッシュの選択を見てから、後出しじゃんけんのような形で有効なワザを使っていきましょう。

②盤面を維持する
サーナイトは「リファイン」の《キルリア》を倒されてしまうと出力が落ちてしまうことは周知の事実であり、相手もそれを狙ってきます。
”盤面を維持する”うえで大事なことは「アルカナシャイン」の《サーナイト》でワザを使うことを極力避けることです。なるべく《サケブシッポ》《クレセリア》が最初にワザを使うようなサイドプランを組み立てるのが理想ですが、使いたいアタッカーのどちらかがサイド落ちしていたり、ボールに触れなかった場合などは《サーナイトex》も積極的にアタッカーとして使っていきます。サイドを2枚とられるリスクもありますが、倒された場合でもカウンター権利を維持しやすい展開になりますし、その分「リファイン」の《キルリア》が残っているため、返しのターンでも再び《サーナイトex》を育てなおすことは容易です。
これらのアタッカー選択の目的としては盤面の維持以外にも「リファイン」の《キルリア》を取る為に《ボスの指令》を要求することにあります。ドローサポート以外を選択させることで相手はそのターン山札を掘り進めることができませんし、《ボスの指令》を消費することで終盤に勝つための同カードが山札か1枚減ることになり、こちらの《ナンジャモ》がより強力になります。

③盤面を復帰する
「リファイン」の《キルリア》を倒された返しにすぐに復帰するためには《すごいつりざお》を使って山札に戻した後、再び手札に引き込む必要があります。ここで重要になるのが《ミュウ》《かがやくゲッコウガ》の2体です。
《すごいつりざお》を3枚採用しているため、この場面で盤面に残った《キルリア》の「リファイン」、《ミュウ》の「ふしぎなしっぽ」、《かがやくゲッコウガ》の「かくしふだ」を使うことで《すごいつりざお》+ボール系のカードの組み合わせに到達しやすくしています。ドローサポートの枚数も厚くしているため、この過程でドローサポートに触れやすく、連鎖的にドローして復帰手段に到達しやすいように構築しています。
自分や相手の《ナンジャモ》で山札の循環状況をある程度把握できている場合は、《すごいつりざお》の現物だけでなくドローサポートも準当たりとしてとらえると、目的に到達する確率の概算や山を混ぜるかどうかの判断しやすいです。

④カウンター権利の管理
《ナンジャモ》《カウンターキャッチャー》《リバーサルエネルギー》を最大限活用していくデッキのため、カウンター権利をコントロールすることは、勝利を目指すうえで非常に重要な要素になります。
カウンター権利を維持するための動きにも、例えば、相手がバトル場にVやexなどのサイドを2枚以上取れるポケモンがいる場合には《サケブシッポ》《クレセリア》《カウンターキャッチャー》を使ってベンチの非ルールポケモンを倒すほかに、倒さない程度にバトル場のポケモンに対して削りを入れる、殴らずに待つなどの選択肢があるので、「リファイン」でのドローをする前にある程度ゴールを設定しておくとコストが選択しやすくなります。
また、もう一つ重要なこととして、ゲームに勝つために必ずどこかでカウンター権利を放棄するタイミングが訪れます。基本的には最後のターンにサイド2枚を取って勝つプランが最もカウンター権利を保持ですが、相手の盤面に非ルールのポケモンしか存在しない場合などはカウンター権利を相手に渡すことになります。
カウンター系のカードの特徴として、このデッキがそれを体現していますが、《ナンジャモ》+《カウンターキャッチャー》を代表例に複数枚のカードを組み合わせることで強力な動きをするため、それらを揃えさせないためにカウンター権利を放棄するタイミングでこちらから《ナンジャモ》を使いましょう。
このデッキには《ともだちてちょう》が入っておらず、ゲーム中に相手の手札に干渉できるのは最大4回しかないため、《ナンジャモ》でハンド干渉をする際は、”相手にされたくない動き”に必要なカードの枚数を逆算してから、的確なタイミングで打ち込んでいきましょう。タイミングを誤ると相手の動きを助けることになりかねません。

