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【質問#2】精神疾患にかかったことがあっても精神保健福祉士として働けるか

精神疾患の既往症がある精神保健福祉士は精神保健福祉士として活躍できると思いますか? 私は虐待後遺症の症状に振り回されており、せっかく資格を取得してそれを活かしたいと思うのに、思うようにいかず歯痒いです。

【申込フォーム】あさねに聞いてみたいこと より

ご質問ありがとうございます。
精神保健福祉士の資格をもうお持ちなのですね。つらい過去がありながらも、国家試験や実習などを乗り越えたことがまず、素晴らしいと思います。おつかれさまでした。

先に結論から申し上げますと、私は、精神疾患の既往症があっても精神保健福祉士として活躍できると思います。というのは、実際に精神疾患にかかったことがあって、福祉の資格をとり今は支援者として働いている人を知っているからです。
ただ、おそらくあなたもご承知のとおり、決して易しい道ではないかと思います。

後遺症に苦しんでいらっしゃるとのこと、きっと、ご自身の過去から福祉の道を志そうと思われたのではないかと想像します。
あなたのような方が福祉に関わってくれたらと強く願う一方で、福祉の仕事に就けば、あなたのトラウマを掘り起こすような方や、あなたに近い傷を負った方と出会う可能性は充分にあるため心配だという気持ちもあります(大きなお世話かもしれませんが……)。

もしあなたが、まだ福祉の仕事に就いておらず、資格は取ったけれど後遺症がやはりつらいということであれば、いったん別の道を選ぶのも手です。自分がやりたいことにアプローチできる道を他に模索してみてもいいと思います。
あるいは、通院やカウンセリングを始めて、自身の休息に努めるという手もあります。精神保健福祉士として活躍するのはそれからでも遅くありません。

既に福祉の現場にいらっしゃるのであれば、お仕事の中でどういうときに後遺症に苦しんでしまうのか、場面を整理できるといいと思います。特定の人に関わると特につらいとか、こういう種類の相談は聞くのがつらいとか。それを上司や仲間に相談してみるのはどうでしょうか。
支援者というのは、表面上淡々と上手にこなしていても、心中は葛藤だらけということがよくあります(というか、うまくいったという実感に乏しい仕事です)。悩んでいるように見えない上司や仲間もきっと悩んでいて、アドバイスをくれるかもしれません。あるいはアドバイスなんてなくても、聴いてくれる人が身近にいるというだけでも心持ちが変わるかもしれません。

福祉士は共感や傾聴が必要といわれますが、相手に寄り添いながらも、常に相手と一定の距離を保つ必要があると私は思っています。相手の悩み・相手の希望と、自分の悩み・自分の希望を混同させないこと。もしここが、ぶれているなぁと感じたら、ぜひそれを上司や仲間に相談してみてほしいと思います。

あなたが歯痒い思いをされるのは、とても自然なことというか、当たり前のことで、きっと必ず通る道だと思うのです。
どうか、思い悩むご自身のことを責めずに、前に進んでいっていただきたいと思います。

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