否定ありきの世界にだけはなって欲しくない

LGBTQに関するSNSの投稿やそれに対するコメントを見ているといつも考えさせられます。

LGBTQの活動団体が嫌いと言う人もいれば、プライドパレードはかえってLGBTQを奇抜な人たちという印象を与えかねないと考える人もいるようです。

最近だと東京レインボープライドの件で色々問題があった事は記憶に新しいかと思います。運営側の対応に疑問を抱いた人も多くいるでしょう。

ここからは僕の考え方をお話しします。
ゲイ目線での話を。

ヒトという生き物に限らず、どの動物にもゲイという存在はいるでしょう。だから僕たち人間の中にゲイがある程度存在する事だって何ら不思議な事ではないと思います。

でもオスメスが存在する生物の世界では異性愛、要はヘテロという存在が主たる存在であり、それが「普通」であるという考え方のもとで人間社会は構成されています。

その中で僕を含めゲイの人たちは周りの男性と違う事に気付き始めます。
子どもの頃から気が付く人もいれば、年齢を重ねてから気付く人もいるでしょう。

でも子どもの頃から何故かそれはいけない事で、誰かに話してはいけないという考え方が何処かにあった人は多いかと思います。僕もその一人です。
誰かがいけない事だと言った訳ではないと思うのですが、周囲の動きや空気でそう察していたのだろうと思います。
何となく自分は人と違うな、と思っている程度で世の中を進む事が出来れば問題にはならなかったのかもしれません。
「何となく男性に興味があって男性が好きだな」と自分の中で想いを留めたまま終わればそれ以上悩む事は無いのですから。

だけどそうはいかないから悩む事になる訳です。
自分が好きな人に想いを告白する事。
結婚する事。家庭を築く事。性行為をする事。
ヘテロには比較的容易に出来る事がゲイには難しい。
その現実は年を重ねるごとに実感していく事になります。

ヘテロの苦労はヘテロにしか分からないですが、
ゲイの苦労はゲイにしか分からないのも事実だと思います。

その苦しみや想いはゲイが黙っていれば何も無かったという事に出来るのかもしれません。世界には沢山人間がいてもゲイはそのうちの数パーセントでしかない。意見や想いを封殺しようとすれば簡単に出来るのは間違いない事ですから。

活動家やLGBTQの団体はLGBTQの人たちでも暮らしやすい世の中にしたいと思い、その願いを成就する為に活動を始め、時が経つにつれて大きな団体となったのでしょう。活動をするにあたっては、LGBTQの存在を世界に知ってもらわなければいけないというのは当然の事かなと思います。
実際にいるという事を証明しない事にはただの嘘つきという事になりますので。

自分が周囲の人と違う性的感覚を持っていた人からすれば、LGBTQの存在を世界に示してくれた存在はとてもありがたい事だろうと僕は思います。
少なくとも僕は救われた方の人間です。
男同士で性行為を行うAVの存在も僕にとってはありがたい存在です。
男女だけではなく男同士でも出来るという事を教えてくれる訳ですから。


ただ世の中にはひっそりと暮らしたいと考えるゲイの人もいます。
ネットニュースでLGBTQ関連の話題があると、そう願う人のコメントを目にする事があります。それと同時に心無い言葉も多く目にします。
僕に直接向けられた言葉では無いものの、LGBTQに対して向けられた言葉だと思うと何とも言えない気持ちになります。
そっとしておいてほしいと願う気持ちとLGBTQは身近にいるという事を分かって欲しいという気持ち、両方の気持ちが僕の中にはあるのでとても複雑な気持ちになります。


ヘテロにしか分からない幸せがあるように、
ゲイにしか分からない幸せも沢山あります。

それぞれが幸せだと感じる事を理解出来ない事は多くあるでしょう。
それはそれだけ価値観が沢山あり自由だからという事の証。

僕は僕なりの幸せ、
ゲイとしての幸せを自分なりに掴んでいこうと思っています。


誰かが幸せだと感じる事を出来るだけ否定したくない
、というのが僕の気持ちです。

否定ありきの世界にだけはなって欲しくないと願ってこの記事を書き終える事にします。

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