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憧れの景色を歌うこと(今年はマイペースに音楽やるよという話とちょっと病気の話)

小さい頃から音楽が好きで、
将来はミュージシャンになりたいと思ってたこともある。

ミュージシャンにはなれなかったけど

でも完全に止めることはなく、
細々続けているのはやっぱり音楽だったりする。

モチベーションにはムラがありすぎて、
数ヶ月〜年単位で放置した後によしやろう!と思い立つから
録音機材とかのセッテイングの仕方も毎回忘れてあたふたしてしまう。

でも、自分だけのために、
なんの得にもならないはずの音楽をしてるときに
自分は自分に戻ってるのかなあと最近思う。

1人でピアノに向かって、あれこれイメージを膨らませてると
昔、憧れた景色が脳裏に蘇る。

都会の熱帯夜、ラジオからルー・リードが流れてくる情景
明け方の海辺で、綺麗な男の子が笑う姿
極彩色のジャングル
オレンジから漆黒のグラデーションの空の下人々が息づく、開拓前線の夜
アルコール、湿気ったタバコ、バニラの匂いが漂うジャズバー

そういう景色を心の奥から取り出して、
憧れに手を伸ばす気持ちで鍵盤に指を落として、
気まぐれな言葉を載せて歌うと

ああそうだ、世界は美しいんだと思い出す。
根拠や理由は何もなくて、ただそう感じるだけ。

そして、私には世界は美しいということ以外に、
言いたいことはないかもしれない。

何か強烈に伝えたいメッセージもない。

歌ってみたい景色や世界観と、
そこに紐づく感情の塊のようなものがあるだけで。

小さい頃は、そんな憧れの景色の中を生きていたような気がする。
心の中に憧れを詰め込んだ小さな宇宙があって、うっとりしてる感覚。

でも大人に近づくにつれて、
そんなものが将来、いったい何の役にたつのかとか、考え出すようになって、
憧れの景色は少し色あせたように思えた。

例えば仕事の場ではプレゼンは端的に結論からとか、コアメッセージが大事とか言うけれど
(それはもちろん、想いを持って物事を進めるために必要で、とっても重要なんだけど)

そういうものをなぜか、誰のためにかわからないけど常に意識するようになって、
生きていくにも、何か表現するにも
何かそこには理由がなくちゃと思い込んでた。

そんな理由を強烈に提示できないし、
世界を変えてやろうとも思えない自分にコンプレックスを感じるようになった。何か言いたいことを探そうと、周りと自分を比べながら苦しんでた気がする。

でも最近思った。
別になくてもいいじゃん。

それは、ある人に
頭で考えすぎなんじゃない?好きにも嫌いにも理由はなくていいよ。
と言ってもらったことがきっかけだったりするのだけど。

心に秘めた憧れだけを歌ってもいい。
明け方の海辺に佇んでた、名も知らない君のために歌ってもいい。
タバコをくゆらせながらWaltz for Debbyを歌うあの歌手に、なりきったっていい。

今まではそれを、夜の片隅でこっそりひっそりやっていたけど、
それは1つの自分らしさなのかもしれないから、

堂々としてみることにしました。

気まぐれなので、続かないかもだし、
時々やる気になってアップ数が増えたりするかもしれないけど

録音がしょぼいとか、アレンジできてないとか音外したとかBメロがまだ微妙とか。

そういう躊躇をできるだけ取っ払って出したいときに出そうと思います。そうして、自分の中に憧れの景色がまた増えていったらいいな。

もう1つ音楽をやりたいなと思ったきっかけは、3月からはじめる持病の治療。

不治の病じゃないし数ヶ月〜で目処はつきそうだし、その間も働けなくなるような治療じゃないけど、副作用とか少し不安はあって。
いつもよりは内省的になるだろうし、自分に向き合わなきゃいけないなと思ってる。

不安も、揺れる心も、いい音楽に繋がるかもしれないと思ったらずっと気持ちが楽だから。

そんなこんなで、今年は自分のためにマイペースに音楽をやりますという話でした。

最近久しぶりにアップしたのが、「The island of joy」というオリジナル曲。(これは録音頑張ったほう)


画家のゴーギャンをモデルにした小説「月と6ペンス」にインスピレーションをもらいました。
久しぶりに憧れの景色が増えたなと思わせてくれた素晴らしい作品。

The island of joy っていうタイトルは、
作ってる時楽譜が目の前に置いてあったドビュッシーのピアノ曲「喜びの島」から。

月と6ペンスではタヒチが主人公が自分らしさを見つける重要な舞台で、図らずも「喜びの島」という言葉がタヒチのイメージにぴったりだったのでそのまま採用しました。

▪️youtube(オリジナル曲をアップしてます)

▪️Radiotalkでピアノ弾き語りラジオしてます(公式認定してもらったよ!)


読んでいただきありがとうございます。「自分の個性」に気づき表現していける女性が世の中に増えるように、アウトプットをしていきます!