終盤

①負け筋を消す
終盤については基本的に中盤までで盤面を維持し、相手の盤面を崩すことができていれば、こちらは山札をほとんど引き切れているはずなのであとは相手のポケモンを倒しきるためのパーツを揃えるだけになります。
しかし、中盤の崩しが不十分であったり、相手が崩しから盤面の復帰に成功している場合には、こちらの盤面から最後の負け筋になる《サーナイトex》を《崩れたスタジアム》を使って消す行為が必要になります。この場合、相手のポケモンを倒す準備の他に、《崩れたスタジアム》+ベンチを埋めるためのポケモン+次のターン再び《サーナイトex》を立てる手段まで揃える必要があるため、このプランまで見据えてリソース、および制限時間を管理する必要があります。

サイドを先行するパターンについて

このデッキは《カウンターキャッチャー》の採用枚数からもわかる通り、デッキ全体としてかなりカウンター権利の維持を前提としています。
そのため、カウンター権利を取ることができていれば、中盤以降のプランは単純でカウンターカードをフルに活用してプレイしていけばよいのですが、逆に判断が難しくなるのが、相手の事故や待ちのプレイによってこちらがサイドを先行する時です。
ここでは、サイド先行時に私が意識していることをいくつか取り上げます。

①動き始めるのは盤面の準備ができてから
デッキの基本コンセプト通りではありますが、お互いにらみ合いの展開になるときはより強く意識するべきです。
サイドを取る=相手にカウンターカードの仕様権利を渡すということなので、《カウンターキャッチャー》+《ナンジャモ》のような動きをされても動きが止まらないくらいの盤面を作ってからワザ宣言していきましょう。
カウンター権利を持っていなくても、ある程度は《サケブシッポ》《クレセリア》によって相手のベンチポケモンに攻撃していくことはできますし、《リバーサルエネルギー》がなくとも、《ゴージャスマント》を付けた《サケブシッポ》《サーナイト》によって一度だけであれば大火力を出すことは可能なので、リソースをキープしつつ盤面差を作れているのであれば逃げ切りのプランも選択肢に入れます。

②《サーナイトex》を積極的にアタッカーにする
サイドを先行する場面において、
・HPが高いため、一撃で倒すこと/無視してベンチを呼び出すことの要求を作ることができる
・一度相手の攻撃を耐えた場合に《崩れたスタジアム》で場から退場させることで攻撃を一度なかったことにできる
・倒された際にカウンター権利を取得できるうえ、「リファイン」の《キルリア》の数が減らない
など、《サーナイトex》をアタッカーにする利点は多いです。
このことから、序盤の盤面形成時に《サケブシッポ》や《クレセリア》分のベンチを確保しておきたいが、その場合に《ラルトス》を何体展開するのか、空いたベンチに《かがやくゲッコウガ》を置いてもよいのかと悩む場面があるかと思いますが、可能な限り展開してしまって問題ないと考えています。(※《セイボリー》のケアはここでは考えないものとする)
相手がサイドを進めてきた場合はその分ベンチが空きますし、埋まったままでも《サーナイトex》をアタッカーとすることのデメリットが少ないためです。

③大ダメージを出すための手段を意識する
サイドを先行し、カウンター権利を使わずに高HPのポケモンを倒したい場合、《リバーサルエネルギー》を使わずに大ダメージを出す必要があるため、以下の3点を意識します。
・《ゴージャスマント》の活用
・《クレセリア》の『ムーンナイトリバース』を使ってエネルギーを貯める
・山を掘りきって《すごいつりざお》+「アルカナシャイン」でエネルギーを供給する

