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#読書感想文

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#小説

『2001年宇宙の旅(決定版)』 作者: アーサー・C・クラーク

本作は、スタンリー・キューブリック監督による1968年のSF映画の小説版である。映画公開後に発…

浅野 智
3か月前
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『美しい星』 作者: 三島由紀夫

私が読む三島由紀夫の作品は、これで二冊目なので良くは存じていないながら、三島作品ではSF的…

浅野 智
6か月前
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『夏への扉[新版]』 作者: ロバート・A・ハインライン

1956年に発表されたロバート・A・ハインラインによる古典的SF小説であり、代表作ともされてい…

浅野 智
7か月前
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『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』 作者: フィリップ・K・ディック

本作は、私が初めて読んだディックの小説だ。手にした動機は無論、映画『ブレードランナー』の…

浅野 智
8か月前
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『人間以前 ディック短篇傑作選』 作者: フィリップ・K・ディック

事情はよく知らないが、近年になって改めて連続刊行されたディック短篇傑作選も本書で6冊目。2…

浅野 智
9か月前
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『シビュラの目―ディック作品集』 作者: フィリップ・K・ディック

短篇集というものは割と奇抜なものに出会い易い。長篇作とは異なり、作者も何かしらのチャレン…

浅野 智
11か月前
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『変種第二号 ディック短篇傑作選』 作者: フィリップ・K・ディック

『スターウォーズ』みたいなピュンピュンと光線が飛び交う様なスペースオペラは別として、割とSF映画が好きだ。1996年に公開された『スクリーマーズ』という、ちっと変態チックなホラー感アリの映画も結構面白かったのだが、エンドロールでディックの短篇小説が原作だと知ってやや違和感を感じたものだった。 まぁ、もっとも『ブレードランナー』だって『トータルリコール』だって、原作と映画では世界観からして全然異なるので、本作も大幅に改変したのに違いないと思っていた。 何しろ1953年の作品だ。

『シミュラクラ(新訳版)』 作者:フィリップ・K・ディック

1980年、米中間で起きた衝突により勃発した第三次世界大戦。戦後、世界はワルシャワを中心とす…

浅野 智
1年前
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『去年を待ちながら』 作者:フィリップ・K・ディック

ハードで形而上的な作品が多い印象のフィリップ・K・ディックであるが、これはなかなか手強い…

浅野 智
1年前
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『高い城の男』 作者:フィリップ・K・ディック

小説というものは、アイデアと設定が重要なのは当然だが、分けてもSF作品というジャンルにとっ…

浅野 智
1年前
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『マイノリティ・リポート―ディック作品集』 作者:フィリップ・K・ディック

SF界の鬼才フィリップ・K・ディックは、優れたアイデア・ストーリーを多数著した。 表題作「マ…

浅野 智
1年前
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『トラブル・イズ・マイ・ビジネス チャンドラー短篇全集 4』 作者:レイモンド・チャ…

全集の最終巻である。 レイモンド・チャンドラーの全中短篇を、何名かの翻訳者に割り振っての…

浅野 智
1年前
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『最後の喫煙者 自選ドタバタ傑作集1』 作者:筒井 康隆

非常に作品数が多い筒井康隆には、数多くの傑作集が存在するので、過去に読んだ作品と再び鉢合…

浅野 智
1年前
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『トライ・ザ・ガール チャンドラー短篇全集 2』 作者:レイモンド・チャンドラー

ハードボイルド探偵小説界に於ける希代の名作家レイモンド・チャンドラー。その全中短篇を網羅しようという短篇全集の第2巻目に収録されているのは、1936年から1937年にかけて発表された七篇である。 今回も、一作毎に翻訳者を変えており、読み比べてみれば、気安い口調を用いてみたり、余計なものを削ぎ落とした様な表現を用いたりと、少なくないそれらの表現の差異もなかなか興味深い。 この全集はほぼ発表順に作品が編まれており、チャンドラーの作家性の足取りが追えて有難い。 そして、本書では「シ