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似合うけど人と被る服を着てみる

 疲れるならやめればいい。
 確かにそれはそうです。
 でも、元々好きだったことが楽しめなくなっていたとしたら……

 まずは、つまらないことからやってみようという話です。


「試着に1時間」の理由

 前回、僕は疲れるおしゃれは嫌だと散々言いました。
 それでも……いや、それだからこそやめなかったのは、お店の試着に1時間かけることです。
 1時間かかっても何も買わない日なんてしょっちゅうです。
 だって、試着の1時間よりも、似合わなくて着なくなってクローゼットに押し込む2年間の方が長いじゃないですか。
 体調悪くてボケーッとしながら服を選んだらおじさんみたいな格好になってた、という方が疲れるじゃないですか。
 服が本来持っていたはずの「自由で楽しい」力が発揮できないのは悲しい。

 自分が太っていて背が微妙に高くて、おまけにグータラだ、というコンプレックスを何とかしてくれるのは服です。
 どうせなら大事に選んで大事に着たいものです。
 今は疲れてるしお金もないけれど、服を着るのは元々好きだったから。


トレンドに全部ついてくのは無理

 ただ、こんな連載しといてなんなのですが、僕は体格が結構微妙でして。
 特にボトムスは着るものを選びます。
 本当、女性のボトムスのトレンドって強烈なものばっかり出てきてベーシックな着回しを考えるのが大変です。
 じゃあどれだけやばかったかというと、テーパードパンツは「ボンタン」になり、ワイドパンツは「ドカン」になるくらいです。

 やばい。なんてやばいんだ!!

 ……このような感覚を養うためには、試着は必須だとつくづく思い知らされました。
 試着という行為によって「似合うと思っていたはずなのに全然似合わない!」というショッキングな経験を積み重ねる羽目になります。
 が、「似合うはず!」ととりあえず思ってトレンドに乗っかって後で凹むぐらいなら、試着の段階で凹んだ方がマシ。

 しかしながらベーシックにすがるのも寂しいもので、とりあえずトレンドに乗っかるとたまに「イケてる」時もあります。
 ガウチョパンツの時は太ももの太さを気にせずに済み、足首を見せることによってスッキリと着こなすことができたのでよかったです。
 今はそんなガウチョにお目にかかれないけど……


永遠のベーシックはありえない

 僕ね、お金ないからユニクロでさえ高いと思う人間ですからね。
 何となく、で要らない服を増やさないためには年単位での着こなし方を考える必要があります。
 その点、ユニクロはいつも出てくる定番アイテムが固定化されているので頭を悩ませる必要性が減ります。
 サイズは豊富だけど、本当にベーシックな服は実は少ないです。
 つまり「これだけ揃えとけばいい」というものを迷わず選ぶことができます。

 それでも近年は大きめに作られた商品が増えてきました。
 ベーシックっぽいかも、と思って選んだ無地の服がトレンドデザインてんこ盛りだったということが多々あります。
 その一方でカーディガンは未だに腕周りだけがきついなど、商品ごとのサイズ感に大きなばらつきがあるので、やはり試着は必要です。
 たとえ会社で着るような白いブラウスでも、シルエットが微妙に変わってきます。

 それはどうしようもないところではあるので、その服が自分に合っていないと思った時は買わない選択肢を取ります。
 買わないというより買えない、の方が近いです。
 もろにトレンドだと型落ちがセールで売られてたりしますが、普通すぎる服というのはあのセールカゴに入っていることは滅多にありません。

 まぁ幸いにも、今のところは白ブラウスに困ることはないです。
 それよりもやっぱり、腕だけがきついというアンバランスな作りをしているカーディガンの方が買えなくて辛いです……
 あの変なシルエットを何とか直してもらえないだろうか。


「脱・ヤンキー」または「脱・おじさん」へ

 ここまで記事を読んでいただけると分かるかもしれませんが、今の僕の服の買い方はこの本をベースにしています。

 タイトルには「おしゃれ」とありますがその前段階、「汚くだらしない服を着ない」ことに特化した中身です。
 これで基礎は十分です。

 女性向けの着こなし本はアレを着ろこれを買え、という情報量が多すぎるので読んでもあまりスッキリしません。
 ですから男性向けの本を参考にするというのは、個人的に大いにアリだと思います。
 このようなファッション超初心者に向けた本は、ご自分でお好みの方の著書を読んでいただければOKです。
 ぶっちゃけ超初心者向けに絞ると大山旬さんかMBさんかぐらいの選択肢しかないですけど、基本は大体一緒。

 コーデ例の方向性が違うだけです。

 お店で試着、という場面で悩むのであればこちらもおすすめです。

(一生使えるかまでは微妙。5年も前の本なのでジャストサイズがいいとされていますが、今はややゆるいぐらいがジャストな場合もあります)

 大山さんの考えるカジュアルコーデは、大人向けでキレイめ。
 30代以上の方がだらしなくならないように、というところがとてもよく考えてあります。
 パッと見つまらなそうな服をしてるというのがポイントです。

(ちなみにそんな彼、最新刊出ました。おじさんが服着てたのがとうとう虎になりました)

 女性の場合はおじさん化しないよう選ぶ服を気をつけながら、本に載っているコーディネートをある程度真似してみるというのも面白いです。
 真似だけで終わるのではなく、自分でより似合う方向へ調整していきます。

 ユニクロの服、実は似たようなデザインのウィメンズより、メンズを着てしまった方が素直に似合う場合もあります。
 おじさんっぽさを脱するには、やっぱりウィメンズならではのアイテムを投下した方がいい時もあります。
 それは実際に着てみて、試してみないと分かりません。
 もし「精神的に苦しい、でも人と会う用事がある」という場合でも、ウィメンズでそれっぽい真似しておけば大丈夫。
 そんなにおしゃれではないし間違いなく誰かとは被るけど、汚くはならないので安心しましょう。
 裾のロールアップやクロップド丈、袖まくりは、女性がやった方がむしろ綺麗です。

 人と被る服を着倒しているうちに、もっと面白いことをしてみたいと思うようになるはず。


しかし、これには怖い続きが

 ただ……ただですよ?
 本を紹介しといてなんなのですけども、個人的にはユニクロで9割は厳しいと感じます。
 本当に要る服の選び方が分からないとひたすら疲れます。
 GUの劣化版みたいな、定番でもトレンドでもない、トレンドっぽいだけの変な服を掴まされます。

 僕は「とりあえずユニクロ」という選択肢は段々と危ういのではないかという気がしてきました。
 試着するというプロセスを抜きにしない、にしてもです。

 そう、それを思い知らされたのは、この記事を書いて保存しておいた次の日のことでした……
 え、何に遭ったって? それはまた今度。