基本的にはバトル場の高HPポケモンは相手にせずにベンチポケモンを狙って、最後の1回だけ《ゴージャスマント》を絡めて大ダメージを出して勝ち切る、という展開に持ち込みたいのですが、《ジラーチ》《マナフィ》の存在や手札・サイド落ちの噛み合いによって2回以上高火力を要求される場面は少なからず存在します。
そういった試合では基本的に途中で待ったり、2回の攻撃で相手のポケモンを倒すなどして、カウンター権利を取りに行くのですが、制限時間を意識して前のめりにならざるを得ないといった場合もありますし、これらの手段を頭に入れていくことでプレイの選択肢が広く持っておきましょう。

各対面のプラン

基本的にどの対面でも「デッキの基本方針/立ち回り」に記載した事項に倣って、じっくり盤面を作りながらカウンターカードを活用して戦っていくのですが、対面ごとに注意すべき点などもあるので、ここではそれらを解説していきたいと思います。

リザードンex

基本的には有利ですが《リザードンex》が《サーナイトex》を一撃で倒すことができるため、それがを2回通してしまうと負けます。2回目を避けるために《崩れたスタジアム》で《サーナイトex》を消すことを前提にプレイしていきましょう。
ピジョット型、ビーダル型、リファイン型に分けて記載しますが、どの型でも基本的にはそれぞれのシステムポケモンを先に倒していき、《ボスの指令》の使用を遠ざけながら戦っていくことは共通事項です。

ピジョット型
最近は《ボスの指令》の採用枚数が増えてきていることから、《サーナイトex》はほぼ確実に一度倒されるので、それを前提にサイドプランを組みます。
基本的には《ピジョットex》から倒しながら2-2-2のサイドプランを目指すため、サイド枚数が6-4から動き出せば間に合います。それまでの間にトラッシュに基本超エネルギーを5枚以上落としつつ、「アルカナシャイン」の《サーナイト》を育成し、《カウンターキャッチャー》を探しましょう。
サイドプランに《ロトムV》を絡められるとこちらの要求が下がりますが、大抵相手の《崩れたスタジアム》で場からいなくなってしまうので、《セイボリー》は気にせず打ってしまって問題ありません。「スターアルケミー」を使われる前であれば《森の封印石》の貼り先がいなくなるとリザードン側も少しだけ困るはずです。《カウンターキャッチャー》は2枚使えれば十分なので、余裕があるときは《カウンターキャッチャー》で《ロトムV》を呼び出してから《セイボリー》を使う選択肢もあります。
また、《ロストシティ》が採用されているケースもあるため、基本的には「アルカナシャイン」の《サーナイト》で攻撃する時は「リファイン」の《キルリア》から進化して《すごいつりざお》で戻す価値を高める方が良いのですが、サイド落ちの状況などにより《ロストシティ》による被害を最小限に抑えたい時は《ふしぎなアメ》や『ミラージュステップ』の《キルリア》から進化して攻撃すると良いです。
最後のサイド2枚は《ゴージャスマント》+《サケブシッポ》で取ることができるため《ロストシティ》でロストされてしまったとしてもアタッカーの数は足りているはずです。

ビーダル型
システムポケモンが複数体並びにくい上、HPも低いので《サケブシッポ》を使って《ビーダル》から倒していくと相手の動きが鈍くなり、山札も掘られずに分厚いままなので、後続アタッカーの育成+《ボスの指令》を揃えられにくくなります。
序盤は正面の《リザードンex》は無視しての1-1-2-2のサイドプランが基本になります。

リファイン型
システムポケモンのHPが低いのはビーダル型との共通で《サケブシッポ》《クレセリア》を使って倒していくのですが、相手の《キルリア》が複数体並びやすいので《セイボリー》を上手く使って崩していきましょう。
《ピジョットex》と比較して盤面復帰されやすく、「バディキャッチ」の《エルレイド》を作られてしまうと《ボスの指令》に到達されてしまうので他の型と比べると少しだけ難しい試合になります。
相手の盤面が出来上がるスピードもゆっくりなので、その分サイド6-5からスタートできる展開も多くその場合は1-1-1-1-2のサイドプランも検討します。

