『火の鳥 太陽編(上中下)』 作者:手塚治虫
1986年から1988年にかけて小説雑誌の『野性時代』に連載された第12部は、作品として発表されたものとしては最後のエピソードで、実質的なシリーズ最終話となっている。
これまで各話毎に表現方法や作風、火の鳥の扱い方など様々な変化や工夫を凝らしてきているが、本作も特異な作りとなっている。
これまで『火の鳥』は、一作毎に過去と未来とに、交互に舞台を重ねながら少しずつ時代の振り幅が狭まっていっていくというスタイルを通してきた。だが本作に於いては、7世紀がメインではありながら、21世