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私になるまで34

46歳の冬。都会の道は行ったことがないという父の車に揺られて、大阪市内を抜け淀川を渡る。懐かしい風景が飛び込んで来る。病院は以前私が一人暮らししていた場所からほど近いところだった。インターチェンジを降りて、その後道に迷った。カーナビがそこ曲がります!っていう所を通り越して迂回する。2度ほどそういう事をを繰り返し、ようやく病院に到着した。

受付を済ませ、診察室の前で待つ。心臓が早鐘を打つ。なんであんなに緊張していたのか?今になって思う。「未知との遭遇」昔診察してもらった先生だけどこれからの事を考え、不安でたまらない。

そこへ、ひょこっと通り過ぎる白衣の医師。

診察室へ、と入っていく。程なく、私の名前が呼ばれる。「こんにちは」優しい瞳が私に微笑みかける。その後首の触診。「うわぁー腫れてるなぁ。」首の前の筋肉を引っばり、「ここ切るか。」いきなり切るって言われ言葉が出ない。「とりあえずMRI撮ってみようか。あっちのはわかりにくい。麻酔かけてしなかったん?」と先生「麻酔というか安定剤入れてた。全然眠れなかった。」と私。

予想してなかったが、MRIを撮ることになった。検査室の前で母と待つ。母が「プロやね。今までと全然違うわ。」感心している。「あの先生昔みてもらったことあるんや。とても良い先生やったからあの先生居たらええのにって思ったら、いた。」と言うと、満面の笑みになった。その後のMRIは、麻酔がすぐ効いて気がついた時には検査室のベッドの上だった。しばらく休んで下さい。と言われた、その間に両親は説明を受ける。少し間があり、先生と両親が来て、もっと情報が欲しいので検査入院すると告げられ多分手術になる。この「多分=必然的」なのだろうと、またまたドキドキし始める。とりあえず採血をして、明日造影検査を受ける事になった。病棟まで行く途中トイレに行きたくなる。我慢しきれなくて看護師にふらふらの身体を支えてもらいトイレに何故か先生も付いて来る。看護師に「先生、男やろ?」って注意されている。「あ〜そうか!」やはり昔のままの先生だった。部屋は6人部屋だった。師長から説明と問診があり、両親は当時上の子が京都の学校に行っていたのでそちらに1泊して次の日また来ることになった。ちょっと不安だったが、ひとり病院残された。けれど、ここの病院の看護師は障害者に慣れている様子。ちょっとほっとする。しかし自分で何かしようとすると、危ないから絶対ナースコールしてください!と言われた。まぁ無理もない。まだ麻酔が取れきれてなくてふらふらだったから。

こうして、次の日通称ミエロという造影検査を受ける事になった。

今はまだ修行中の身ですが、いつの日か本にしたいという夢を持っています。まだまだ未熟な文章ですがサポートして頂けたら嬉しいです。