ミライドン

まず、私がシティリーグに参加するタイミングでは、《ピオニー》を軸にした後攻1ターン目に《テツノカイナex》の『ごっつあんプリファイ』を宣言することに特化した形は多くなかったこともあり、ミライドン側の理論値展開についていくことをある程度割り切っています。

『ごっつあんプリファイ』を宣言されなかった場合、ミライドン側のポケモンはほとんどがサイド2のルール持ちポケモンで構成されているため、サイドが6-3からでも2-2-2とサイドを取れば勝つことができるのですが、メインアタッカーが「アルカナシャイン」の《サーナイト》になり、盤面のシステムポケモンが毎ターン削れていくことでハンド干渉に対する耐性は下がっていくため、「リファイン」の《キルリア》から進化した《サーナイト》でワザ宣言し、《すごいつりざお》からすぐに盤面を復帰できるようにするなど細かい意識が勝率に影響しやすいです。

こちらがサイドを取る前に相手に『ごっつあんプリファイ』を2回宣言され、サイド6-2からスタートする場合でも、《テツノカイナex》を倒した後、1ターンサイドを取られないターンを作ることで勝利できるので、諦めずに勝ち筋を追っていきましょう。
ターンの作り方としては、《ナンジャモ》を打ちつつ、
《イキリンコex》《ミュウex》を《サーナイトex》で倒す:ライチュウV)によるワンパン、アタッカー再育成+《ボスの指令》の割り切り
《モココ》やエネルギーのついていないポケモンを《カウンターキャッチャー》+《災いの荒野》で縛り、《ゴージャスマント》+《サケブシッポ》でベンチポケモンを倒す:入れ替えカードの割り切り
などがあるので、「イキリテイク」や《ピオニー》によるリソースの巻き込み状況や相手のアタッカーの育成状況を見ながら、より確率の高い方法を選択します。

また、『ごっつあんプリファイ』の返しのターンに、サイド枚数6-4からワザ宣言ができそうであっても、後続の盤面が伴わないのであればサイド6-2からのスタートを受け入れて『ミラージュステップ』を宣言して盤面をしっかり作った方が体感の勝率は高いです。

《テツノカイナex》の登場によって、完全にサーナイト側が不利な対面となり、メタカードの採用も考えていましたが、他の対面で使う機会の少ない《ミミッキュ》や《クレッフィ》、《デオキシスVstar》などのメタカードを採用してデッキパワーを落とすよりは、コンセプトに沿った素のデッキパワーを上げること重視して、今に至っています。

サーナイト

所謂ミラー対面ですが、《サケブシッポ》《クレセリア》による《ラルトス》《キルリア》の削り合いになるため、こちらはより強度の高い崩しを行うための《セイボリー》を2枚採用していること、《すごいつりざお》3枚によって盤面の復帰がしやすいことから、これらの要素がないサーナイトに対しては比較的有利を取れています。
ミラーでも基本的にやることは変わらず、カウンター権利を維持しながら盤面を崩し、サイド3→1やサイドを取りきるタイミングで《サーナイトex》を倒すことを狙いましょう。

《サケブシッポ》の登場以後は盤面の《ラルトス》《キルリア》《サーナイト》を守るために《マナフィ》を置くこと・《すごいつりざお》で山札に戻すことの重要度が上がりました。
《クレセリア》で《マナフィ》を倒して、最後に《ゴージャスマント》+《サケブシッポ》で相手の《サーナイトex》を倒すといった積極的プランが存在することも頭に入れておきましょう。
相手の《マナフィ》や《かがやくゲッコウガ》を《災いの荒野》を置いた状態でバトル場に呼び出すことで要求値を上げてターンを作ることもできます。
(※自分が相手に同じことをされないように置くタイミングやスタジアム関連のカードの管理には注意)

