『高い窓』 作者:レイモンド・チャンドラー
本書は、レイモンド・チャンドラーの三作目の長編である。『さらば愛しき女よ』に続く流れで、これも何十年か振りに再読したが、非常に楽しく読めた。
同じく、私立探偵フィリップ・マーロウを主人公とし、彼は或る依頼事に関わるうちに、例によって立て続けに殺人事件に出くわしていく。
と、書くと、伝統芸の様な決まりきったパターン物の印象を与えるかもしれないが、本書については読み始めて暫くすると、他の作品とはやや異なる雰囲気を感じた。
一作目『大いなる眠り』、二作目『さらば愛しき女よ』に比べ