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#読書感想文

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#小説

『美しい星』 作者: 三島由紀夫

私が読む三島由紀夫の作品は、これで二冊目なので良くは存じていないながら、三島作品ではSF的…

浅野 智
1か月前
8

『夏への扉[新版]』 作者: ロバート・A・ハインライン

1956年に発表されたロバート・A・ハインラインによる古典的SF小説であり、代表作ともされてい…

浅野 智
2か月前
3

『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』 作者: フィリップ・K・ディック

本作は、私が初めて読んだディックの小説だ。手にした動機は無論、映画『ブレードランナー』の…

浅野 智
3か月前
2

『人間以前 ディック短篇傑作選』 作者: フィリップ・K・ディック

事情はよく知らないが、近年になって改めて連続刊行されたディック短篇傑作選も本書で6冊目。2…

浅野 智
4か月前
4

『シビュラの目―ディック作品集』 作者: フィリップ・K・ディック

短篇集というものは割と奇抜なものに出会い易い。長篇作とは異なり、作者も何かしらのチャレン…

浅野 智
6か月前
3

『変種第二号 ディック短篇傑作選』 作者: フィリップ・K・ディック

『スターウォーズ』みたいなピュンピュンと光線が飛び交う様なスペースオペラは別として、割と…

浅野 智
7か月前
7

『シミュラクラ(新訳版)』 作者:フィリップ・K・ディック

1980年、米中間で起きた衝突により勃発した第三次世界大戦。戦後、世界はワルシャワを中心とする共産主義体制と、ヨーロッパ・アメリカ合衆国(USEA)とに二極化された。 90年代には、USEAでは大統領ではなくそのファーストレディの方が民衆の圧倒的な信頼と絶対的な地位を持った母権性に移行していった。 21世紀半ば、ニコル・ティボドーが大統領夫人を務める世の中に於いて、物語は始まる。 念動力を以て楽器演奏をする国民的名音楽家でありながら、深刻な精神的病理を抱える超能力者。 彼の音

『去年を待ちながら』 作者:フィリップ・K・ディック

ハードで形而上的な作品が多い印象のフィリップ・K・ディックであるが、これはなかなか手強い…

浅野 智
9か月前
1

『高い城の男』 作者:フィリップ・K・ディック

小説というものは、アイデアと設定が重要なのは当然だが、分けてもSF作品というジャンルにとっ…

浅野 智
9か月前
4

『マイノリティ・リポート―ディック作品集』 作者:フィリップ・K・ディック

SF界の鬼才フィリップ・K・ディックは、優れたアイデア・ストーリーを多数著した。 表題作「マ…

浅野 智
10か月前
3

『トラブル・イズ・マイ・ビジネス チャンドラー短篇全集 4』 作者:レイモンド・チャ…

全集の最終巻である。 レイモンド・チャンドラーの全中短篇を、何名かの翻訳者に割り振っての…

浅野 智
10か月前
13

『最後の喫煙者 自選ドタバタ傑作集1』 作者:筒井 康隆

非常に作品数が多い筒井康隆には、数多くの傑作集が存在するので、過去に読んだ作品と再び鉢合…

浅野 智
10か月前
15

『トライ・ザ・ガール チャンドラー短篇全集 2』 作者:レイモンド・チャンドラー

ハードボイルド探偵小説界に於ける希代の名作家レイモンド・チャンドラー。その全中短篇を網羅…

浅野 智
10か月前
7

『キラー・イン・ザ・レイン チャンドラー短篇全集 1』 作者:レイモンド・チャンドラー

村上春樹による『ロング・グッドバイ』の新訳が刊行された影響で、改めてレイモンド・チャンドラーの作品が再評価されたのを機に、新訳で編まれた短中篇全集全4巻が発刊された。 なかなかの商売上手ではないか。しかも、一作毎に翻訳者を変えるという凝りようだ。 村上新訳版にはさして食指は動かないが、1930年代から1950年代にかけて活躍したチャンドラーの未読作を今更ながら読める機会を与えてくれたことには感謝せねばなるまい。 その全集の第1巻。収録されているのは、順番は異なるものの初期に発