ギラティナ

基本的には有利ですが、ギラティナ側が人によってプレイの方針が異なることと《頂への雪道》を割るためのカードの管理には注意しましょう。

ギラティナ側が序盤から『おとぼけスピット』で積極的にサイドを進めてくる場合
従来通り《ナンジャモ》を複数回押し付けながら《クレセリア》の『ムーンナイトリバース』によって相手の入れ替え札に負荷をかけている間にこちらの盤面を作っていきましょう。
このデッキには採用していませんが、《月明りの丘》《ジラーチ》の存在によって、《ヤミラミ》の『ロストマイン』で複数枚サイドを取るプランを取りにくくなっているため、ギラティナ側がサイドを一度に2枚以上取るためには《サーナイトex》を一撃で倒す必要があります。
その手段が基本的に《ギラティナVstar》の『スターレクイエム』しかないため、展開を予想して《リバーサルエネルギー》を事前に手貼りしておくなどの準備をしておきます。

ギラティナ側が『アビスシーク』から入って待ちながらロストを貯める場合
『アビスシーク』を宣言するための《ギラティナV》以外に《サーナイトex》を倒すための《ギラティナV》が必ず出てくるため、そこで2-2とサイドを取ることができます。
「はなえらび」《アクロマの実験》『アビスシーク』でロストしたカードは常に確認し、重要そうな札をキープしたことが推測できたのであれば、序盤からでも積極的に《ナンジャモ》を使っていきましょう。

また、他対面以上にカウンター権利の管理が重要になります。不用意にサイドを取ってしまうと《カウンターキャッチャー》《ツツジ》から盤面・手札ともに崩されてしまうので、序盤はサイドを取らないようにしつつ、《ギラティナV》に削りを入れておきましょう。
事前に《ギラティナV》にダメージを入れておくことで、カウンター権利をこちらが獲得しやすくなると同時に、《サーナイトex》を立てずとも《リバーサルエネルギー》などを使って《ギラティナV》《ギラティナVstar》を倒すことができるようになります。

《ツツジ》が使用可能になるサイド3にならないように1-1-2-2といったサイド進行をすることや《ツツジ》を打たれても盤面のドローによって《頂への雪道》を解決しやすいような準備をすることも大事です。

追記しましたがまた力尽きたので後でまた追記します。

終わりに

お疲れ様でした。長すぎです。
最後までこんな駄文を読んでくれた方はありがとうございました。斜め読みや飛ばし飛ばしでも嬉しいです。
少しでも気になった点があればX(旧Twitter)のリプライ・DMまでお気軽にどうぞ→(@asapi2034
もうちょっと簡潔にわかりやすく文章をまとめられるようになりたいものです。

古代の咆哮/未来の一閃が発売されてから今日まで、環境に存在するデッキタイプやその中身が目まぐるしく変化しており、難しくもありますが考察しがいのある楽しい環境でした。

シティリーグでは2シーズンとも同じデッキを使ったわけですが、練習の過程でこんなにもたくさんのデッキを作ったり練習したりした環境は2019シーズンにポケカを始めて以降、初めてだったかもしれません。
今回は身の丈に合っていて、且つ、《カウンターキャッチャー》をはじめとした自分の好きな要素を詰め込んだデッキを作れたのかなと思います。それだけにもうちょっと勝ってJCSの権利は取りたかったなという思いは少しだけありますね。
しかし、《テツノカイナex》が発表された時とか「あ~サーナイトの時代はもう終わったんだな…」って思ってましたが、なにが起こるかわからないものです。

1月26日にはレギュレーションが変わり、環境がまた大きく変化しますね。
京都CLで発表されたカード群だけでもすでにワクワクしています。
新しい環境でもまた楽しくポケモンカードしていけたらなと思っております。

2024年もどうぞよろしくお願いいたします。


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